Kudoaは魚の筋肉に寄生する粘液胞子虫であり, その一種であるKudoa septempunctata(K. septempunctata)が寄生したヒラメを生で喫食した際には, 食後数時間で一過性の嘔吐や下痢を主症状とする食中毒が起こることが知られている。同様にKudoaの一種であるKudoa hexapunctata(K. hexapunctata)は, 生鮮魚介類の有症苦情事例において, 残品のマグロから検出されており, また, ヒト結腸由来Caco-2細胞に対して毒性を示すことが報告されているため, 食中毒との関連性が示唆されている1)。今般, 福島市において, K. hexapunctataが原因と疑われ, 患者数が100名を超える大規模な食中毒が発生したので, その概要を報告する。