国立感染症研究所 実地疫学研究センター
感染症疫学センター
2023年2月3日現在
(掲載日:2023年6月19日)
淋菌感染症はNeisseria gonorrhoeaeを起因菌とする感染症で、男性では尿道炎、女性では子宮頚管炎を主に起こす。淋菌感染症は、感染症法の5類定点把握対象疾患で、地方自治体が定めた性感染症定点医療機関から感染症発生動向調査に報告されている。性感染症定点医療機関数は2007年以降1000弱でほぼ横ばいである。性感染症定点医療機関では医師が「症状や所見から淋菌感染症を疑い、定められた検査方法により診断した」症例を月毎に集計し、淋菌感染症として報告している。定められた検査方法には、尿道及び性器から採取した材料、眼分泌物及び咽頭拭い液でのN. gonorrhoeaeの検出又はN. gonorrhoeaeの抗原か遺伝子の検出が含まれる。
掲載日:2023年6月19日
第122回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和5年6月16日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第122回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
英語版(準備中)
国立感染症研究所インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター第一室
全国地方衛生研究所 |
過去のデータ
新型コロナウイルス ゲノムサーベイランスによる全国の系統別検出状況(.pdf)
2024年
2023年
2022年
2021年
新型コロナウイルス ゲノムサーベイランスによる都道府県別検出状況(.xls)
2024年
2023年
民間検査機関の検体に基づくゲノムサーベイランスによる系統別検出状況(.pdf)
2024年
2023年
2022年
民間検査機関の検体に基づくゲノムサーベイランスによる各株・系統検出割合の推定(.pdf)
(注)新たな変異株が検出されるなどして各株・系統の置き換わりが認められる期間のみ掲載
2024年
2023年
2022年
<国立感染症研究所のゲノム解析の実施状況及びPANGO系統別検出状況>
国内におけるSARS-CoV-2ゲノム解析 全ゲノム解析数の累積・都道府県別内訳を記載 (.xlsx)
※2023年5月7日時点で終了
2023年
2022年
新型コロナウイルス ゲノムサーベイランスによる国内の系統別検出状況(.csv)
※2023年5月11日時点で終了
2023年
2022年
2021年
一般的にウイルスは増殖や感染を繰り返す中で徐々に変異をしてくことが知られており、新型コロナウイルスについても少しずつ変異をしています。大半の変異はウイルスの特性にほとんど影響を及ぼしませんが、一部の変異では、感染・伝播性、重症化リスク、ワクチン・治療薬の効果、診断法などに影響を及ぼすことがあります。 国立感染症研究所では新型コロナウイルスの変異株について迅速リスク評価を行い、「懸念される変異株(VOC)」、「注目すべき変異株(VOI)」、「監視下の変異株(VUM)」に分類しています。
国立感染症研究所による国内における変異株の分類(2023年4月21日時点)
分類 |
定義 |
主な対応 |
該当 変異株 |
懸念される変異株 (VOC; Variants of Concern) |
公衆衛生への影響が大きい感染・伝播性、毒力*、及び治療・ワクチン効果の変化が明らかになった変異株 |
対応 週単位で検出数を公表 ゲノムサーベイランス(国内・検疫) 必要に応じて変異株PCR検査で監視 積極的疫学調査 |
オミクロン※ |
注目すべき変異株 (VOI; Variants of Interest) |
公衆衛生への影響が見込まれる感染・伝播性、毒力、及び治療・ワクチン効果や診断に影響がある可能性がある、又は確実な変異株で、国内侵入・増加の兆候やリスクを認めるもの(以下、例) ・検疫での一定数の検知 ・渡航例等と無関係な国内での検出 ・国内でのクラスター連鎖 ・日本との往来が多い国での急速な増加 |
警戒 週単位で検出数を公表 ゲノムサーベイランス(国内・検疫)で監視 積極的疫学調査 必要に応じて変異株PCR検査の準備
|
該当なし |
監視下の変異株 (VUM; Variants Under Monitoring) |
公衆衛生への影響が見込まれる感染・伝播性、毒力、及び診断・治療・ワクチン効果に影響がある可能性がある変異を有する変異株 また、VOCやVOIに分類された変異株であっても、以下のような状況では、本分類に一定期間位置付ける ・世界的に検出数が著しく減少 ・追加的な疫学的な影響なし ・国内・検疫等での検出が継続的に僅か ・特に懸念される形質変化なし |
監視 発生状況や基本的性状の情報収集 ゲノムサーベイランス(国内・検疫)で監視 週単位で検出数を公表
|
該当なし |
* 毒力virulence: 病原体が引き起こす感染症の重症度の強さ
※ VariantのPango系統やNextstrainクレードといった分類が複雑で覚えにくく、初めて報告された地名などが呼称として使用されていることが、差別や偏見につながることも懸念して、2021年5月より、WHOは代表的なvariantに対してギリシャ文字の呼称を定めている。これまで”variant”の訳語として「変異株」、WHOが呼称を定めたvariantについてそれを用いて「〇〇株」と称してきた(例:B.1.1.7系統=アルファ株、B.1.1.529系統=オミクロン株)。しかし、B.1.1.529系統が主流となって以降、亜系統が広く分岐し、さらにWHOが用いる呼称で総称される系統・亜系統の抗原性等の性質が多様化しており、遺伝的に同一、又はほぼ均一なウイルスの集合体を示す「株」を、WHOが用いる呼称に対応して用いることが適さなくなってきている。そのため、WHOが呼称を定めた各variantについて「アルファ」「オミクロン」のように表現することとした。
なお、「〇〇株」は一般に広く使用されている用語となっており、通称として引き続き用いることを妨げるものではない。
新型コロナウイルス ゲノムサーベイランスによる全国の系統別検出状況(.pdf)
新型コロナウイルス ゲノムサーベイランスによる都道府県別検出状況(.xls)
民間検査機関の検体に基づくゲノムサーベイランスによる系統別検出状況(.pdf)
民間検査機関の検体に基づくゲノムサーベイランスによる各株・系統検出割合の推定(.pdf)
(注)新たな変異株が検出されるなどして各株・系統の置き換わりが認められる期間のみ掲載
第1版(2022年12月20日(2023年2月3日一部修正))
【一般の方々向け】 麻しん発生状況に関する注意喚起 (2023 年5月23日現在) |
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2023年4月以降、全国各地より麻しん患者4例が相次いで確認されています。 |
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◆ 茨城県、⿇しん(はしか)の患者の発生について(4月28日) https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/yobo/kiki/yobo/kansen/idwr/press/documents/mashin.pdf |
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◆ 東京都福祉保健局、麻しん(はしか)患者の発生(5月12⽇) https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/hodo/saishin/pressboueki230512.html |
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◆ 兵庫県神戸市、麻しん(はしか)患者の発生(5月18日) https://www.city.kobe.lg.jp/a00685/20230112.html |
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感染症法に基づく感染症発⽣動向調査及び関係⾃治体による積極的疫学調査より、少なくとも3例の麻しん患者が、共通の公共交通機関を利⽤していたことが明らかとなっております。感染性を有する期間に不特定多数の⽅と接触があった可能性があり、今後、広域的な感染拡大の可能性が危惧されます。また、4例いずれの患者も30~40代の成人で、麻しん含有ワクチンに関して記録上2回接種済の方はおられませんでした。なお、3例は入院を要する症状を呈していました。 ⿇しんは、海外の多くの国で患者数が増加しており、インドやインドネシアでは地域流行が発⽣しています(2023年4月28日時点)。昨今、新型コロナウイルス感染症により制限されてきた国際的な人の往来が徐々に増加しつつあります。麻しんの症状がある国内外からの観光客が、公共交通機関等を利⽤することで国内での広域的な⿇しん患者発⽣への影響も懸念されます。 麻しんに罹患すると、高熱などの症状を呈する他、肺炎や脳炎などの重篤な急性の合併症で1000人に1人の感染者がお亡くなりになると言われています。また、回復されても、長期の潜伏期間を経て進行性の神経症状を呈する重篤な後遺症(SSPE:亜急性硬化性全脳炎)を発症することもあります。 麻しんの予防には、ワクチン接種が最も有効です。特に、国内外の不特定多数の観光客との接触機会が多い方など麻しんにかかるリスクが高い方や、医療関係者など麻しんにかかることで周りへの影響が大きい方である場合、流行国に渡航する場合は、2回の麻しん含有ワクチン接種歴を確認することが推奨されます。 麻しんは、非常に感染力の強い疾患であることから、発熱、発疹、結膜炎、上気道炎症状(咳、⿐⽔など)などの⿇しんを疑う症状が出現した場合や、発熱や発疹などの症状を呈する方に接触されて1~2週間後に同様な症状を呈された方などは、事前に医療機関に連絡の上、受診してください。受診の際はできるだけ公共交通機関の利⽤はお控えください。 |
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