国立感染症研究所

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Extensive gene deletions in Japanese patients with Diamond-Blackfan anemia.

Kuramitsu M, Sato-Otsubo A, Morio T, Takagi M, Toki T, Terui K, Wang R, Kanno H, Ohga S, Ohara A, Kojima S, Kitoh T, Goi K, Kudo K, Matsubayashi T, Mizue N, Ozeki M, Masumi A, Momose H, Takizawa K, Mizukami T, Yamaguchi K, Ogawa S, Ito E, Hamaguchi I.

Blood.,2012;119:2376-2384.

倉光研究員ら(血液・安全性研究部)は遺伝子の大欠失を簡易かつ迅速に同定する技術を新規開発した。

 本手法は定量PCRにおいて同期に増幅する多数のプライマーセットを用いることによって、遺伝子コピー数の2の差(遺伝子数Nと2Nの差など)をQ-PCR増幅曲線上で1サイクル分の差として検出する。そこで非常に稀な小児貧血であるダイアモンド-ブラックファン貧血(DBA)において新手法で遺伝子変異検出を検討したところ、変異未知の27例中7例で片アレルの欠失を同定することに成功した。同定した7例すべてに成長遅延が認められ、変異のタイプと病態とが関連する可能性が示唆された。
本技術は、血液など生体試料からの遺伝子コピー数の簡易・迅速測定法として病原体に対する感受性の違いの解析等の遺伝子研究の分野で今後大いに貢献することが期待される。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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