(このページでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連の記事を、掲載日が新しい順に表示しています)
新興感染症である新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床経過・臨床像に関する情報を、可能な限り速やかに把握し、公衆衛生の現場、医療現場に直接に還元していくことは、喫緊の課題である。そこで、COVID-19に関するレジストリ研究(COVID-19 REGISTRY JAPAN:https://covid-registry.ncgm.go.jp/)は、日本国内の医療機関に入院したCOVID-19の患者情報を悉皆的に登録、データベース化し、解析することで、COVID-19の臨床像や治療薬候補の効果等に関する様々な点について明らかにすることを目的として立ち上げられた。
国立感染症研究所
2020年12月25日20:00時点
22:00時点の追記:12月25日21時、厚労省より、検疫により確認された新型コロナウイルスの患者等について、英国において報告された変異した新型コロナウイルス感染症(変異株)が検出されたとの報告があった。次回報告でこの事象を含めたリスク評価を更新する。
感染性の増加が懸念されるSARS-CoV-2新規変異株VOC-202012/01と501Y.V2について報告する。
注目すべき感染症 ※PDF版よりピックアップして掲載しています。
◆直近の新型コロナウイルス感染症およびインフルエンザの状況(2020年12月17日現在)
新型コロナウイルス感染症:
2019年12月、中華人民共和国湖北省武漢市において確認され、2020年1月30日、世界保健機関(WHO)により「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言され、3月11日にはパンデミック(世界的な大流行)の状態にあると表明された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2020年12月17日15時現在、感染者数(死亡者数)は、世界で74,209,703例(1,649,072例)、193カ国・地域(集計方法変更:海外領土を本国分に計上)に広がった(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15561.html)。
続きを読む: IDWR 2020年第50号<注目すべき感染症> 直近の新型コロナウイルス感染症およびインフルエンザの状況
第18回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和2年12月16日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第18回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料4)。
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・全国の新規感染者数は、一度高止まりした後に、直近で増加に転じており、過去最多の水準が続いている。首都圏、関西圏、中部圏では、感染者数の明らかな減少は見られない。また、これまで大きな感染が見られなかった地域で新たに感染拡大や再拡大の動きが見られ、その他の地域も含め全国的に感染が拡大することが懸念される。
実効再生産数:全国的には1をわずかに上回る水準となっている (11月29日時点)。東京等首都圏、愛知、京都、兵庫などで1週間平均で1を超える水準となっている(11月30日時点)。
・今般の感染拡大では新規感染者数の規模が大きく、高齢者の絶対数も多くなっている。これに伴い、入院者数、重症者数の増加が続いており、医療提供体制及び公衆衛生体制への負荷が増大するとともに、死亡者数が増加傾向となっている。60才以上の新規感染者割合の上昇も見られ、今後も重症者の増加はしばらく続くおそれがあり、死亡者数のさらなる増加も懸念される。対応を続けている保健所や医療機関の職員はすでに相当に疲弊しており、予定された手術や救急の受入等の制限や、病床を確保するための転院、認知症や透析の必要がある方など入院調整に困難をきたす事例など通常医療への影響も見られており、各地で迅速な発生時対応や新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況が懸念される。
国立感染症研究所
2020年12月22日16:00時点
第17回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和2年12月10日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第17回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料4)。
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・新規感染者数は、過去最多の水準が続いており、引き続き最大限の警戒が必要な状況。特に、北海道や首都圏、関西圏、中部圏を中心に連日多数の新規感染者数の発生が続いている。また、これまで大きな感染が見られなかった地域で感染拡大の動きが見られている。気温の低下など感染増加の要因も強まると考えられる中、現在、感染拡大が生じていない地域でも感染の拡大が生じうる可能性があり、警戒が必要。
実効再生産数:全国的には1をわずかに下回る水準となっている (11月22日時点)。北海道、東京、愛知などで1週間平均で1を超える水準となっている(11月24日時点)。
・今般の感染拡大では新規感染者の規模が大きく、高齢者の絶対数も多くなっている。これに伴い、入院者数、重症者数の増加が続いており、医療提供体制及び公衆衛生体制への負荷が増大している。また、死亡者数も増加している。重症者数は、新規感染者の動きから遅れる傾向があり、重症者数の増加がしばらく続くおそれがあるが、既に多数の入院者・重症者等への対応を続けている医療提供体制には影響が生じている。一部地域では他地域や自衛隊からの看護師の応援が始まっている。また、例えば認知症や透析の必要がある方など入院調整に困難をきたす事例もあり、予定された手術や救急の受入等の制限、病床を確保するための転院などの事例も見られている。各地で新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況がみられることも続いている。
・感染者の検知が難しい、見えにくいクラスターが感染拡大の一因となっていることが考えられる。20−50才台の社会活動が活発な世代で移動歴のある人による2次感染がその他の世代と比べ多くなっており、こうした世代では感染しても無症状あるいは軽症のことが多いため、本人が意識しないまま感染拡大につながっていることも想定され、それが、医療機関や高齢者施設等での感染に繋がっていると考えられる。
2020年10月中旬に行われた北海道周遊バスツアー(3泊4日)の参加者の中から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症例が複数確認された。当該ツアーでは、バス4台に国内各地からの参加者146人とスタッフ12人が分乗していた。旅行や乗り物に関連したCOVID-19事例の報告は少ないため、その状況と得られた課題について報告する。
第16回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和2年12月3日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第16回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料4)。
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・新規感染者数は、11月以降増加傾向が強まり、2週間で2倍を超える伸びとなり、過去最多の水準となっている。大きな拡大が見られない地域もあるが、特に、北海道や首都圏、関西圏、中部圏を中心に顕著な増加が見られ、全国的な感染増加につながっている。地域によってはすでに急速に感染拡大が見られており、このままの状況が続けば、医療提供体制と公衆衛生体制に重大な影響を生じるおそれがある。
実効再生産数:全国的には1を超える水準が続いている。大阪、京都、兵庫では2を超 えており、北海道、東京、愛知などで概ね1を超える水準が続いている。
・感染拡大の原因となるクラスターについては、多様化や地域への広がりがみられる。また、潜在的なクラスターの存在が想定され、感染者の検知が難しい、見えにくいクラスターが感染拡大の一因となっていることが考えられる。
・こうした感染拡大の要因は、基本的な感染予防対策がしっかり行われていないことや、そうした中での人の移動の増加、気温の低下による影響に加えて、人口密度が考えられる。
・入院者数、重症者数は増加が続いている。予定された手術や救急の受入等の制限、病床を確保するための転院、診療科の全く異なる医師が新型コロナウイルスの診療をせざるを得なくなるような事例も見られている。病床や人員の増加も簡単には見込めない中で、各地で新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難になり始めている。このままの状況が続けば、通常の医療では助けられる命が助けられなくなる。
2019年末に中国・武漢で初めて確認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、2020年1月に国内で初めて感染者が確認された。その後、現在まで地域的な感染クラスター(集団)とその集合体である複数回の感染ピークを生じている。自治体では積極的疫学調査を実施し、クラスターの発生源の特定と濃厚接触者の追跡によって感染拡大を封じ込める対策を行ってきた。この活動を支援すべく、我々は、SARS-CoV-2(一本鎖プラス鎖RNAウイルス、全長29.9 kb)のゲノム配列を確定し、感染クラスターに特有な遺伝子情報およびクラスター間の共通性を解析している。これまでに2回にわたってゲノム情報が示す国内伝播の状況を概説してきた(2020年4月27日1)、2020年8月6日2))。また、日本国内3,4)、ダイヤモンド・プリセンス号の乗員乗客5)、空港検疫所の陽性検体6)より確定されたSARS-CoV-2ゲノム配列の解析については学術誌にて参照可能である。
注目すべき感染症 ※PDF版よりピックアップして掲載しています。
◆直近の新型コロナウイルス感染症およびインフルエンザの状況(2020年12月3日現在)
新型コロナウイルス感染症:
2019年12月、中華人民共和国湖北省武漢市において確認され、2020年1月30日、世界保健機関(WHO)により「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言され、3月11日にはパンデミック(世界的な大流行)の状態にあると表明された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2020年12月3日15時現在、感染者数(死亡者数)は、世界で64,470,739例(1,493,312例)、193カ国・地域(集計方法変更:海外領土を本国分に計上)に広がった(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15249.html)。
続きを読む: IDWR 2020年第48号<注目すべき感染症> 直近の新型コロナウイルス感染症およびインフルエンザの状況