新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報

公開講座

令和6年度 国立感染症研究所研究発表会(学生・若手研究者対象 研究部紹介)

国立感染症研究所では、ウイルス・細菌・真菌・寄生虫等による各種感染症の克服に向け、数々の基礎・臨床研究に取り組んでいます。 感染症研究を志す若手研究者・医療関係者・学生の皆様のご参加を歓迎します。  2024年5月25日(土)13:00〜18:00 Zoom Webinarで開催いたします。参加を希望...

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令和6年度 感染研市民公開講座 知らなかった、感染症の「へぇー、そうだったんだ!」 (全6回)

掲載日:2024年5月8日 オンライン企画(世界中どこからでも視聴可能!) 令和6年度 国立感染症研究所 感染研市民公開講座知らなかった、感染症の「へぇー、そうだったんだ!」 ポスターPDF 感染症にまつわる、普段なかなか聞くことができないさまざまな「へぇー、そうだったん...

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IASR最新号 特集記事

IASR 45(4), 風疹・先天性風疹症候群 2024年2月現在

  風疹・先天性風疹症候群 2024年2月現在 (IASR Vol. 45 p51-52: 2024年4月号)   風疹は風疹ウイルスによる急性感染症であり, 発熱, 発疹, リンパ節腫脹を主徴とする。風疹に対する免疫が不十分な妊婦が風疹ウイル...

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複数州が関係する食品由来感染症アウトブレイク、2010~2014年―米国

(IASR Vol. 36 p. 254: 2015年12月号)

毎年数百万人の米国人が、食品媒介性の病原体により病気になる。多くの食品由来感染症のアウトブレイクは地域限定的である。しかし、多くの食品が広範囲かつ迅速に供給されようになり、また、検出方法が改善されたため、複数州で発生し、時に全国規模であるアウトブレイクはより認識されるようになり、その頻度は増えている。本報告においては、米国疾病管理予防センター(CDC)による食品由来感染症アウトブレイクのサーベイランスシステムのデータから、2010~2014年の米国における食品由来感染症の状況を分析する。

2010~2014年の間、120事例の複数州が関係する食品由来感染症アウトブレイクがCDCに報告された。これらのアウトブレイクは、すべての食品由来感染症報告の3%(4,163事例中120事例)を占め、患者数11%(71,747例中7,929例)、入院例の34%(4,247例中1,460例)、死亡例56%(118例中66例)を占めた。主な病原体は、サルモネラ属(63事例)、志賀毒素産生大腸菌(34事例)とリステリア菌(12事例)であった。また、多く関係する食品は、果物(17事例)、生の葉野菜 (15事例)、牛肉(13事例)、スプラウト野菜(10事例)、種つき野菜(seeded vegetables)(9事例)であった。原因食品を確認するためのさかのぼり調査は、87事例に対して行われ、うち55事例では製品の回収(リコール)に至った。輸入食品による複数の州が関係するアウトブレイクは18事例であった。

複数州で発生するアウトブレイクは、州をまたがない場合と比べて、入院や死亡の割合が高い。その理由の一つとしては、単独州で発生するアウトブレイクの第一の原因がノロウイルスであることに対して、複数州の場合の起因病原体が前述のものであることによる。

 食品業界、公衆衛生部門、関係機関が協働することにより、複数の州が関係するアウトブレイクとの関連がある汚染食品を同定し追跡する、より効果的方法を開発し実用化することが可能と考えられる。アウトブレイク調査により得られるこれらの情報によって食品の安全に関する手技や規則の改善に役立てることができ、将来のアウトブレイク発生防止につなげられる可能性がある。

特に食品業界は、食品安全を会社の中心的な文化とすることにより、あるいは食品の新しい安全規則と標準を満たすか、上回ることにより、アウトブレイクを効果的に防いだり規模を抑えることができる。各会社は、原材料の供給元から提供先までの食品の迅速な追跡を可能にするための記録を保持することにより、食品安全についてベストプラクティス(最善慣行)を実行している供給元だけを利用することができる。一つの方法として、小売店が顧客に発行するポイントカードなどは、病気を引き起こした食品を確認したり、特定の製品を買った顧客へのより迅速な連絡を可能にできる。さらなる情報については以下URLを参照され(http://www.cdc.gov/vitalsigns)。 

[CDC, MMWR 64(43): 1221-1225, 2015]    
(抄訳担当:感染研・栗田順子、有馬雄三、砂川富正)

 

 

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