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Dose-sparing effect of Sabin-derived inactivated polio vaccine produced in Japan by intradermal injection device for rats

Eriko Itoh, Sakiko Shimizu, Yasushi Ami, Yoichiro Iwase, and Yuichi Someya

 Biologicals, Vol. 82, 2023.

世界的に不活化ポリオワクチンの接種がなされるようになり、ワクチンの不足が懸念されている。不活化ポリオワクチンは通常筋肉内もしくは皮下に接種されるが、強毒株由来不活化ポリオワクチン(ソークワクチン)の皮内接種の検討により、1回の接種用量を1/5に削減することが実証されており、ワクチン不足への対策のひとつとなりうる。本研究では、セービン株由来不活化ポリオワクチンについて、皮内接種により同様の効果が認められるか、ラットを用いて検証した。皮内接種はテルモ株式会社が開発した皮内注射デバイス、イムサイスをラット用に改造した専用デバイスを用いた。セービン株由来不活化ポリオワクチンの1ヒト用量を筋肉内に接種する群と1/5ヒト用量を接種した群とを比較したところ、同等の中和抗体価を得たことから、セービン株由来不活化ポリオワクチンにおいてもソークワクチンと同様に、皮内接種により1/5量まで投与量を削減することができることが示された。

本研究はテルモ株式会社との共同研究契約に基づき実施された。

vaccine 2022-02

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan