国立感染症研究所

A(H7N9)インフルエンザウイルス研究センター記事

インフルエンザウイルス研究センターでは、インフルエンザA(H7N9)のウイルス学的解析・検査法の開発と普及・ワクチン株の探索とワクチン開発支援 などの業務を担っています。

H7N9検査マニュアル

 

はじめに 

本マニュアルは「鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス検出法」の参考資料として、国立感染症研究所が作成し地方衛生研究所に配布したものを一部改変して公開しているものです。本マニュアルに記載された機材および試薬につきましては、当研究所での使用例として示しており、これらの使用を当研究所が推奨するものではありません。

また、陽性コントロール等につきましては、現在のところ配布を行っておりませんのであらかじめご了承ください。

 

 

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donotagree

 


 

更新履歴

  • 6月21日 A(H7N9)検査マニュアルを更新し、RT-LAMP 法による検出方法を追加しました

 

国内で市販されているインフルエンザ迅速診断キットの鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスに対する反応性について

平成25年5月23日現在
国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター

 

2013年3月31日に鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスの人への感染例が初めて中国で報告された1), 2)。4月24日には、中国江蘇省帰りの患者が台湾にて発症し輸入感染例として世界で初めて報告された3)。世界保健機関(WHO)の集計によると、2013年5月16日現在、中国における感染者数は131人、死亡者数は32人となっている4)。現在、日本国内では、このウイルスへの感染者は確認されていない。日本では、4月16日頃から、全国74か所の地方衛生研究所および16か所の検疫所において、A(H7N9)ウイルスに対するPCR遺伝子診断の実施が可能になっている。しかし、臨床現場では、インフルエンザの診断のための検査としてインフルエンザウイルスのNP抗原を検出する迅速診断キットが多用されているため、国内で市販されているインフルエンザ迅速診断キットの鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスに対する反応性について以下の検討を行った。

 

検査マニュアル Q&A

平成25年5月22日更新

1.検体についての質問

Q1-1 RT-PCRを行うにあたって検体はどのように処理すれば良いでしょうか?
RT-PCRにおける検体の前処理としてRNAの精製が必要です。参考までにQIAGEN社のQIAamp Viral RNA Mini Kitを用いたRNAの精製方法を示しました。
Q1-2 RT-PCRに迅速診断キットに使用した残りの液は使えますか?
迅速診断キットの抽出液中のウイルスRNAは非常に不安定であるため、RT-PCR検査用の検体には適しておりません。
Q1-3 どのような検体を使用すればよいですか?
一般的には患者から滅菌スワブを用いて鼻腔ぬぐい液もしくは鼻腔吸引液、咽頭拭い液等の検体を採取しインフルエンザの検査に用いますが、現在ウイルス増殖部位に関する明確なエビデンスが得られていませんので、上気道からの検体採取に加えて、喀痰あるいは気管支吸引液、気管支肺胞洗浄液(BAL)等、下気道からの検体採取に努めることが、感度の高い検査診断を実施するために重要です。なお、検体採取部位に関する詳細な情報につきましてはhttp://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/3395-n7n9top.htmlをご参照下さい。


2.試薬類についての質問

Q2-1 プローブはどこで入手できますか?
本マニュアルではTaqMan MGB プローブを利用した検出法を示しました。TaqMan MGB プローブはLife Technology社で合成可能です(参考 http://www.appliedbiosystems.jp/website/jp/product/modelpage.jsp?MODELCD=19811)。
Q2-2 リアルタイムRT-PCR又は Conventional RT-PCRで示された以外の反応試薬やキットを使用できますか?
参考までに本マニュアルではQIAGEN 社のQuantiTectProbe RT-PCR kit(リアルタイムRT-PCR用)、QIAGEN 社のOneStep RT-PCR kit(Conventional RT-PCR用)を利用した方法を示しました。他の反応試薬やキットを使用する場合は、製品に添付のマニュアルをご参照の上ご利用下さい。
Q2-3 QIAGEN 社のQIAamp Viral RNA Mini Kit以外の方法でRNAを精製できますか?
参考までにQIAGEN 社のQIAamp Viral RNA Mini Kitを用いたRNAの精製方法を示しました。他の抽出試薬で精製する場合は、製品に添付のマニュアルをご参照の上ご利用下さい。
Q2-4 エチジウムブロマイドを使用したくないので他の染色試薬を使えますか?
本方法では参考までにエチジウムブロマイドを用いた染色方法を示しました。他の染色試薬を使用する場合は、製品に添付のマニュアルをご参照の上ご利用下さい。

 

3.機器についての質問

Q3-1 リアルタイムRT-PCRに使用しているApplied Biosystems社 7500Fast Real time PCR system、Roche社LightCycler 480II、Conventional RT-PCRに使用しているApplied Biosystems社 GeneAmp PCR System 9700以外の機器を使用できますか?
本方法は上記の機器を用いて最適化を行っておます。他の機器を使用する場合は、製品に添付のマニュアルをご参照の上ご利用下さい。

 

 

 

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