国立感染症研究所

この記事の評価: 5 / 5

Star ActiveStar ActiveStar ActiveStar ActiveStar Active
 

Characterization of a new anti-enterovirus 68 compound purified from avocado.

Minetaro Arita, Hiroyuki Fuchino, Hitomi Kawakami, Masami Ezaki and Nobuo Kawahara

ACS Infectious Diseases DOI: 10.1021/acsinfecdis.0c00404

vir 2020 02エンテロウイルスD68は、秋に流行する小児の呼吸器疾患および急性弛緩性脊髄炎発症との関連が注目されているウイルスです。エンテロウイルス感染に対する薬で実用化されているものはありません。実用化に向けた大きな課題として、小児における薬の安全性が挙げられます。

今回、国立感染症研究所ウイルス第二部第二室と国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所との共同研究で、食用果物であるアボカドの中に、活性の高い抗エンテロウイルスD68化合物が多く含まれていることを発見し、その構造決定と作用機序の解明に成功しました。本研究の結果は、安全な抗ウイルス薬開発の新しい方向性を示唆するものです。今後研究を進めることにより、食物由来の物質でウイルス感染を制御できる革新的医療の開発につながることが期待されます。


vir 2020 8

 

 

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

Top Desktop version