(このページでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連の記事を、掲載日が新しい順に表示しています)
掲載日:2022年4月28日
第82回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年4月27日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第82回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.91となり、直近の1週間では10万人あたり約226人と減少が継続している。大都市圏を中心に減少が続く一方、北海道や沖縄県など増加が続く地域もある。年代別の新規感染者数は全ての年代で減少傾向が続いており、20代の減少が顕著である一方、10代以下では減少幅が小さい。
全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。
わが国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初発例が報告されたのは2020年1月であり、その後約2年間にわたって、それぞれ異なる変異株を主流とする計6回の流行がみられた。2021年末に沖縄県や山口県など複数県から始まった第6波は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) B.1.1.529系統(オミクロン株)が主流であり、ゲノム解析の結果、当時米国で多数検出されていた系統に近縁もしくは同一配列であるとされている1)。また、同時期の山口県内のSARS-CoV-2新規感染者全体に占めるオミクロン株の割合は急速に増加し、2022年1月に実施された山口県内の516検体のゲノム解析の結果、1月4日発症の患者の検体以降に検査を実施した497検体すべてがオミクロン株であり2)、そのほとんどが米軍岩国基地関連のクラスターのオミクロン株と同一ゲノムもしくは1-2塩基置換であった。
続きを読む: SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)による院内クラスター対策と事例解析における発症日とCt値および抗原定量値との関連―山口県―
掲載日:2022年4月21日
第81回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年4月21日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第81回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
大都市圏を中心に減少傾向となっていることに伴い、全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.91となり、直近の1週間では10万人あたり約249と減少の動きが見られる。一方、沖縄県など増加が継続している地域もある。年代別の新規感染者数は全ての年代で減少傾向にあるが、明確な減少が見られる20代以外の年代では横ばい又は微減。
全国の新規感染者数の増加傾向に伴い、療養者数も増加傾向が続いていたが、足下で減少に転じている。また、これまでの新規感染者数減少の動きに伴い、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。
掲載日:2022年4月14日
第80回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年4月13日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第80回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約274で、今週先週比が1.06と増加傾向が続いている。年代別の新規感染者数は10代以下で減少傾向に転じる一方、50代以上で増加傾向が見られる。
全国の新規感染者数の増加傾向に伴い、療養者数も増加傾向が続いている。一方、これまでの新規感染者数減少の動きに伴い、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。
国立感染症研究所
2022年4月11日
参考文献
掲載日:2022年4月7日
第79回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年4月6日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第79回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約259で、今週先週比が1.08と増加傾向となっており、今後の動向に注意が必要。また、年代別の新規感染者数は全ての年代で増加傾向に転じており、特に10-20代の増加が顕著。
全国の新規感染者数の増加傾向に伴い、療養者数も増加傾向に転じている。一方、これまでの新規感染者数減少の動きに伴い、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。
掲載日:2022年3月31日
第78回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年3月23日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第78回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約240で、今週先週比が1.04となり、足下で増加傾向となっているが、先週の連休の影響もあるため今後の動向に注意が必要。
全国のこれまでの新規感染者数減少の動きに伴い、療養者数、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。
国立感染症研究所
2022年3月28日9:00時点
変異株の再分類
デルタ株とオミクロン株の組換え体について
表1 国立感染症研究所による国内における変異株の分類(2022年3月28日時点)
分類 |
定義 |
主な対応 |
該当 変異株 |
懸念される変異株 (VOC; Variants of Concern) |
公衆衛生への影響が大きい感染・伝播性、毒力*、及び治療・ワクチン効果の変化が明らかになった変異株 |
対応 ・週単位で検出数を公表(IDWR) ・ゲノムサーベイランス(国内・検疫)で監視 ・必要に応じて変異株PCR検査で監視 ・積極的疫学調査 |
デルタ株 オミクロン株 |
注目すべき変異株 (VOI; Variant of Interest) |
公衆衛生への影響が見込まれる感染・伝播性、毒力、及び治療・ワクチン効果や診断に影響がある可能性がある、又は確実な変異株で、国内侵入・増加の兆候やリスクを認めるもの(以下、例) ・検疫での一定数の検知 ・渡航例等と無関係な国内での検出 ・国内でのクラスター連鎖 ・日本との往来が多い国での急速な増加 |
警戒 ・週単位で検出数を公表(IDWR) ・ゲノムサーベイランス(国内・検疫)で監視 ・積極的疫学調査 ・必要に応じて変異株PCR検査の準備
|
該当なし |
監視下の変異株 (VUM; Variants Under Monitoring) |
公衆衛生への影響が見込まれる感染・伝播性、毒力、及び診断・治療・ワクチン効果に影響がある可能性がある変異を有する変異株 また、VOCやVOIに分類された変異株であっても、以下のような状況では、本分類に一定期間位置付ける ・世界的に検出数が著しく減少 ・追加的な疫学的な影響なし ・国内・検疫等での検出が継続的に僅か ・特に懸念される形質変化なし |
監視 ・発生状況や基本的性状の情 報収集 ・ゲノムサーベイランス(国内・検疫)で監視 ・(VOC/VOIからVUMに移行後国内発生が継続するものは)週単位で検出数を公表 (IDWR)
|
アルファ株 ベータ株 ガンマ株
|
* 毒力virulence: 病原体が引き起こす感染症の重症度の強さ
IDWR: 感染症発生動向調査週報
参考 主な変異株の各国における位置付け(2022年3月28日時点)
系統名 |
感染研 |
WHO* |
ECDC |
英国HSA |
CDC |
B.1.617.2系統 (デルタ株) |
VOC |
currently circulating VOC |
VOC |
VOC |
VOC |
B.1.1.529系統 (オミクロン株) |
VOC |
currently circulating VOC |
VOC |
VOC |
VOC |
B.1.1.7系統 (アルファ株) |
VUM |
previously circulating VOC |
De-escalated variant |
VOC |
VBM |
B.1.351系統 (ベータ株) |
VOC →VUM |
previously circulating VOC |
VOC |
International VOC |
VBM |
P.1系統 (ガンマ株) |
VOC →VUM |
previously circulating VOC |
VOC |
VOC |
VBM |
B.1.617.1系統 (旧カッパ株) |
VUM →なし |
previously circulating VOI |
De-escalated variant |
なし |
VBM |
C.37系統 (ラムダ株) |
VUM →なし |
previously circulating VOI |
De-escalated variant |
なし |
なし |
B.1.621系統 (ミュー株) |
VUM →なし |
previously circulating VOI |
De-escalated variant |
International VUI |
VBM |
AY.4.2系統 (デルタ株の |
VUM →なし |
なし |
De-escalated variant |
VUI |
なし |
VOC: Variant of Concern(懸念される変異株)、VOI: Variant of Interest(注目すべき変異株)、VUI:Variant under Investigation(調査中の変異株)、VUM: Variant under Monitoring(監視下の変異株)、VBM: Variant being Monitored(監視中の変異株)、De-escalated variant(警戒解除した変異株)
* WHOは2022年3月22日よりVOCとVOIについて、previously circulating(かつて流行していた)とcurrently circulating(現在流行中)の2種類に分けている。
引用文献
注意事項
更新履歴
第15報 2022/03/28 9:00 時点 注)タイトル変更
「感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念されるSARS-CoV-2の変異株について」
第14報 2021/10/28 12:00時点
第13報 2021/08/28 12:00 時点
第12報 2021/07/31 12:00 時点
第11報 2021/07/17 12:00 時点
第10報 2021/07/06 18:00時点
第 9報 2021/06/11 10:00時点
第 8報 2021/04/06 17:00 時点
第 7報 2021/03/03 14:00時点
第 6報 2021/02/12 18:00時点
第 5報 2021/01/25 18:00時点 注)タイトル変更
「感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念されるSARS-CoV-2の新規変異株について」
第 4報 2021/01/02 15:00時点
第 3報 2020/12/28 14:00時点
第 2報 2020/12/25 20:00時点 注)第1報からタイトル変更
「感染性の増加が懸念されるSARS-CoV-2新規変異株について」
第 1報 2020/12/22 16:00時点
「英国における新規変異株(VUI-202012/01)の検出について」
(IASR Vol. 43 p74-76: 2022年3月号)
我々はこれまでに2020年9月に県内の単科精神科病院において発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の集団感染事例とその対応, および血清疫学調査の結果を報告した1,2)。本稿では本調査の対象となった患者の精神科診断や治療の状況, COVID-19の重症化因子や重症度等の臨床情報をまとめた。併せてワクチン接種後にみられた発熱の状況について報告する。
続きを読む: 単科精神科病院の療養病棟で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)集団感染事例の血清疫学調査(第三報:臨床的背景)
(IASR Vol. 43 p76-77: 2022年3月号)
現在, 国内では新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株スクリーニングの目的で, デルタ株に認められるL452R変異がオミクロン株では陰性となることを利用したPCR検査が実施されている1)。しかしながら, 当所におけるL452R変異検出PCR検査では, L452R変異判定不能となる検体の割合が多かった。一方, 2022年1月に, オミクロン株を検出できるPrimer/Probe G339D(SARS-CoV-2)が市販され, G339D変異検出PCR法を用いてオミクロン株のスクリーニングが可能になった。このため, 我々はSARS-CoV-2陽性検体を用いて, L452R変異PCR法とG339D変異PCR法によるオミクロン株のスクリーニングPCR法の検出感度を比較検討した。