(IDWR 2005年第6号) 中国南部の広東省を起源とした重症な非定型性肺炎の世界的規模の集団発生が、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS: severe acut...
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(IASR Vol. 41 p131-132: 2020年7月号)
①病棟内での感染伝播
2020(令和2)年4月某日, 某介護医療院(以後, 同院)のE病棟(60床)に勤務する50代女性看護師(以後, A)に37.7℃の発熱, 咳嗽と全身倦怠感が出現, 4日後にCOVID-19と診断された。Aの発症2日前の夜勤入りした日をDay0とすると, Day4とDay5に, E病棟において入院患者計4人に発熱と倦怠感が出現した(図)。同院は病棟内COVID-19集団感染の可能性も想定し, Day6にE病棟から患者・職員の移動を制限した(リハビリ除く)。Day14までにこの病棟に入院する全患者と全職員の検体が同院で採取された。保健所は看護師Aの最終勤務終了から発症までの間隔が31時間あったことから, 当時の基準に基づき, AのE病棟内での濃厚接触者はいないと判断していた。
注目すべき感染症 ※PDF版よりピックアップして掲載しています。
2019年12月、中華人民共和国湖北省武漢市において確認され、2020年1月30日、世界保健機関(WHO)により「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言され、3月11日にはパンデミック(世界的な大流行)の状態にあると表明された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2020年7月15日15時現在、感染者数(死亡者数)は、世界で13,286,266例(578,342例)、190カ国・地域(集計方法変更:海外領土が本国分に計上)に広がった。
国内では、厚生労働省からの報道発表によると、2020年7月15日0時現在、新型コロナウイルス感染症のPCR検査陽性者22,508例、うち死亡者984例と報告されている。PCR検査実施人数は586,706例であった。また、2月3日に横浜港に到着したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」については、7月15日0時現在、PCR検査陽性者712例、うち無症状病原体保有者331例、死亡者13例であった。
本稿では、2020年2月1日に新型コロナウイルス感染症が指定感染症となった以降、第28週(2020年7月15日)までに感染症発生動向調査(NESID)へ届け出られた21,088例(患者18,474例、無症状病原体保有者2,582例、感染症死亡者の死体32例)(以下、症例という)に関する記述疫学および予備的なリスク状況について解説するものである。なお、本症については、サーベイランスシステムが届出に対応可能となった以降に届け出られた情報のみ反映されていることから、国や自治体の報道発表情報と必ずしも一致しておらず、注意が必要である。すなわち、以後の情報はNESIDに届け出られた症例全体の内訳であり、また、自治体による確認が行われていない報告は含められていない。 |
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