コロナウイルスとは

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SARS(重症急性呼吸器症候群)とは

(IDWR 2005年第6号)  中国南部の広東省を起源とした重症な非定型性肺炎の世界的規模の集団発生が、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS: severe acut...

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SARS、MERS、COVID-19を含むコロナウイルス感染症に関する記事がWebサイト全体から集められて表示されます。

 

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廃棄物を扱う際に接触感染が疑われた清掃員や医療従事者のSARS-CoV-2感染

(速報掲載 日 2021/4/27) (2021年6月25一部改訂) (IASR Vol. 42 p119-121: 2021年6月号)
 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染経路は飛沫感染が中心だが, 接触感染や特殊な環境下での空気感染の可能性が示唆されている1,2)。国内で医療機関における感染対策は改善してきているが, アウトブレイク発生医療施設において, 施設管理に関わる清掃員や医療従事者の直接的, または間接的な接触感染が疑われる感染事例が確認された。本報告では, その原因を探ることにした。

2021年4月26日
国立感染症研究所

B.1.617系統について

  • 2021年4月20日、国内の患者から得られた新型コロナウイルス陽性検体から、新型コロナウイルスB.1.617系統が、国内例としては初めて検出された。
  • 検疫では、2021年1月9日より、全ての入国者に対し、入国時に新型コロナウイルス検査が行われている。すべての陽性検体について国立感染症研究所でゲノム解析を実施しているが、現在まで20例がB.1.617系統と判定されている。
  • B. 1.617 系統は、スパイクプロテインに主にL452R、E484Q変異を有するものと、L452R変異を有し、E484に変異を有さないものがある。2020年12月初旬に最初の配列がGISAIDにインドから登録され、英国、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、米国、ドイツ、カナダなどでも確認されている。
    • 国内例はL452R、E484Q変異をともに有していた。
    • 検疫例では、8例が両変異を有し、11例はL452R変異のみ、1例は両変異の有無については確認できなかった。
  • 現在インドで患者が急増しており、B.1.617系統の登録数の割合も増加傾向にある(1)。本系統の症例報告や疫学的知見に関する報告はなく、インド政府は、本系統が患者の急増に寄与しているのかについては現時点では述べていない。
  • 査読前論文の報告では、インドで使用されているBharat Biotech 社製の新型コロナウイルスワクチンBBV152(商品名 COVAXIN)の接種後血清でB.1.617変異株は中和されたが、中和抗体価はワクチン株やB.1.1.7系統変異株に対する抗体価に比べて有意に低下していた(2)。
  • 英国では、2021年4月14日に同系統が77症例報告され、VUI-21APR-01と位置付けられた。4月21日時点では、132例が報告されている(3)。4月22日のイングランド公衆衛生庁のレポートでは、B.1.617から派生したB.1.617.1系統(L452R, E484Q変異を共に有する系統)をVUI-21APR-01と位置付けている。

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