Immune-Focusing Properties of Virus-like Particles Improve Protective IgA Responses.
Onodera T, Hashi K, Shukla R, Miki M, Takai-Todaka R, Fujimoto A, Kuraoka M, Miyoshi T, Kobayashi K, Hasegawa H, Ato M, Kelsoe G, Katayama K, and Takahashi Y.
J Immunol. 2019 Dec 15;203(12):3282-3292. doi: 10.4049/jimmunol.1900481.
ノロウイルス感染症に対するワクチンとして、ノロウイルス様粒子(VLP)ワクチンの臨床開発が進められているが、その有効性評価を可能とする免疫サロゲートは特定されていない。本研究では、ノロウイルスVLPワクチンが惹起するヒト防御液性免疫を様々な免疫学的手法を駆使して解析した。
その結果、ノロVLPワクチンの粒子構造が、1)ヒト化マウスにおいてヒトIgA抗体を強く誘導すること、2)誘導されたIgA抗体はノロウイルス抗原の特定領域(P領域)を優先的に認識することで高い中和活性を有すること、3)マウス感染モデルにてIgA抗体は高い防御活性を示すことを明らかにした。これらの結果は、ノロウイルスVLPワクチンの新しい免疫学的特性を示すとともに、P領域に対するIgA抗体が免疫サロゲートになる可能性を示唆する。