Temporal Maturation of Neutralizing Antibodies in COVID-19 Convalescent Individuals Improves Potency and Breadth to Circulating SARS-CoV-2 Variants
Immunity, in press | doi; https://doi.org/10.1016/j.immuni.2021.06.015
新型コロナウイルスの一部の変異株は、回復者やワクチン接種者が獲得する中和抗体から逃避するというデータが相次いで報告され、今後のワクチン戦略にも影響を与える可能性が指摘されている。本研究ではCOVID-19回復者の中和抗体の量と質を最長10ヶ月間に渡り経時的に解析した。主要な中和抗体の標的部位であるスパイクタンパクの宿主レセプター結合領域 (receptor binding domain; RBD)に変異株に特徴的な変異を入れた変異株RBDタンパクを作製し、変異感受性・変異耐性抗体を定量したところ、変異株RBDにも結合する変異耐性抗体はCOVID-19重症度に関わらず減衰速度が緩やかで持続性に優れ、親和性が上昇していた。さらに、抗体あたりの中和活性と変異株に対する交差中和活性が経時的に増加しており、我々の免疫系は変異株にも適応力のある質の高い抗体の比率を時間と共に高めることが可能であると考えられる。