新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報

公開講座

令和6年度 国立感染症研究所研究発表会(学生・若手研究者対象 研究部紹介)

国立感染症研究所では、ウイルス・細菌・真菌・寄生虫等による各種感染症の克服に向け、数々の基礎・臨床研究に取り組んでいます。 感染症研究を志す若手研究者・医療関係者・学生の皆様のご参加を歓迎します。  2024年5月25日(土)13:00〜18:00 Zoom Webinarで開催いたします。参加を希望...

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令和6年度 感染研市民公開講座 知らなかった、感染症の「へぇー、そうだったんだ!」 (全6回)

掲載日:2024年5月8日 オンライン企画(世界中どこからでも視聴可能!) 令和6年度 国立感染症研究所 感染研市民公開講座知らなかった、感染症の「へぇー、そうだったんだ!」 ポスターPDF 感染症にまつわる、普段なかなか聞くことができないさまざまな「へぇー、そうだったん...

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IASR最新号 特集記事

IASR 45(4), 風疹・先天性風疹症候群 2024年2月現在

  風疹・先天性風疹症候群 2024年2月現在 (IASR Vol. 45 p51-52: 2024年4月号)   風疹は風疹ウイルスによる急性感染症であり, 発熱, 発疹, リンパ節腫脹を主徴とする。風疹に対する免疫が不十分な妊婦が風疹ウイル...

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南半球における2019年インフルエンザシーズンの概要

(IASR Vol. 41 p64-65: 2020年4月号)

南半球の温帯地域の国々における2019年のインフルエンザ流行のシーズン開始は, オーストラリア, チリ, 南アフリカで例年の5月より早く, ピークのタイミングはパラグアイとウルグアイを除いて例年の8月より早かった。流行期間は, インフルエンザが10月後半まで循環していたチリでは例年より長かった。南米では, A(H1N1)pdm09が優勢あるいはA(H3N2)と共循環していた。また, 8月下旬にB型が大半を占めたシーズン2回目の流行を認めたチリを除き, B型は10%未満であった。南アフリカでは, 過去36年間で4回目となる1亜型〔2019年シーズンはA(H3N2)〕が90%以上を占めた年となった。オーストラリアでは, A型が77%で前シーズンと同様多くを占め, ニュージーランドでは, A型〔80%がA(H3N2)〕とB型(すべて山形系統)が半々で, A型が88%を占めた前シーズンと違う傾向であった。

重症度については前シーズンとほぼ同様であったが, チリでは重症急性呼吸器感染症の報告数が20%増加した。南アフリカでは, 入院患者におけるインフルエンザ肺炎の割合は過去5年と同等であった。オーストラリアでは, 過去5年で最も検査診断例の報告数, 入院数が多かったが, 重症度は過去2シーズンに比べ低かった。ニュージーランドでは, 重症度は過去5年で2番目に低かった。

2019年シーズンの3価ワクチンの推奨組成は, A/Michigan/45/2015(H1N1)pdm09-like virus, A/Switzerland/8060/2017(H3N2)-like virus, B/Colorado/06/2017-like virus(Victoria系統)であった。オーストラリアでは高齢者に対してB型山形系統を含めた4価ワクチンが使用された。ワクチン効果は, 以下の通りであった。A(H1N1)pdm09は外来患者においてオーストラリア62%(95%信頼区間:39,78), ニュージーランド7%(-60,47), 入院患者においてオーストラリア70%(49,82), ニュージーランド54%(-8,80), チリ70%(60,77)であった。A(H3N2)は外来患者においてオーストラリア37%(24,49), ニュージーランド4%(-29,29), 南アフリカ53%(23,72), 入院患者においてオーストラリア43%(22,59), ニュージーランド57%(21,76), チリ6%(-75,49)であった。B型は外来患者においてオーストラリア63%(46,74), ニュージーランド56%(38,69), 入院患者においてオーストラリア52%(34,65), ニュージーランド66%(23,85), チリ29%(-23,59)であった。

 
 
[出典:WHO, WER, 95(1/2): 1-12, 2020]
(抄訳担当:国立感染症研究所 藤倉裕之 山岸拓也)

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