インフルエンザを含む急性呼吸器感染症を引き起こすウイルスの性状解析や病態発現機構に関する基礎研究、予防治療法の研究並びにサーベイランス、感染診断法の確立などを行っている。また、インフルエンザワクチン製造株の開発、細胞培養インフルエンザワクチンならびに経鼻ワクチンの実用化研究を行っている。さらに、WHOインフルエンザ協力センター、ナショナルインフルエンザセンター、H5レファレンス研究室、重要品質規制研究室としての指定をWHOより受けている。
第一室(インフルエンザウイルス株サーベイランス室)
ナショナルインフルエンザセンターとして季節性インフルエンザウイルスサーベイランス(抗原性解析及び遺伝子解析)及び抗ウイルス薬耐性株サーベイランスに関する研究、ワクチン候補株の検索を実施。WHOインフルエンザ協力センターとして諸外国の流行株の収集と解析、情報収集と発信などの国際協力を行っている。
第二室(急性呼吸感染症ウイルス・サイトカイン研究室)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、中東呼吸器症候群(MERS)やRSウイルス感染症などの急性ウイルス性呼吸器感染症(インフルエンザを除く)の病因と診断・予防・治療に関する研究を行っている。またサイトカイン製剤の品質管理とそれに関連した研究を行っている。
第三室 (インフルエンザワクチン株開発室)
鶏卵培養法による新型及び季節性インフルエンザワクチン製造株の開発に関する以下の研究を行っている。
・新型インフルエンザワクチン製造株の開発、その抗原性及び安全性評価。
・プレパンデミックワクチン製造株の開発とその評価。
・季節性インフルエンザワクチン製造株の作製と性状解析。
第四室(細胞培養ワクチン開発室)
細胞培養インフルエンザワクチンの実用化に向けた以下の応用研究を行っている。
・ワクチン製造用ウイルス株の開発、及びその評価。
・細胞培養ワクチンの抗原性、免疫原性の評価に関する研究。
第五室(経鼻粘膜ワクチン開発室)
経粘膜インフルエンザワクチンの実用化に向けた安全性、有効性および品質管理に関する基礎ならびに臨床研究を行っている。また動物実験を通してワクチンの有効性や安全性の評価系の構築も行っている。