国立感染症研究所

国立感染症研究所
ウイルス第一部 第三室 (神経系ウイルス室)  


お知らせ


厚生労働省科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班において、進行性多巣性白質脳症(PML)の診断や治療に有用なJCウイルス検査を実施しています。検査内容については下記をご参照下さい。


研究内容


狂犬病ウイルスの病原性に関する研究
新規狂犬病ワクチンの開発及び現行ワクチンの品質管理に関する研究
進行性多巣性白質脳症の実験室診断に関する研究
神経親和性ブニヤウイルス感染症の実験室診断に関する研究


ワクチン国家検定


業務として乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチンの国家検定を行っています。


JCウイルス検査


進行性多巣性白質脳症(Progressive multifocal leukoencephalopathy, PML)に関する調査研究として、脳脊髄液を用いたJCポリオーマウイルス(JCウイルス, JCV)のPCR検査を実施しています。

1.方法
脳脊髄液から核酸を抽出した後、 加水分解プローブを用いたリアルタイムPCRによってJCウイルスのDNA(T遺伝子)を検出し、陽性の場合にはコピー数を測定します。

2.感度
検出下限値 50 コピー/mL (検出下限値 10 コピー/mLの超高感度検査、JCウイルスゲノムの変異解析、ならびに脳脊髄液以外の検査等については別途ご相談下さい)。

3.料金
検査自体は無料です。検体輸送容器ならびに検体の送料をご負担下さい。

4.検体量
脳脊髄液 1.2 mL以上 (採取後は遠心分離を行わず、そのままの状態で冷凍保存して下さい)。超高感度検査の場合には 4 mL程度をご用意ください。

5.依頼方法
検体をお送り頂く前に、必ず下記の担当官に電子メールにてお問い合わせ下さい。検査の受付が可能な場合には、検体輸送キット、検査依頼書、同意書、ならびに検体輸送マニュアル等を発送します。

6.お問合せ先
〒162-8640
東京都新宿区戸山1-23-1 
国立感染症研究所 ウイルス第一部
主任研究官
中道一生
Tel:03-5285-1111(内線2530)
Fax:03-5285-2115
E-mail: This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

7. 検査実績
2007年から2019年現在までに47都道府県の医療機関から2344件の依頼があり、脳脊髄液中JCウイルス検査を実施しました。296例においてJCウイルスの遺伝子配列を検出し、陽性と判定しました。


8. 本検査が用いられた症例報告論文 (抜粋)
(1) Mikita et al. Clin Neurol Neurosurg (2013) 115(9):1853-1854.
(2) Matsudaira et al. Neurol Clin Neurosci (2014) 2(5): 158-160.
(3) Ohara et al. J Neurol Sci (2014) 341(1-2): 144-146.
(4) Shirai et al. J Neurol (2014) 261(12): 2314-2318.
(5) Sano et al. Intern Med (2015) 54(8): 965-970.
(6) Yoshida et al. J Neurol Sci (2015) 359(1-2): 1-3.
(7) Yokokawa et al. J Neurol Sci (2016) 368: 304-306.
(8) Ishibashi et al. Intern Med (2017) 56(10): 1219-1223.
(9) Nishiyama et al. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm (2018) 5(1): e415.
(10) Ishii et al. Intern Med (2018) 57(18): 2727-2734.
(11) Ueno et al. BMC Neurol (2018) 18(1): 37.
(12) Nishigori et al. Intern Med (2019) 58(22): 3323-3329.
(13) Nakamichi et al. BMC Neurol (2019) 19(1):252.
(14) Ishii et al. BMC Neurol (2019) 19(1): 263.

9.留意事項
(1) 検体輸送マニュアルに記載されていない方法によって検体が送付され、安全性に問題が認められた際には、検査を中断する場合があります。
(2) 検査依頼書に患者様の個人情報を添付しないようご注意下さい。
(3) PMLの診断においては、本検査の結果だけでなく臨床経過やMRI画像等から総合的にご判断下さい。
(4) 検査結果を学会や論文等で発表される際には事前にご相談下さい。
(5) 本検査は厚生労働省の調査研究活動の一環として行っております。匿名化した情報をまとめた形で学術誌や学会等で公表する場合があります。
(6) 検査が不要となった場合には、検体輸送キットを必ずご返却下さい。

(2020年3月1日更新)

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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