国立感染症研究所

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連情報ページ

(このページでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連の記事を、掲載日が新しい順に表示しています)

掲載日:2021年4月5日

第28回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年3月31日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第28回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料2)。

英語版

直近の感染状況等

全国の新規感染者数は、報告日ベースでは、3月上旬以降増加が続いており、直近の1週間では10万人あたり約10人となっており、改めて減少傾向としていくことが必要。

実効再生産数:
全国的には、1月上旬以降1を下回っていたが、2月下旬以降1を超えており、直近(3/14時点)で1.06となっている。同時点で1都3県、愛知・岐阜、福岡では1を下回っているが、大阪・兵庫・京都では1を上回る水準となっている。

英国、南アフリカ等で確認されその影響が懸念されるN501Yの変異のある変異株(VOC)は、現状より急速に拡大するリスクが高い。自治体による積極的疫学調査が行われる中で、変異株の感染者の増加傾向が続き、クラスターの発生も継続。

IDWRchumoku 注目すべき感染症 ※PDF版よりピックアップして掲載しています。

◆直近の新型コロナウイルス感染症およびインフルエンザの状況(2021年3月26日現在)

 

新型コロナウイルス感染症:

 2019年12月、中華人民共和国湖北省武漢市において確認され、2020年1月30日、世界保健機関(WHO)により「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言され、3月11日にはパンデミック(世界的な大流行)の状態にあると表明された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2021年3月26日15時現在、感染者数(死亡者数)は、世界で125,492,070例(2,755,221例)、194カ国・地域(集計方法変更:海外領土を本国分に計上)に広がった(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17682.html)。

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新型コロナウイルスVOC-202012/01感染者の陰性確認完了までに要した日数とCt値の推移に関する考察

(速報掲載日 2021/4/2) (IASR Vol. 42 p101-102: 2021年5月号)
 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者の退院基準については、令和2(2020)年5月29日付事務連絡1)が通達されるまでは、症状消失後2回連続の核酸増幅法による陰性の確認が必要であったが、上記の事務連絡以後は発症日からの日数経過による退院および療養解除が認められている2)。一方で、英国や南アフリカ、ブラジル等で流行している、Spikeタンパク質のN501Y変異を持つ、「懸念される変異株(variants of concern: VOC)」については、令和2年12月25日付事務連絡において通常とは異なる退院基準が設定され、2回連続の核酸増幅法による陰性確認が必要となった3)。この陰性確認の要件を満たすためには、現在の通常のCOVID-19患者の療養解除基準である発症日から10日という日数を超えるケースが多く、入院病床の圧迫の一因となっている。本稿では神戸市においてPCR検査により2回の陰性が確認された90名のVOC-202012/01(英国型変異株)感染患者について、発症日から陰性確認完了に要した日数とCt値の推移を解析したものを報告する。なお、すべての検査は唾液検体からRNAを抽出し、病原体検出マニュアルに収載されているN2領域をターゲットとしたリアルタイムPCR法で実施した。機器はABI StepOne Plusを使用し、Ct値はThresholdを0.2に設定して算出した。

IDWRchumoku 注目すべき感染症 ※PDF版よりピックアップして掲載しています。

◆直近の新型コロナウイルス感染症およびインフルエンザの状況(2021年3月12日現在)

 

新型コロナウイルス感染症:

 2019年12月、中華人民共和国湖北省武漢市において確認され、2020年1月30日、世界保健機関(WHO)により「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言され、3月11日にはパンデミック(世界的な大流行)の状態にあると表明された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2021年3月12日15時現在、感染者数(死亡者数)は、世界で118,570,917例(2,629,522例)、194カ国・地域(集計方法変更:海外領土を本国分に計上)に広がった(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17356.html)。

掲載日:2021年3月18日

第27回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年3月17日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第27回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版

直近の感染状況等

全国の新規感染者数は、報告日ベースでは、1月中旬以降(発症日ベースでは、1月上旬以降)減少が継続していたが、3月上旬以降横ばいから微増が続き、直近の1週間では10万人あたり約6人となっており、リバウンドを起こさず、改めて減少傾向としていくことが必要。

実効再生産数:
全国的には、1月上旬以降1を下回っていたが、直近では、1.04となっている(2月28日時点)。1都3県、愛知・岐阜では1を下回っているが、大阪・兵庫・京都、福岡では1を上回る水準となっている。(2月28日時点)

 

国立感染症研究所
2021年3月12日

英語版

  • 国立感染症研究所は、2月25日にフィリピンから入国した者から501Y.V2株、501Y.V3株と同様にE484K, N501Yの変異を有するB.1.1.28系統株(系統名称未確定)を検出した(ウイルス名: hCoV-19/Japan/IC-0824/2021, GISAIDアクセスID: EPI_ISL_1198832) 。 •
  • また、当該株には、VOC-202012/01株と同様にP681Hの変異が見られた。P681H変異は感染力に関与すると推定される。
  • 以上のことから、これまでVOC(懸念される変異株)と総称してきたVOC-202012/01、501Y.V2株、501Y.V3株と同程度の脅威と考えられる。
  • 本系統株は、フィリピンからGISAIDに34株が登録されている(1株は2/26、ほか33株は3/3に登録)(※)。 ※フィリピン保健省の発表(3/2)によると、E484K,N501Y変異をともに有する症例34例を報告しており、これが本系統株と想定される(1)。
  • フィリピンでの本系統株のまん延状況は不明であり、最近のフィリピンにおける新規感染者の増加との関連が実証されたわけではない。WHO暫定定義におけるVOC(懸念される変異株)にはあてはまらないものの、フィリピン国内で当該株は検出され始めており、当地で一定程度まん延している可能性を踏まえ感染拡大の程度を注視する必要がある。
  • 今後、フィリピンにおける感染拡大の状況を踏まえ、水際対策の強化を早急に検討するべきである。
  • 変異株であっても、個人の基本的な感染予防策は、従来と同様に、3密の回避、マスクの着用、手洗いなどが推奨される。

国立感染症研究所
掲載日:2021年3月9日

背景・目的

感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株の感染者が世界各地から報告され、いくつかの国ではこれらの変異株が感染者に占める割合が上昇傾向にある。国内においても、特に英国で最初に検出されたVOC-202012/01、南アフリカで最初に検出された501Y.V2、ブラジルからの帰国者において日本で最初に検出された501Y.V3の流行が懸念されており、これらを含む新規変異株の流行状況のモニタリングと特性の評価が求められる。本稿は、国内及び検疫で確認された新規変異株の状況を把握することを目的としている。

国立感染症研究所
2021年3月3日14:00時点

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要約

ウイルスのヒトへの感染性・伝播のしやすさや、すでに感染した者・ワクチン接種者が獲得した免疫の効果に影響を与える可能性のある遺伝子変異を有する複数の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株として、特にVOC-202012/01, 501Y.V2, 501Y.V3の流行が懸念されている。これら3つの変異株を本文書では"VOC"と総称する。いずれも感染性・伝播のしやすさに影響があるとされるN501Y変異を有するが、特にVOC-202012/01については、2次感染率の増加や、死亡リスクの増加の可能性が疫学データから示唆されている。501Y.V2と501Y.V3については、さらに抗原性に影響を与える可能性があるE484K変異も有する。特に501Y.V2については、過去の感染によって得られた免疫や承認されているワクチンによって得られた免疫を回避する可能性が指摘されており、暫定結果ではあるが数社のワクチンでは有効性の低下を認めている。さらには、VOC-202012/01にE484K変異が加わった株も報告されている。これらのVOCの感染者が世界各地から報告され、いくつかの国ではVOCがかなりの割合を占めつつある。

国内においても、VOCの感染者やクラスターの報告が増加しつつあり、VOC感染者の大半は渡航歴が無い。大都市圏を中心に緊急事態宣言が発出され新規感染者が減少傾向の中、VOCの感染者は増加傾向にあり、諸外国と同様に国内でもVOC-202012/01の占める割合が増加していく可能性がある。これらVOCはウイルスの感染・伝播性が増加している可能性があることから、主流株としてまん延した場合には、従来と同様の対策では、これまで以上の患者数や重症者数の増加につながり、医療・公衆衛生体制を急速に圧迫するおそれがある。国内でのまん延拡大防止のためには、入国者数の制限や検疫により、渡航者によるVOCの国内持ち込みを極力抑制する必要がある。加えて、国内対策を強化し、VOC感染者の早期検知と、特にVOCクラスターの迅速な封じ込め及び社会全体でのクラスター発生機会の抑制策を推奨する。ほか、まん延状況によっては外出自粛等のより強力な対策を行うことも選択肢となる。VOCの感染性が高まるメカニズムは明らかでない点が多いが、小児等を含めた感染・伝播性の実態に即して流行制御戦略を適合させていく必要がある。

IDWRchumoku 注目すべき感染症 ※PDF版よりピックアップして掲載しています。

◆直近の新型コロナウイルス感染症およびインフルエンザの状況(2021年2月25日現在)

 

新型コロナウイルス感染症:

 2019年12月、中華人民共和国湖北省武漢市において確認され、2020年1月30日、世界保健機関(WHO)により「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言され、3月11日にはパンデミック(世界的な大流行)の状態にあると表明された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2021年2月25日15時現在、感染者数(死亡者数)は、世界で112,554,003例(2,497,389例)、194カ国・地域(集計方法変更:海外領土を本国分に計上)に広がった(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16977.html)。

掲載日:2021年3月4日

第26回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年3月3日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第26回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

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直近の感染状況等

全国の新規感染者数は、報告日ベースでは、1月中旬以降(発症日ベースでは、1月上旬以降)減少が継続、直近の1週間では10万人あたり約5人となっているが、2月中旬以降減少スピードが鈍化しており、下げ止まる可能性やリバウンドに留意が必要。

実効再生産数:
全国的には、1月上旬以降1を下回っており、直近で0.84となっている(2月14日時点)。1都3県、大阪・兵庫・京都、愛知・岐阜、福岡では、1を下回る水準が継続(2月15日時点)。

入院者数、重症者数、死亡者数、療養者数も減少傾向が継続。一方で、60歳以上の新規感染者数の割合が3割を超えており、重症者数や死亡者数の減少は新規感染者数や入院者数の減少と比べ時間を要する見込み。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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