(このページでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連の記事を、掲載日が新しい順に表示しています)
国立感染症研究所
2021年5月10日時点
(掲載日:2021/5/13)
国内に導入された新型コロナワクチンBNT162b2(Pfizer/BioNTech)の臨床的効果を迅速に評価することを目的として、サーベイランスデータを用いてワクチンを接種した医療従事者の仮想コホートを構成した。接種者においてCOVID-19報告率は1回目接種日から12日前後を境に低下する傾向がみられた。接種後0-13日の報告率と比較したときの報告率比は、14-20日が0.42(95%CI: 0.30-0.59)、21-27日が0.39(95%CI: 0.27-0.56)、28日以降が0.14(95%CI: 0.09-0.21)であった。
続きを読む: 新型コロナワクチンBNT162b2(Pfizer/BioNTech)を接種後のCOVID-19報告率に関する検討(第1報)
掲載日:2021年5月13日
(一部訂正:2021年5月14日)
第34回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年5月12日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第34回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
全国の新規感染者数は、報告日別では、ほぼ上げ止まりから横ばいで、直近の1週間では10万人あたり約31人となっている。発症日別でもほぼ上げ止まり。全国的な感染拡大という状況ではなく、地域差が大きく見られ、急速に増えているところと、定常状態から減少傾向にあるところが混在している。重症者数、死亡者数も増加が続いており、更に増加する可能性が高い。
今後、緊急事態宣言の効果およびGWの影響が、新規症例数の増減として観察される。しかし、GW中は診療および検査数が減少し、診断や検査の報告も遅れることからGW明けの報告数が大きくなっていることも留意する必要がある。
国立感染症研究所
2021年5月10日時点
(掲載日:2021/5/12)
日本国内で報告されたVOC-202012/01症例の重症度に関して、サーベイランスデータを用いて暫定的評価を行った。VOC-202012/01群はN501Y-PCR検査陰性群と比べて届出時に重症であるリスクは1.40 倍(95%信頼区間:1.11-1.75)であった。一方、非VOC-202012/01群との比較では3月31日以前は1.22倍(1.00-1.48)、4月1日以降は0.88倍(0.79-0.98)であった。この違いは非VOC-202012/01群に含まれる未診断のVOC-202012/01症例が占める割合が経時的に上昇したことが理由であると考えられた。探索的に行った分析では40-64歳のリスク比が高かった。データの制約から本報告の結果のみからVOC-202012/01症例の重症度について結論することは困難であることから、引き続き海外の報告を参照するとともに、国内臨床データを用いた検証が必要である。
2021年5月12日
国立感染症研究所
PDF版
国立感染症研究所は、第1報で注目すべき変異株(VOI)として位置付けていたPANGO系統でB.1.617に分類される変異株を、感染・伝播性、抗原性の変化等を踏まえたリスク評価に基づき、懸念すべき変異株(VOC)として位置づけ、監視体制の強化を行う。
掲載日:2021年5月7日
第33回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年5月6日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第33回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
全国の新規感染者数は、報告日ベースでは、先週今週比の値は低下傾向であるものの、依然として増加傾向が続いており、直近の1週間では10万人あたり約28人となっている。重症者数、死亡者数も急速な増加が続いており、今後、高齢者層への感染の波及が進むと、更に増加する可能性が高い。
4月中旬以降、大阪だけでなく東京でも、重症者に占める20代から50代の若年層の割合が高くなっている。また、各地で20歳未満の感染者数の増加が見られている。
なお、GW中は診療および検査数が少なくなっていること。また、地域の感染者数が増加すると、検査や報告が遅れることに加え、連休による人の移動の影響で、翌週以降の報告数が上積みされることも想定する必要がある。
注目すべき感染症 ※PDF版よりピックアップして掲載しています。
◆直近の新型コロナウイルス感染症の状況(2021年4月22日現在)
2019年12月、中華人民共和国湖北省武漢市において確認され、2020年1月30日、世界保健機関(WHO)により「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言され、3月11日にはパンデミック(世界的な大流行)の状態にあると表明された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2021年4月22日15時現在、感染者数(死亡者数)は、世界で143,526,752例(3,056,067例)、194カ国・地域(集計方法変更:海外領土を本国分に計上)に広がった(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18206.html)。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こす新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は, 飛沫感染, 接触感染, 特殊な状況下での空気感染を起こす1)。患者が使用したリネン類等は, その回収やクリーニングをする際の感染リスクが不明であり, 宿泊療養施設や病院では, 一様に破棄されていることが少なくない。そこで, これら施設において, 患者使用後のリネン類等を扱う際の感染の可能性と, 様々な洗濯方法における感染性のあるウイルス残留に対する効果を調べた。
掲載日:2021年4月28日
第32回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年4月27日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第32回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
全国の新規感染者数は、報告日ベースでは、先週今週比は低下の動きが見られるものの、増加が続いており、直近の1週間では10万人あたり27人となっている。関西圏、首都圏、中京圏のほか多くの自治体で感染者の増加が見られている。新規感染者数の増加に伴い、重症者数も急速に増加しており、死亡者も増加に転じている。今後、高齢者層への感染の波及が進むと、重症者数がさらに増加する可能性が高い。
影響が懸念される変異株(VOC)の割合が、関西(大阪、京都、兵庫)では、8割程度の高い水準が継続しており、従来株から置き換わったと推定される。東京でも4割程度、愛知で6割程度など他の地域でも割合が上昇傾向にあり、今後、全国的に置き換わっていくことが予想される。現段階では、15歳未満で明らかな感染拡大の傾向は見られておらず、今般の拡大に際しても、小児の症例数が顕著に多いとは認められない。
大阪では、40代以上の重症化率が高くなっているとの指摘もあるが、変異株割合の上昇や軽症者が診断されなくなっているのではないかという可能性があり、引き続き注視が必要である。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染経路は飛沫感染が中心だが, 接触感染や特殊な環境下での空気感染の可能性が示唆されている1,2)。国内で医療機関における感染対策は改善してきているが, アウトブレイク発生医療施設において, 施設管理に関わる清掃員や医療従事者の直接的, または間接的な接触感染が疑われる感染事例が確認された。本報告では, その原因を探ることにした。
2021年4月26日
国立感染症研究所