国立感染症研究所

この記事の評価: 5 / 5

Star ActiveStar ActiveStar ActiveStar ActiveStar Active
 
imm 2022 02
Machine learning-based motion tracking reveals an inverse correlation between adhesivity and surface motility of the leptospirosis spirochete

Keigo Abe, Nobuo Koizumi, Shuichi Nakamura

Nature Communications 14: 7703, 2023.

病原微生物の細胞上や組織内での動態を解析するためには,微生物に蛍光マーカーを付けて細胞と区別する手法が一般的ですが,蛍光物質による生理機能阻害の可能性があり,使える微生物種は限られます.本研究では,腎臓細胞上の細菌(レプトスピラ)の動きを,蛍光標識を使うことなく,機械学習で自動追跡する手法を開発しました(図Ⅰ)(https://youtu.be/HnGkaJcm_AU).これにより,保菌動物であるラットの腎臓細胞に感染したレプトスピラの多くは細胞への付着性が高い一方でクロウリング運動性が低く,重症化しやすい犬の腎臓細胞に感染したレプトスピラは付着性が低い一方でクロウリング運動性が高い傾向にあり,レプトスピラの付着性とクロウリング運動性が逆相関の関係にあることがわかりました.

本研究は東北大学と感染研の共同で,科研費(JP19K07571, JP21H02727, JP22K07062)およびAIEの助成により行われました.

図1. 機械学習を用いた病原性細菌の運動トラッキング法.(a) 腎臓細胞への細菌感染実験の模式図.液体を入れられる容器がついたスライドガラス上に構築した培養腎臓細胞シートにレプトスピラ属細菌を感染させ,細菌の様子をビデオ顕微鏡で記録した.(b)運動トラッキングの流れ.(c)機械学習を用いた背景減算法.ピクセルごとの明るさの分布から背景とみなされた分布を差し引くことで,前景(この場合は細菌)が浮かび上がるように観察できるようになる.

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

Top Desktop version