国立感染症研究所

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Efficient detection of SARS-CoV-2 RNA in the solid fraction of wastewater.

vir 2020 14Kouichi Kitamura, Kenji Sadamasu, Masamichi Muramatsu, Hiromu Yoshida.

Science of The Total Environment, Article 144587

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染状況を把握する上で、環境サーベイランスの活用が検討されています。このウイルスが一定割合で感染者の糞便中に存在し下水でも検出されることが報告されていますが、その最適な手法はまだ確立されていません。

本研究では、採水した下水から、4種類のウイルス濃縮方法(陰電荷膜吸着法、PEG沈殿法、限外ろ過膜法、solid沈殿法)を比較しました。SARS-CoV-2 RNAは主にsolid分画で検出され、その他の3つの手法では検出感度以下もしくは低濃度の傾向でした。本研究から、下水のsolid分画を用いることで効率良くSARS-CoV-2 RNAを検出できることが明らかとなり、今後の環境サーベイランスに利用できる可能性が示されました。

本研究は、厚生労働行政推進調査事業費補助金(課題番号20HA2009)、日本医療研究開発機構AMED(課題番号JP20fk0108066)の研究支援を受け実施しました。

vir 2020 14

 

 

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