High expression of JC polyomavirus-encoded microRNAs in progressive multifocal leukoencephalopathy tissues and its repressive role in virus replication.

Kenta Takahashi, Yuko Sato, Tsuyoshi Sekizuka, Makoto Kuroda, Tadaki Suzuki, Hideki Hasegawa, Harutaka Katano

PLOS Pathogens 16(4): e1008523.

マイクロRNAは生物ゲノムにコードされる20塩基ほどの短いRNAで、他の遺伝子の発現を調節する働きをしている。本研究では、ウイルス由来のマイクロRNAを検出するin situ hybridizationの技術を確立し、進行性多巣性白質脳症とBKウイルス関連腎症の組織標本上で、ポリオーマウイルス由来のマイクロRNAが感染細胞の核に発現することを示した。

ウイルス由来マイクロRNAの局在を病理組織標本上で明瞭に示した報告は世界初で、本法はウイルス感染症の新しい病理診断法として期待される。さらに、培養細胞の実験系で、JCポリオーマウイルス由来のマイクロRNAがウイルス自身の増殖を抑制することを明らかにした。将来的に、ウイルス由来マイクロRNAを利用した新規治療法の開発が期待される。