Exposure of an occluded hemagglutinin epitope drives selection for a class of cross-protective influenza antibodies.
Yu Adachi, Keisuke Tonouchi, Arnone Nithichanon, Masayuki Kuraoka, Akiko Watanabe, Ryo Shinnakasu, Hideki Asanuma, Akira Ainai, Yusuke Ohmi, Takuya Yamamoto, Ken J. Ishii, Hideki Hasegawa, Haruko Takeyama, Ganjana Lertmemongkolchai, Tomohiro Kurosaki, Manabu Ato, Garnett Kelsoe, Yoshimasa Takahashi
Nature Communications (2019) 10:3883 | doi; 10.1038/s41467-019-11821
交差抗体はインフルエンザウイルス抗原変異に有効な対抗手段であるが、現行のワクチン接種では誘導されづらいことが問題である。
免疫部では、以前の研究でウイルス複製部位で交差抗体が誘導されやすいことを発見したため、ハイスループットな手法により交差抗体の網羅的なエピトープ解析を行なった。その結果、ヘマグルチニン抗原の隠れたエピトープを認識するクラスの交差抗体の特定に成功した。また、酸性処理を施すことで隠れたエピトープを露出させた結果、このクラスの抗体を誘導することが可能となった。同じクラスの交差抗体はヒト末梢血にも存在し、様々なウイルス亜型を防御可能であった。
本研究で見出したヒト交差防御抗体は、万能ワクチンの新しい標的抗体になると考えられる。また、隠れたエピトープを露出したワクチンは、現行ワクチンから簡便に作製可能であり、今後万能ワクチン剤形候補としてさらなる研究を実施予定である。