2016年 4 月に国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議にて、我が国において薬剤耐性対策を推進するにあたって、今後 5 年間で実施すべき事項をまとめた「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が策定され、2017年 4 月に国立感染症研究所に薬剤耐性に関する包括的なシンクタンク機能を担う組織として薬剤耐性研究センターが設置された。

薬剤耐性研究センターでは国内外の実態調査や、耐性メカニズム研究、市場で流通している抗生物質の品質検査、薬剤耐性対策に資する新技術開発、病院の感染症対策支援、薬剤耐性に関してのシンクタンク機能が求められている。

薬剤耐性研究センターは八室からなり、各室の所管は以下の通りである。

第一室(抗生物質・分子疫学研究室)

 

薬剤耐性菌の薬剤耐性に関する研究、分子疫学調査、これらに関連するレファレンス業務を所管する。また、抗生物質並びにその製剤の生物学的検査およびこれら医薬品の検査に必要な標準品の製造、必要な科学的調査・研究を所管している。

第二室(院内感染・統計研究室)

薬剤耐性菌に起因する感染症および医療関連感染症の調査研究、これらの関連するレファレンス業務を行う。JANIS 事務局として院内感染の発生状況や薬剤耐性菌に関するデータの集計、解析、公開の実務を担当している。

第三室(ワンヘルス研究室)

薬剤耐性病原体の総合的な調査研究を所管する。医療分野のみならず、食品、環境など幅広い分野でワンヘルス(One health)アプローチを通して調査研究を行っている。

第四室(疫学研究室)

薬剤耐性菌による感染症の流行・集団発生時の疫学調査および感染症流行の制御に関する研究を担当している。

第五室(市中感染症研究室)

らい菌その他の抗酸菌に起因する薬剤耐性感染症、市中薬剤耐性感染症の調査研究を行い、これに関わるレファレンス業務を担当している。

第六室(寄生虫・媒介動物研究室)

寄生虫、媒介動物に係る薬剤耐性研究を行っている。

第七室(ゲノム疫学研究室)

薬剤耐性病原体の分子疫学的調査研究並びにこれに関連するレファレンス業務を担当している。

第八室(薬剤耐性真菌研究室)

真菌に起因する薬剤耐性感染症に係る調査研究を行っている。

 

薬剤耐性研究センターのコンテンツ

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan