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タカサゴキララマダニ雄成虫 |
タカサゴキララマダニ雌成虫 |
タカサゴキララマダニ雌成虫(吸血後) |
タカサゴキララマダニ若虫 |
Ryoma Nakao, Satoru Hirayama, Takehiro Yamaguchi, Hidenobu Senpuku, Hideki Hasegawa, Tadaki Suzuki, Yukihiro Akeda, Makoto Ohnishi.
Vaccine, 2023 Jun 9; S0264-410X(23)00619-9. doi: 10.1016/j.vaccine.2023.05.058
歯周病の制圧は、有史以来人類の願いである。本論文では、歯周病原細菌P. gingivalis (Pg) とA. actinomycetemcomitans (Aa) が放出する外膜小胞 (OMVs) による経鼻ワクチンの効果と安全性について、マウスモデル等で検討を行なった。Pg OMVsはAa OMVsと較べ内毒素活性・免疫誘導活性が弱く単体ではワクチンとして機能しないが、Pg とAaの両方のOMVs (二価ワクチン) を経鼻投与することで、両菌に対する特異的な血清IgGと唾液IgAが強く誘導された。口腔感染実験では、二価ワクチンを投与するとPgとAaの口腔内菌数は有意に減少した。また、二価ワクチンのマウス脳内攻撃による中枢神経系毒性は認められなかった。二価OMVsワクチンの経鼻投与で口腔からPg やAaを排除できる可能性が示された。
本研究はJSPS、AMEDの支援を受けて実施された。
Kenri T, Yamazaki T, Ohya H, Jinnai M, Oda Y, Asai S, Sato R, Ishiguro N, Oishi T, Horino A, Fujii H, Hashimoto T, Nakajima H, Shibayama K
Front. Microbiol., 19 June 2023
肺炎マイコプラズマ(Mp)は遺伝子型によって1型と2型の系統に分類できる。2つの系統間では感染性に必須な細胞接着タンパク質P1とP40/P90にも違いがある。2019年と2020年に国内で分離された118株のMp を調べると、2型系統が優位であり(75%, 89/118)、その大部分は2c型か2j型のP1を持つ株だった。P1が2c型と2j型の株は近年国内で検出割合が増加している(図)。2c型と2j型のP1とP40/P90は90年代に多かった古典的な2型と比べると、分子表面のアミノ酸残基に置換が見られる。これらが細胞接着タンパク質の抗原性を変化させ、2c型と2j型のMpが増加する要因となった可能性も考えられる。2型系統株のマクロライド耐性率も微増傾向にあり、今後もMp分離株の調査が必要である。
Taishi Onodera, Nicolas Sax, Takashi Sato, Yu Adachi, Ryutaro Kotaki, Takeshi Inoue, Ryo Shinnakasu, Takayuki Nakagawa, Shuetsu Fukushi, Tommy Terooatea, Mai Yoshikawa, Keisuke Tonouchi, Takaki Nagakura, Saya Moriyama, Takayuki Matsumura, Masanori Isogawa, Kazutaka Terahara, Tomohiro Takano, Lin Sun, Ayae Nishiyama, Shinnya Omoto, Masaharu Shinkai, Tomohiro Kurosaki, Kazuo Yamashita, and Yoshimasa Takahashi
Science Advances, 14 Jun 2023 Vol 9, Issue 24 | DOI: 10.1126/sciadv.adf0661
SARS-CoV-2の中和抗体は主にスパイク受容体結合ドメイン (RBD) を標的としていますが、RBD結合抗体を持つ記憶B細胞でも細胞ごとに中和活性はバリエーションに富んでいます。本研究では、記憶B細胞のシングルセルプロファイリングと抗体の機能評価を組み合わせることで、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の回復者において強力な中和抗体を保有する記憶B細胞の表現型を明らかにしました。強力な中和活性を持つ記憶B細胞サブセットはCD62Lを高発現しており、それらの特徴的なエピトープ選好性とVH(免疫グロブリン重鎖可変領域) 遺伝子が強力な中和活性に関与していました。また感染回復者の血中のCD62L陽性サブセットの頻度と中和抗体価には相関が認められ、COVID-19の重症度によってCD62L陽性サブセットの動態に差があることも明らかになりました。本研究における記憶B細胞プロファイリングは強力な中和活性を持つ記憶B細胞サブセットの表現型を明らかにし、今後の液性免疫の理解を更に深めるものです。
本研究はAMEDの支援を受けて実施されました。
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Mizuike A, Sakai S, Katoh K, Yamaji T, and Hanada K
J Cell Biol, 222:e202111069, (2023). doi.org/10.1083/jcb.202111069
ゴルジ体などで合成される脂質であるホスファチジルイノシトール 4-一リン酸(PI4P)は宿主細胞だけでなく、様々な病原体が細胞に感染する際にも利用されています。
PI4Pはセラミド輸送タンパク質CERTのゴルジ体局在化にも必要です。セラミドは小胞体で合成されたのちにゴルジ体においてグルコシルセラミド(GlcCer)とスフィンゴミエリン(SM)に変換されるのですが、後者のみがCERTを介したセラミド供給に依存するという不思議な現象が知られていました。私たちは、PI4P合成酵素PI4KBがゴルジ体に局在するためにACBD3依存的な機序とC10orf76依存的な機序が並行して存在していること、そして、C10orf76はゴルジ体の中でもSM合成酵素の局在する遠位側に主に分布することを見出しました。これらのことから、C10orf76–PI4KB依存的なPI4P生産が小胞体―遠位ゴルジ体近接ゾーンにCERTを導き、小胞体で合成されたセラミドを効率的にSM合成場に転送していることが明らかとなりました。本内容は、感染研の品質保証・管理部、細胞化学部、及び産総研の共同研究の成果です。