国立感染症研究所

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vir 2021 09
Dysbiotic fecal microbiome in HIV-1 infected individuals in Ghana

Prince Kofi Parbie, Taketoshi Mizutani, Aya Ishizaka, Ai Kawana-Tachikawa, Lucky Ronald Runtuwene, Sayuri Seki, Christopher Zaab-Yen Abana, Dennis Kushitor, Evelyn Yayra Bonney, Sampson Badu Ofori, Satoshi Uematsu, Seiya Imoto, Yasumasa Kimura, Hiroshi Kiyono, Koichi Ishikawa, William Kwabena Ampofo, Tetsuro Matano

Front. Cell. Infect. Microbiol., 18 May 2021

腸内細菌叢の環境制御が疾患予防や治療の分野で重要であることが明らかになりつつあります。

HIV感染におけるウイルス動態や各種免疫マーカーと腸内細菌叢の環境変化をガーナにおけるコホートで検討しました。対象はHIV感染者と性および年齢をマッチさせたHIV非感染者です。結果、HIV感染者の腸内細菌叢は非感染者に比して優位にαダイバシティが低いことが観察されました。 細菌叢ではAchromobacter とStenotrophomonasを含むProteobacteria groupsの優位な増強が認められました。さらにPrevotellaの減少が認められています。これらのデータは他の人種とのそれと異なる部分もあり、今後、地域の文化社会学的なアプローチや免疫学的・遺伝学的な解析によりHIV感染・病態と腸内細菌叢環境との関連性を解析する予定です。

本研究はAMED/JICAのSATREPSプログラムによりガーナ野口記念医学研究所およびガーナ保健省との共同研究です。

図1 HIV陽性者と健常者での腸内細菌叢の差異

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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