国立感染症研究所

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vir 2021 09
A SARS-CoV-2 Antibody Broadly Neutralizes SARS-related Coronaviruses and Variants by Coordinated Recognition of a Virus Vulnerable Site

Taishi Onodera, Shunsuke Kita, Yu Adachi, Saya Moriyama, Akihiko Sato, Takao Nomura, Shuhei Sakakibara, Takeshi Inoue, Takashi Tadokoro, Yuki Anraku, Kohei Yumoto, Cong Tian, Hideo Fukuhara, Michihito Sasaki, Yasuko Orba, Nozomi Shiwa, Naoko Iwata, Noriyo Nagata, Tateki Suzuki, Jiei Sasaki, Tsuyoshi Sekizuka, Keisuke Tonouchi, Lin Sun, Shuetsu Fukushi, Hiroyuki Satofuka, Yasuhiro Kazuki, Mitsuo Oshimura, Tomohiro Kurosaki, Makoto Kuroda, Yoshiharu Matsuura, Tadaki Suzuki, Hirofumi Sawa, Takao Hashiguchi, Katsumi Maenaka, and Yoshimasa Takahashi

Immunity 2021 Oct 12;54(10):2385-2398.e10. doi: 10.1016/j.immuni.2021.08.025.

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異株やSARSコロナウイルスなどのコロナウイルスに広く有効な新しいヒト抗体を単離し、構造決定及び病理評価を行うことに成功し、その高い中和活性と交差反応性のメカニズムを解明しました。今回研究グループは、完全型ヒト抗体を作るマウス(TC-mAbマウス)から、SARS-CoV-2に対して強い中和活性を有し、変異株やその他のコロナウイルスも中和できる抗体NT-193を単離しました。このNT-193抗体は、定常領域がIgG3タイプであることにより中和活性を増強するユニークな抗体であるとわかりました。さらに,IgG3タイプのNT-193抗体は他のSARS類縁コロナウイルスに対しても強い中和活性を示したことから、広くSARS類縁ウイルスに対して有効な抗体であると示唆されました。NT-193抗体はスパイクタンパク質の受容体結合部位(RBD)と高い結合活性を示すことから、NT-193とRBDとの複合体の立体構造をX線結晶構造解析により決定することができました。その結果,受容体ACE2結合領域とコロナウイルスの保存性の高い領域の両方のほぼ全てを認識する抗体であることを特定し、それぞれの領域が中和活性とコロナウイルス交差反応性に寄与することが明らかになりました。さらに、ハムスターを用いた感染実験からこれまでに臨床応用されている抗体医薬品と比較して,遜色のない優れた予防・治療効果を示すことがわかりました。

本内容は、北海道大学前仲勝実教授の研究グループとの共同成果であり、AMEDの研究支援を受けて実施しました。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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