新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連情報ページ

(このページでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連の記事を、掲載日が新しい順に表示しています)


迅速簡易検出法(イムノクロマト法)による血中抗SARS-CoV-2抗体の評価

令和2年4月1日
国立感染症研究所

 

2020年3月現在、COVID-19 のウイルス学的診断には主に遺伝子増幅法によるSARS-CoV-2の遺伝子検出が行われているが、それに加えて血清中のウイルス特異的抗体を検出するイムノクロマト法や酵素抗体法(ELISA)を利用した血清学的診断法が検討されている。一般的な急性ウイルス感染症の場合、血中の抗体は、発症後1週間ほど経過した後に誘導される。そのため血清学的診断では、疾患の急性期および回復期の血中抗体価を測定し、抗体の推移を比較する必要がある。よって、発症後速やかに検査を実施し診断する必要がある急性ウイルス感染症の診断法に血清中の特異抗体検出法を取り入れることは比較的難しい。しかしながら、COVID-19は、多くの症例において感染から発症までの潜伏期間が長いと考えられている。また、発症から1週間程度経過した後に症状が急速に悪化して重症肺炎に至るなど、臨床経過が長い症例も報告されている。そのため、COVID-19の診断において血清学的診断が有用となることが期待されている。血清学的診断に必要な血液検体は、採取が比較的簡単で、検体採取時の医療従事者への二次感染リスクが比較的低い。さらに、イムノクロマト法によるウイルス特異抗体検出法は、目視判定による定性分析ができるため、特別な装置を必要とせず、外来・ベットサイドで迅速かつ簡便に検査することが可能であり、一刻も早い臨床現場への導入が求められている。


感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により報告された新型コロナウイルス感染症確定症例287例の記述疫学(2020年3月9日現在)

国立感染症研究所
(掲載日 2020/3/17)

 

2020年2月1日より、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は感染症法第6条第8項の指定感染症に定められ、診断した医師は直ちに管轄の保健所に届け出ることが義務づけられた(感染症発生動向調査)。また、感染症法第15条に規定する積極的疫学調査を行うことが可能となった。

本稿では、感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により、探知された確定例について、感染症発生動向調査に届け出られた情報及び厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部が関係自治体等から毎日収集し、更新した情報(3月9日現在)をもとに記述する。前回2月24日現在の報告(https://www.niid.go.jp/niid/ja/covid-19/9440-covid19-14.html)を行っており、今回は2回目の報告となる。これらの情報収集は現在も進行中であるため、今後、修正、もしくは更新がなされる可能性がある。また、一部は未届出の段階の、あるいは感染症発生動向調査としての届出作業が終了していない症例が少なくないことから、本データで紹介する患者数は、厚生労働省が公表しているそれとは現時点で異なっている。今後、徐々に乖離は解消されていくと思われるが、注意されたい。

令和2年3月13日

 

新型コロナウイルス(2019-nCoV)の遺伝子検査法の性能評価について
 

一般的なウイルスRNAに対して、以下の検出感度を持つ遺伝子検査法(リアルタイムPCR、LAMP等)について、新型コロナウイルスの検出に使用する場合の臨床検体を用いた評価方法の例を示す。

逆転写及び遺伝子増幅時間

検出限界

1時間以上

50ウイルスゲノムコピー/反応 以下

15分~1時間未満

100ウイルスゲノムコピー/反応 以下

15分未満

200ウイルスゲノムコピー/反応 以下

 

 


感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により報告された新型コロナウイルス感染症確定症例112例の記述疫学(2020年2月24日現在)

国立感染症研究所
(掲載日 2020/2/29)
 

2020年2月1日から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は感染症法第6条第8項の指定感染症に定められ、診断した医師は直ちに管轄の保健所に届け出ることが義務づけられた(感染症発生動向調査)。また、感染症法第15条に規定する積極的疫学調査を行うことが可能となった。

本稿では、感染症発生動向調査に届け出られた確定例に関する情報、及び厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部が積極的疫学調査として関係自治体等から毎日収集し、更新した情報(2月24日現在)をもとに記述する。これらの情報収集は現在も進行中であるため、今後、修正、もしくは更新がなされる可能性がある。また、一部は未届出の段階の、あるいは感染症発生動向調査としての届出作業が終了していない症例が少なくないことから、本データで紹介する患者数は、厚生労働省が公表しているそれとは現時点で異なっている。今後、徐々に乖離は解消されていくと思われるが、注意されたい。

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国内初の新型コロナウイルスのヒト―ヒト感染事例

(速報掲載日 2020/2/26) (IASR Vol. 41 p63-64: 2020年4月号)

新型コロナウイルス(以下、SARS-CoV-2)は、2019年12月以降中華人民共和国湖北省武漢市で発生した原因不明の肺炎患者から検出された新種のコロナウイルスである。2月11日、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス感染症の正式名称を「COVID-19(coronavirus disease 2019)」と定めた(以下、COVID-19)。今回、発症前2週間に武漢渡航歴のない3人のCOVID-19のヒト―ヒト感染事例について、自治体の協力のもと積極的疫学調査の結果をまとめたので報告する。

現場からの概況:ダイアモンドプリンセス号におけるCOVID-19症例【更新】

(2020年2月26日掲載)

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背景

背景情報は2月19日掲載の「現場からの概況:ダイアモンドプリンセス号におけるCOVID-19症例」(以下、「現場からの概況2月19日掲載版」)を参照されたい。(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9410-covid-dp-01.html)

検疫の状況

2月5日-19日の間、クルーズ船ダイアモンドプリンセス号(以下クルーズ船)に対し検疫が実施された。検疫期間中、陽性者の「濃厚接触者」等追加的なリスクがあった者については検疫期間が延長された旨、乗客に通知している。

現場からの概況:ダイアモンドプリンセス号におけるCOVID-19症例

(2020年2月19日掲載)

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背景

クルーズ船ダイアモンドプリンセス号(以下クルーズ船)は、2020年1月20日、横浜港を出発し、鹿児島、香港、ベトナム、台湾、および沖縄に立ち寄り、2月3日に横浜港に帰港した。この航行中の1月25日に香港で下船した乗客が、1月19日23日から咳をみとめ、1月30日に発熱し、2月1日に新型コロナウイルス陽性であることが確認された。そのため、日本政府は2月3日横浜港に入港したクルーズ船に対し、その乗員乗客の下船を許可しなかった。2月3日からの2日間、全乗員乗客の健康診断が検疫官により行われ、症状のある人、およびその濃厚接触者から新型コロナウイルスの検査実施のために咽頭ぬぐい液が採取された。2月5日に検査結果よりCOVID-19陽性者が確認されたことから、クルーズ船に対して同日午前7時より14日間の検疫が開始された。この時点でクルーズ船には、乗客2,666人、乗員1,045人、合計3,711人が乗船していた。

 

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国内で報告された新型コロナウイルス感染症確定例12例の記述疫学(2020年2月3日現在)

(速報掲載日 2020/2/10) (IASR Vol. 41 p48-49: 2020年3月号)

2020年1月3日に、中国湖北省武漢市において原因不明の重症肺炎の集積が報告された。これをうけて日本では、1月6日より、疑似症サーベイランス(感染症法第14条第1項に規定する厚生労働省令で定める疑似症)の枠組みの中で、武漢市に関連した肺炎の患者を探知することになった。なお、2月1日に、新型コロナウイルス感染症は指定感染症となった。指定感染症となる前に使用していた症例定義については、「中国湖 北省武漢市で報告されている新型コロナ関連肺炎に対する対応と院内感染対策」を参照のこと 〔新型コロナウイルス(2019-nCoV)関連情報ページ:https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html〕。

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