国立感染症研究所

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Development of serological assays to identify Helicobacter suis and H. pylori infections.

Matsui H*, Rimbara E*, Suzuki M, Tokunaga K, Suzuki H, Sano M, Ueda T, Tsugawa H, Nanjo S, Takeda A, Sasaki M, Terao S, Suda T, Aoki S, Shibayama K, Ota H, Mabe K (*equal contribution)

 iScience  VOLUME 26, ISSUE 4, 106522, APRIL 21, 2023

ヘリコバクター・スイスはブタなどを自然宿主とするが、時にヒト胃に感染し、胃MALTリンパ腫や胃・十二指腸潰瘍の原因となる。ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染率の低下に伴い、ヘリコバクター・スイス感染の臨床的重要性が増しているが、ヘリコバクター・スイスはピロリ菌感染診断法では検出されないため、臨床で用いることのできる非侵襲的感染診断法の開発が求められている。本論文では世界で初めてヘリコバクター・スイス感染の血清抗体価測定(ELISA)を報告した。PCR法を基準検査法とした場合、開発したELISAの検出感度は100%、特異度は92.6%であり(図)、これまで見逃されていたヘリコバクター・スイス感染を高感度で検出できる診断法として、今後の臨床での活用が期待される。

本研究はAMED、JSPSの支援をうけて北里大学などとの共同研究で行われた。

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