A Novel Immunogen Selectively Eliciting CD8+ T Cells but Not CD4+ T Cells Targeting Immunodeficiency Virus Antigens.
Ishii H, Terahara K, Nomura T, Takeda A, Okazaki M, Yamamoto H, Tokusumi T, Shu T, Matano T
J. Virol., 94, e01876-19, 2020
HIVはHIV特異的CD4陽性T細胞に優先的に感染することから、ワクチン接種により誘導されたHIV特異的CD4陽性T細胞は感染後のウイルス増殖を促進することが示唆されている。本研究では、SIV Gag・Vifを標的として抗原特異的CD8陽性T細胞を選択的に誘導する新規抗原(TC11)を設計し、サルモデルにおける免疫誘導能とSIV感染への影響を解析した。
TC11発現DNA・SeVベクター接種によってGag・Vif特異的CD8陽性T細胞が効率的に誘導され、Gag・Vif特異的CD4陽性T細胞の誘導は限定的であった。先行研究において、Gagワクチン接種群(SIV非複製制御群)では急性期SIVウイルス量の増加が認められたのに対し、TC11ワクチン接種群においてはウイルス量の増加は認められなかった。本研究は、ウイルス複製制御に効果的な免疫応答を選択的に誘導する抗原設計の基盤として有用であると考えられる。