国立感染症研究所

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連情報ページ

(このページでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連の記事を、掲載日が新しい順に表示しています)

掲載日:2022年8月25日

第96回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年8月24日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第96回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約1,250人となり、今週先週比は1.19と先週の減少傾向から増加に転じ、全国的にはこれまでの最高値を上回り、最も高い感染レベルが継続している。お盆や夏休みなど、社会経済活動の影響もあり、ほとんどの地域で増加がみられた。

新規感染者数が増加傾向に転じたことに伴い、療養者数も増加傾向に転じた。また、病床使用率は、全国的に上昇または高止まりしている。医療提供体制においては、救急搬送困難事案や医療従事者の欠勤などが多く見られ、コロナだけでなく一般医療を含め医療提供体制に大きな負荷が生じており、今後のさらなる深刻化が懸念される。
また、重症者数や死亡者数も増加傾向が続き、特に死亡者数はこれまでの最高値を超えて、さらに増加することが懸念される。

実効再生産数:
全国的には、直近(8/7)で0.96となっており、首都圏は0.92、関西圏は0.94となっている。

掲載日:2022年8月22日

第95回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年8月18日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第95回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約1,036人となり、今週先週比は0.87と減少に転じたが、一部地域では増加が続いており、全国的にはこれまでで最も高い感染レベルが継続している。一方で、検査体制が逼迫し、受診行動も変化する中で、さらに夏休みやお盆などで検査・診断や報告の遅れなどもあり、感染状況の過小評価が生じている可能性がある。

新規感染者数が減少傾向に転じたことに伴い、療養者数も減少傾向に転じた。一方で、病床使用率は、全国的に上昇または高止まりしている。また、医療提供体制においては救急搬送困難事案の増加や医療従事者の欠勤などは改善しておらず、コロナだけでなく一般医療を含め医療提供体制に大きな負荷が生じており、今後のさらなる深刻化が懸念される。
また、重症者数や死亡者数も増加傾向が続き、特に死亡者数は、これまでの最高値を超えてさらに増加することが懸念される。

実効再生産数:
全国的には、直近(7/31)で1.00となっており、首都圏、関西圏はともに0.99となっている。

2022年8月17日

 
 
端 緒

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの開発は未曾有のスピードで進み、ファイザー社製およびモデルナ社製のmRNAワクチンは大規模なランダム化比較試験で高い有効性(vaccine efficacy)が示された1-3。免疫の減衰や免疫逃避能を有する変異株の出現が確認される中で、国内においても、国立感染症研究所にて、複数の医療機関の協力のもとで、発熱外来等で新型コロナウイルスの検査を受ける者を対象として、症例対照研究(test-negative design)を実施し4-5、実社会における有効性(vaccine effectiveness;発症予防効果)を検討している。これまでの暫定報告においては、B.1.1.7系統(アルファ株)およびB.1.617.2系統(デルタ株)に対して、高い有効性を示すことが確認された4-5。さらに、オミクロン株の亜系統であるBA.1/BA.2流行期においては2回接種で中程度の有効性を示す一方、3回目(ブースター)接種により、高いレベルに有効性が回復することが示された6-7。2022年6月末以降、国内におけるCOVID-19症例は急増しており、これは新たなオミクロン株の亜系統であるBA.5の流行によるものである。そこで今回は、関東地方において、BA.5が75%以上を占めるとされた7月4日から7月31日の調査における暫定結果を報告する8-9。参考として、前回報告以降のデータを含めたBA.1/BA.2が75%以上を占めるとされた1月1日から6月19日の結果についても有効率の推定を併記した。

掲載日:2022年8月15日

第94回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年8月10日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第94回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約1,194人となり、今週先週比は1.05と増加幅は減少してきているが、感染者数の増加が継続している。一部地域では今週先週比が1以下となったが、全国的にはこれまでで最も高い感染レベルが継続している。

新規感染者数の増加に伴い、療養者数も増加が継続し、病床使用率は、ほぼ全国的に上昇傾向が続いている。また、医療提供体制においては救急搬送困難事案の増加や医療従事者の欠勤などが見られ、コロナだけでなく一般医療を含め医療提供体制に大きな負荷が生じており、今後の深刻化が懸念される。また、重症者数や死亡者数も増加傾向が続き、今後の動向に注意が必要。

実効再生産数:
全国的には、直近(7/24)で1.03と1を上回る水準となっており、首都圏では1.01、関西圏では1.03となっている。

掲載日:2022年8月4日

第93回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年8月3日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第93回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約1,137人となり、今週先週比は1.16と増加幅は減少してきているが、感染者数の増加が継続している。
全国的にこれまでで最も高い感染レベルを更新し続けている。

新規感染者数の増加に伴い、療養者数も増加が継続し、病床使用率は、ほぼ全国的に上昇傾向が続き、医療提供体制に大きな負荷が生じている。
また、重症者数や死亡者数も増加傾向が続き、今後の動向に注意が必要。

実効再生産数:
全国的には、直近(7/17)で1.17と1を上回る水準となっており、首都圏では1.16、関西圏では1.19となっている。

 

 

国立感染症研究所

2022 年 7月27日 9:00 時点

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変異株の概況

  •   新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異株は、第18報時点と同様に、B.1.1.529系統の変異株(オミクロン株)が支配的な状況が世界的に継続している。世界でゲノム解析され GISAID データベースに登録されたウイルス株のほぼ全てをオミクロン株が占め、その他の変異株はほとんど検出されていない。オミクロン株の中では、BA.2系統、BA.2.12.1系統、BA.4系統、BA.5系統がそれぞれ2.61%、4.51%、10.57%、53.59%を占め、BA.2系統からBA.5系統への置き換わりが進んでいる(WHO, 2022a)。国内では、2022年2月頃に全国的にデルタ株からオミクロン株のBA.1系統、その後BA.2系統へと置き換わりがみられ、現在はBA.5系統とその亜系統へ置き換わったと推定される。また、国内外でオミクロン株間のさまざまな組換え体が報告されている。世界保健機関(WHO)はこれらのB.1.1.529系統の亜系統であるBA.x系統および組換え体を全て含めて「オミクロン株」と総称する一方、いくつかの亜系統(BA.4、BA.5、BA.2.12.1、BA.2.9.1、BA.2.11、BA.2.13、BA.2.75)を「懸念される変異株(VOC)における監視下の系統(VOC-LUM; Variants of Concern linages under monitoring)」としている。
  •   BA.4系統、BA.5系統はBA.2系統と比較して感染者増加の優位性や免疫逃避が指摘されており、世界的にBA.2系統からの置き換わりが進んでいる。BA2.12.1系統は米国でBA.2系統からの置き換わりがみられたが、その後さらにBA.5系統への置き換わりが進んでいる。BA.4系統、BA.5系統、BA2.12.1系統いずれも既存のオミクロン株と比較して重症度の上昇につながる証拠はみられない。
  •   BA.2.75系統は2022年6月にインドで初めて報告されたBA.2系統の亜系統である。スパイクタンパク質の変異からワクチン接種による中和抗体からの逃避への影響が示唆されているが、世界的に検出数が少なく、今後の国内外での動向を注視する必要がある。
  •   オミクロン株の組換え体は、ほとんどの形質がまだ明らかでは無く、分類法も含めて今後の国内外の動向を注視する。

 

オミクロン株の亜系統について

 

BA.2系統について

  •   BA.2系統はさらに亜系統のBA.2.1系統からBA.2.81系統まで分類されている(Cov-lineages.org, 2022)が、これらの亜系統間での形質の差異は、BA.2.12.1を除き、明らかではない。なお、2022年6月から7月にかけてBA.2系統からBA.5系統への置き換わりが進行し、7月4週時点で90%を超えたと推定される。
  •   BA.2系統の亜系統であるBA.2.12.1系統が2022年3月中旬に米国東海岸で検出され、以降米国内での検出割合が上昇し、6月上旬に米国全体で検出された株の約60%を占める状態となったが、BA.5系統の割合の増加とともに、BA.2.12.1系統の占める割合は低下している (CDC, 2022)。BA.2系統に比較して25%程度の感染者増加の優位性が示唆されているが(New York State, 2022)、既存のオミクロン株と比較した重症度の上昇の証拠はみられない(WHO, 2022a)。
  •   BA.2系統の亜系統であるBA.2.75系統が2022年6月にインドから報告され、7月26日時点で、17か国からGISAIDに470件が登録された。このうち337件はインドからの登録である(covSPECTRUM, 2022)。WHOはBA.2.75系統を、VOCの中で伝播性の増加の兆候や他の懸念される変異株(VOC)と比較して優位性を疑うアミノ酸変異を有するものとして、VOC-LUMに分類しており(WHO, 2022b)、欧州疾病予防管理センター(ECDC)は注目すべき変異株(VOI)に分類している(ECDC, 2022b)。なお、GISAIDの登録情報では、BA.2.75系統は、日本では7月26日時点で検疫で2検体および国内12検体が検出されている。国内検体で採取された日付が最も早いものは7月1日だった。国内症例において特筆すべき地域特性はなく、ゲノム情報においても感染リンクを示す情報/証拠はない。
  •   BA.2.75系統は、BA.2系統と比較して、スパイクタンパク質にK147E、W152R、F157L、I210V、G257S、G339H、G446S、N460Kの各変異を有しており、BA.1系統、BA.2系統などで見られたQ493R変異は有さない (GitHub, 2022)。これらスパイクタンパク質の変異は抗体結合部位の構造に影響している可能性が高く、例えばG446S変異はBA.1系統と共通する変異で、ワクチン接種による中和抗体からの逃避への影響が示唆される。ヒト血清を用いた抗原性の評価では、BA.2.75系統の中和抗体からの逃避は、BA.2.12.1系統より強く、BA.4/BA.5系統に比べて弱いことが示唆されている(Cao Y. et al., 2022a)。
  •   インドではBA.2系統とその亜系統が主流であったが、2022年5月以降BA.5系統の割合が上昇しつつあった。そのような傾向の中で、6月以降BA.2.75系統の割合の上昇が検出されたことから、BA.5系統に対するBA.2.75系統の感染者増加の優位性の有無を注視している。このようなBA.2.75系統の割合の上昇はインドで観察されているのみである。5月には低水準で推移していた感染者数や死亡者数が6月以降増加傾向に転じているが、BA.2.75系統の報告数の多いマハーラーシュトラ州では7月以降感染者数は減少に転じており、BA.2.75系統の増加が感染者数や死亡者数の増加と関係があるかは現時点では不明であり、他の系統と比較した感染伝播性、重症度に関する明らかな知見はない。疫学的な評価については、今後の各国での検出状況、感染者数や重症者数の推移を注視する必要がある。また、BA.2.75系統は既に複数国で検出されていることから、現在の検出状況は過小評価である可能性があることに留意が必要である。

 

BA.4/BA.5系統について

  •   BA.1系統、BA.2系統、BA.3系統に加え、2022年1月にBA.4系統が、2月にBA.5系統がいずれも南アフリカで検出された。BA.4/BA.5系統が有する遺伝子変異はその多くがBA.2系統と共通しており、BA.2系統との違いは、BA.4/BA.5系統はスパイクタンパク質に69/70欠失、L452R、F486V変異を有していることである。また、BA.4系統の亜系統としてBA.4.1~4.7系統があり、BA.5系統の亜系統としてBA.5.1~5.6系統およびBA.5.2系統の亜系統であるBF.x系統、BA.5.3系統の亜系統であるBE.x系統があるが(Cov-lineages.org, 2022)、それぞれBA.4系統、BA.5系統との形質的な差については知見が得られていない。
  •   BA.5系統は世界的に検出数が増加し、2022年27週(7月4日から10日)時点でBA.5系統とその亜系統が全世界で検出された株の53.59%を占め(WHO, 2022a)、BA.2系統からの置き換わりが進んでいる。
  •   米国疾病管理予防センター(CDC)、ECDCはBA.4/BA.5系統を他のオミクロン株と同様にVOCに含めている(CDC. 2022, ECDC. 2022b)。WHOはVOC-LUMに分類している(WHO, 2022b)。英健康安全保障庁(UKHSA)は2022年5月20日にBA.4/BA.5系統をともにvariantsからVOCへ区分変更している(UKHSA, 2022a)。
  •   南アフリカでは2022年4月から5月にかけてBA.4系統、BA.5系統が占める割合がそれぞれ上昇し、BA.2系統からの置き換わりが進むと共に同時期の感染者数の増加が見られ、ポルトガルにおいても5月にBA.2系統からBA.5系統への置き換わりが進み、感染者数の増加が見られたことから、BA.5系統はBA.2系統に比較して12~13%の成長率の上昇が指摘されている(ECDC, 2022a)。また、英国でも5月以降BA.4/BA.5系統の検出割合が上昇しており7月にはBA.5系統が英国内での主流となった (UKHSA, 2022a)。米国ではBA.2.12.1系統が優位であったが、6月以降BA.5系統の占める割合が上昇し、置き換わりが進んでいる (CDC, 2022)。そのほか欧州各国においてBA.2系統からBA.5系統への置き換わりが進んでいるが、感染者数の増加については国によって差がみられる。
  •   デンマークにおける分析では、BA.2系統感染に比したBA.5系統感染の入院のオッズ比(調整後)が1.65 (95%CI:1.16-2.34)と、BA.5系統感染による入院リスクの増加を示唆する報告があるが、調査期間中の入院数は少なく、BA.5系統流行以前と比較して大きな変動は見られていない(Hansen CH. Et al., 2022)。一方、南アフリカからの報告では、入院、死亡のいずれもBA.1系統流行時とBA.4/BA.5系統流行時に統計学的な差はなかった(Davis MA. et al., 2022)。ただし、いずれも査読を受けていないプレプリント論文の報告であることに注意が必要である。BA.4/BA.5系統の流行における現時点で既存のオミクロン株と比較した重症度の増大の証拠はみられない(WHO, 2022a、UKHSA, 2022a)
  •   BA.4系統、BA.5系統はL452R変異をはじめとするスパイクタンパク質の変異を有しており、中和抗体の結合に影響を与える可能性が示唆されている。BA.2.12.1系統同様、L452の変異により免疫逃避の可能性が示唆されている(Cao Y. et al., 2022b)ほか、ワクチン接種者およびオミクロン株感染者の血清を用いた抗原性評価では、BA.4/BA.5系統に対する抗体価はBA.1と比較して2.9倍から3.3倍、BA.2と比較して1.6倍から4.3倍の中和活性の低下が指摘されているが、査読を受けていないプレプリント論文の報告であることに注意が必要である(Hachmann NP. et al., 2022)。また、抗体医薬のうちsotrovimab、bamlanivimab、casirivimab、etesevimab、imdevimab、tixagevimabの中和活性の低下、cilgavimabへの抵抗性の上昇が示唆されている (WHO, 2022a)。
  •   BA.2系統ウイルス株にオミクロン亜系統のスパイク遺伝子を置換した遺伝子組換えキメラウイルスを用いたハムスター感染実験の結果、BA.4/BA.5系統のスパイクを持つウイルスの病原性がBA.2系統のスパイクだけを持つウイルスよりも高くなったこと、および培養細胞を用いた実験で、BA.4/BA.5系統のスパイクを持つウイルスがBA.2系統のスパイクだけを持つウイルスよりも効率的にヒト肺胞上皮細胞で示した報告があるが、実験室内での動物、培養細胞を用いた実験であり臨床的に観察されたものではないこと、査読を受けていないプレプリント論文の報告であることに注意が必要である (Kimura I et al., 2022)。ただし、デルタ株等のオミクロン株以外の従来株との比較はなく、BA.4/BA.5系統のスパイクを持つウイルスの病原性がオミクロン株出現前のSARS-CoV-2に比べて高くなっているのかについては不明である。
  •   国内では2022年6月から7月にかけてBA.2系統BA.5系統への置き換わりが進行し、7月4週時点で90%を超えたと推定される。既存のオミクロン株と比較して感染者増加の優位性が指摘されており、各地で感染者数の増加がみられている。重症度の増加は指摘されていないが、感染者数の増加を反映する形での重症者数、死亡者数の増加がみられる可能性があるため、引き続き知見の収集、国内の感染者数、重症者数の推移の注視とともに、ゲノムサーベイランスによる監視を継続する必要がある。

組換え体について

  •   SARS-CoV-2を含めRNAウイルスにおいて遺伝子組換え( 2種あるいはそれ以上の同種または近縁ウイルス間で、遺伝子の一部が組換わったゲノムを有するウイルスが生成すること)が起こりうることはよく知られている。異なる系統のウイルスが宿主に同時感染することで生じると考えられるが、SARS-CoV-2についても異なる系統間の組換え体と考えられるウイルスが検出される事例がある。
  •   これまで、アルファ株(B.1.1.7系統)とB.1.177系統の組換え体(XA系統)、B.1.634系統とB.1.631系統の組換え体(XB系統)、アルファ株(B.1.1.7系統)とデルタ株(AY.29系統)の組換え体(XC系統)、デルタ株とオミクロン株の組換え体(XD、XF、XS系統)、オミクロン株BA.1系統とBA.2系統の組換え体(XE、XG、XH、XJ、XK、XL、XM、XN、XP、XQ、XR、XT、XU、XV、XW、XY、XZ、XAA~XAH系統)、BA2.12.1系統とBA.4系統の組み替え体(XAJ系統)にPANGO系統が付与されてきている(cov-lineages org, 2022)。ただし、国際的なデータベースではこれまでの変異に基づく分類の在り方が検討されているところであり、PANGO系統がまだ付与されていない、組換え箇所等が異なるオミクロン株の組換え体が、日本を含め世界各地から報告されている。
  •   組換え体のうち、XE系統はBA.2系統と比較して12.6%の成長率の上昇が示唆されており、UKHSAはXE系統をvariantsに指定している(UKHSA, 2022b)が、2022年4月以降世界的にXE系統のGISAIDへの登録数は減少している(outbreak. info, 2022)。また、これ以外に感染の広がりを強く示唆するデータや、重症化やワクチンの効果が減衰するなどの懸念すべき影響を示唆するデータは報告されていない。世界全体で組換え体の検出数が少ないため、引き続き諸外国の状況や知見等の収集、ゲノムサーベイランスによる監視を継続する。

参考 主な変異株の各国における位置付け(2022 年 7月 29日時点)

系統名

感染研

WHO*

ECDC

英国 HSA

CDC

B.1.617.2 系統

(デルタ株)

VUM

Previously circulating VOC

De-escalated variant

Variants

VBM

B.1.1.529 系統

(オミクロン株)

VOC

currently circulating VOC

※BA.4, BA.5, BA.2.12.1, BA2.9.1, BA2.11, BA.2.13, BA.2.75:VOC-LUM

VOC

※BA.1, BA.2, BA.4, BA.5: VOC

BA.2+L452X, BA.2.75: VOI

BA.3: VOM

VOC

※BA.1, BA.2, BA.4, BA.5: VOC

BA2.12.1, BA.2.75: Variants
BA.3: signals in monitoring

VOC

B.1.1.7 系統

(アルファ株)

VUM

previously circulating VOC

De-escalated variant

Variants

VBM

VOC: Variant of Concern(懸念される変異株)、VOC-LUM:VOC lineages under monitoring(VOCにおける監視下の系統)、VUM: Variant under Monitoring(監視下の変異株)、VOI: Variant of interest (注目すべき変異株)、VBM: Variant being Monitored(監視中の変異株)、De-escalated variant(警戒解除した変異株)、currently circulating(現在流行中)、previously circulating(かつて流行していた)、Signals in monitoring (監視中のシグナル)


引用文献

注意事項

  •   迅速な情報共有を目的とした資料であり、内容や見解は情勢の変化によって変わる可能性がある。

更新履歴

第19報 2022/07/27  9:00時点

第18報 2022/07/01  9:00時点

第17報 2022/06/03  9:00時点

第16報 2022/04/26  9:00時点

第 15 報 2022/03/28 9:00 時点 注)タイトル変更

          「感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される SARS-CoV-2 の変異株について」

第 14 報 2021/10/28  12:00 時点

第 13 報 2021/08/28  12:00 時点

第 12 報 2021/07/31  12:00 時点

第 11 報 2021/07/17  12:00 時点

第 10 報 2021/07/06  18:00 時点

第  9報 2021/06/11 10:00 時点

第  8報 2021/04/06 17:00 時点

第  7報 2021/03/03 14:00 時点

第  6報 2021/02/12 18:00 時点

第  5報 2021/01/25 18:00 時点 注)タイトル変更

「感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される SARS-CoV-2 の新規変異株について」

第  4報 2021/01/02 15:00 時点

第  3報 2020/12/28 14:00 時点

第  2報 2020/12/25 20:00 時点 注)第1報からタイトル変更

「感染性の増加が懸念される SARS-CoV-2 新規変異株について」

第  1報 2020/12/22 16:00 時点 「英国における新規変異株(VUI-202012/01)の検出について」

IASR-logo

埼玉県衛生研究所でのCOVID-19疑い例における病原体検出状況

(IASR Vol. 43 p168-170: 2022年7月号)

 

 臨床的に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が疑われた症例について, real-time RT-PCR検査で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を含め, 病原体検索を行ったので結果を報告する。

IASR-logo

SARS-CoV-2オミクロン株BA.2系統に特徴的なS371F変異を検出するための工夫―秋田県

(IASR Vol. 43 p170-171: 2022年7月号)

 

 目下のところ, 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株を検出する方法として, BA.1系統とBA.2系統の両方にみられるG339D変異と, BA.1系統のみにみられるT547K変異を検出する2波長TaqMan assayを基本原理としたPCR検査プロトコール1)が報告されている。一方, 3月以降にゲノム解析によりBA.1系統よりも感染力が高いとされるBA.2系統の検出例が増えてきたことから, 両者を効率的に鑑別できるスクリーニング手法があればモニタリングに寄与するものと考えられた。我々は先にN501Y変異検出PCRプロトコールに最小限度の改変を加えることで, R.1系統にみられるE484K変異の検出能を付加する工夫を行った2)。今回, その手法を応用してG339D変異検出PCRプロトコールにBA.2系統特異的な変異の検出能を付加することができたので報告する。

掲載日:2022年7月28日

第92回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年7月27日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第92回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版(準備中)

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約978人となり、今週先週比は1.89と急速な増加が継続している(今週先週比は3連休の影響にも注意が必要)。全国的にこれまでで最も高い感染レベルを更新し続けるとともに、全ての年代で増加している。

新規感染者数の増加に伴い、療養者数も増加が継続し、病床使用率は、地域差が見られるものの総じて上昇傾向が続き、医療提供体制に大きな負荷が生じている地域もある。
また、重症者数や死亡者数も増加傾向が続き、今後の動向に注意が必要。

実効再生産数:
全国的には、直近(7/10)で1.24と1を上回る水準となっており、首都圏、関西圏ともに1.26となっている。

掲載日:2022年7月25日

第91回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年7月21日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第91回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版(準備中)

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約565人となり、今週先週比は1.72と急速な増加が継続している。 また、全国的にこれまでで最も高い感染レベルとなるなど、全ての都道府県や年代で増加している。

新規感染者数の増加に伴い、療養者数は増加し、病床使用率は、地域差が見られるものの総じて上昇傾向にある。
大都市部を始め多くの地域において3割を超え、一部で5割を超える地域も見られる。
また、重症者数や死亡者数は、低水準にあるものの増加傾向にある。

実効再生産数:
全国的には、直近(7/3)で1.23と1を上回る水準となっており、首都圏、関西圏ともに1.25となっている。

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