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アジアリーグアイスホッケー競技大会における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事例

(速報掲載日 2022/5/24) (IASR Vol. 43 p143-145: 2022年6月号)
 

 北海道釧路市で2022年1月15日、16日にアジアリーグアイスホッケーの試合(以下、試合)が開催され、対戦した両チームの選手・関係者の他、大会関係者や観客で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の集団発生を認めた。本事例で得られたアイスホッケー競技大会のCOVID-19対策に資する知見や課題を報告する。

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広島市保健所管内の高齢者向け社会福祉施設におけるオミクロン株による新型コロナウイルス感染症集団発生事例

(速報掲載日 2022/5/17) (IASR Vol. 43 p141-143: 2022年6月号)
 
はじめに

 広島市では2021年10月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は低調に継続していたが、2021年12月末以降に急激に報告数が増加した。2022年1月初旬の広島県のL452R変異判定PCR検査では、オミクロン株を示唆するL452(L452R変異陰性)と判定された検体の割合は全体の約9割1)となった。同状況下において、市内の1つの高齢者施設で1月5~19日の期間に計28例のCOVID-19症例の集積を認めた。本調査では、高齢者施設におけるオミクロン株によると思われるCOVID-19集団発生事例の疫学情報としてまとめ、その特徴を明らかにし、同様の施設での対策に資することを目的とした。

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SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)による院内クラスター対策と事例解析における発症日とCt値および抗原定量値との関連―山口県―

(速報掲載日 2022/4/27) (IASR Vol. 43 p1139-141: 2022年6月号)
 
背 景

 わが国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初発例が報告されたのは2020年1月であり、その後約2年間にわたって、それぞれ異なる変異株を主流とする計6回の流行がみられた。2021年末に沖縄県や山口県など複数県から始まった第6波は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) B.1.1.529系統(オミクロン株)が主流であり、ゲノム解析の結果、当時米国で多数検出されていた系統に近縁もしくは同一配列であるとされている1)。また、同時期の山口県内のSARS-CoV-2新規感染者全体に占めるオミクロン株の割合は急速に増加し、2022年1月に実施された山口県内の516検体のゲノム解析の結果、1月4日発症の患者の検体以降に検査を実施した497検体すべてがオミクロン株であり2)、そのほとんどが米軍岩国基地関連のクラスターのオミクロン株と同一ゲノムもしくは1-2塩基置換であった。

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広島県における新型コロナウイルス感染症の重症例・死亡例に関する実地疫学調査、2022年1月

(速報掲載日 2022/3/16) (IASR Vol. 43 p95-97: 2022年4月号)
 

 広島県では2021年12月末より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)症例が増加し、2022年1月下旬に1週間の新規症例報告者数が人口10万当たり300を超えた。さらに、重症例・死亡例の報告数も増加した。また、それまでの流行株であるB.1.617.2系統の変異株(デルタ株)からB.1.1.529系統の変異株(オミクロン株)への急速な置き換わりも確認され、1月4日時点では、県内で実施されたL452R変異判定PCR検査におけるL452(L452R変異陰性)と判定された検体の割合は、約8割であった。本調査は、オミクロン株流行にともなう広島県のCOVID-19重症例・死亡例の全体像を把握することを目的に実施した。

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新型コロナウイルス感染症陽性者宿泊療養施設職員におけるオミクロン株感染

(速報掲載日 2022/2/25) (IASR Vol. 43 p72-74: 2022年3月号)
 

 2021年12月に関西国際空港の陽性者用宿泊療養施設(ホテルX)に勤務する職員(症例B)が嘔吐下痢を呈し(発症日をDay0とする)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と診断され、L452R変異株PCRで陰性を示すことが確認された。部分的に実施できたゲノム解析では B.1.1.529 系統(オミクロン株)が疑われた。当時、オミクロン株は、検疫で輸入例として確認されていたが、国内での感染事例はほとんど確認されていない状況であった1)。ホテルXには、12月に入りオミクロン株陽性症例が複数入所しており、Day-3(症例Bが発症する3日前)に米国からの入国者(症例A)が、Day0に米国からの入国者(症例D)が、Day3には英国からの入国者(症例E)が入所していた。本事例に対し、国内外でオミクロン株の感染経路に関する情報が乏しかったため、感染源や感染経路を検討した。

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沖縄県におけるSARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)症例の実地疫学調査報告(続報)

(速報掲載日 2022/2/18) (IASR Vol. 43 p70-72: 2022年3月号)
 
はじめに

 2021年11月24日に南アフリカ共和国から世界保健機関(WHO)へ最初の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)新規変異株B.1.1.529 系統SARS-CoV-2(オミクロン)感染例が報告された。以降、日本を含め世界各地から感染例が報告され、各地でオミクロン株の感染拡大がみられている1)

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那覇市立病院における新型コロナウイルスオミクロン株感染とみなされた初期入院症例40例の臨床的特徴

(速報掲載日 2022/2/10) (IASR Vol. 43 p67-69: 2022年3月号)
 
はじめに

 2021年12月末に、沖縄県で初めて確認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株による感染者は米軍基地従業員であった1)。その後、県内の感染は急速に拡大し、2022年1月末現在も、多くの感染者数が県内で報告されている(第6波)。

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沖縄県におけるSARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)症例の実地疫学調査報告

(速報掲載日 2022/1/11)(IASR Vol. 43 p37-40: 2022年2月号)
 
はじめに

 2021年11月24日に南アフリカ共和国から世界保健機関(WHO)へ最初の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)新規変異株B.1.1.529 系統(オミクロン)感染例が報告された。12月21日までに日本を含め世界106カ国から感染例が報告され、各地でオミクロン株の感染拡大がみられている1)

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札幌市立小中学校における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行状況とその拡大因子の解析

(速報掲載日 2022/1/7)(IASR Vol. 43 p35-37: 2022年2月号)
 

 国内の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者数は、新型コロナワクチン接種率の向上等により低下し、高齢者施設等でのクラスター発生数も減少してきている。一方で新型コロナワクチン接種ができない、または進んでいない20代以下では感染者数が増加し、それに伴い学校では新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者発生に対する適切な対策が求められている。そこで、2020年2月1日〜2021年9月15日の期間に発生した、札幌市立小中学校に通う児童・生徒、教職員等のCOVID-19事例を解析し、小中学校におけるSARS-CoV-2感染拡大要因について検討した。なお、札幌市では2021年7月より市立小中学校教職員を新型コロナワクチンの優先接種の対象にした。また、8月20日からは12~15歳の市民に新型コロナワクチン接種券を送付して同年齢層の市民にも新型コロナワクチン接種を開始したが、9月15日までに2回目接種を完了した同年齢市民の割合は約0.4%であった。COVID-19の流行以降、市立小中学校の児童・生徒、教職員等にSARS-CoV-2感染者が発生した場合、原則、感染者が発生した学級を学級閉鎖とし、同時に学級全員・接触のあった教員に発症の有無を問わずPCR検査を行ってきた。また、2021年3~6月までは、市衛生研究所や民間検査機関で検出されたSARS-CoV-2はB.1.1.7系統(アルファ株)が主流であり、B.1.617.2系統(デルタ株)の2021年6~ 9月までの月別検出割合は各0.2%、44%、74%、86%と増加していた。

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新型コロナワクチン接種後に新型コロナウイルス感染症と診断された症例に関する積極的疫学調査(第二報)

(速報掲載日 2021/12/17) (IASR Vol. 43 p15-18: 2022年1月号)
 

 国立感染症研究所(感染研)では、感染症法第15条の規定に基づいた積極的疫学調査として、新型コロナワクチン接種後に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と検査診断された症例(ワクチン接種後感染症例)に関する調査を行っている。2021年7月にこの第一報を報告した1)が、今回は続報としてその後の進捗を報告する。なお、前回同様、本調査では、ワクチンの有効性やワクチン接種後感染の発生割合については評価していない。また、この報告された症例の一部においては、診察した医師からの求めに応じて感染研で血清抗体検査を実施しており、これを後ろ向きにまとめた研究の暫定結果はIASRの別の記事で報告している2)

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