(このページでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連の記事を、掲載日が新しい順に表示しています)
(IASR Vol. 43 p121-122: 2022年5月号)
2021年秋には国内で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)B.1.617.2変異株(デルタ株)の流行が落ち着きつつあったが, 旭川市では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患率が高い状況が続いていた。同時期, 旭川市にある繁華街, 通称「さんろく街」では, 2021年10月6日から観光社交飲食協会が加盟店対象に, 複数店舗の利用で特典が得られるキャンペーンを開催しており, 101店舗(うち接待を伴う飲食店24店舗)が参加していた。そのような状況の中で, 10~11月にかけて, さんろく街の飲食店従業員と客を中心としたクラスターが複数確認された。そこで, 繁華街におけるキャンペーンが感染拡大に与えた影響および自治体によるCOVID-19対策優良飲食店の認証制度の感染拡大予防効果について検討した。なお, 2021年10月時点で旭川市には飲食店が3,358店舗存在していた。
北海道釧路市で2022年1月15日、16日にアジアリーグアイスホッケーの試合(以下、試合)が開催され、対戦した両チームの選手・関係者の他、大会関係者や観客で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の集団発生を認めた。本事例で得られたアイスホッケー競技大会のCOVID-19対策に資する知見や課題を報告する。
掲載日:2022年5月20日
第84回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年5月19日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第84回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約203人で、今週先週比は1.07となっているが、この数日における直近1週間の移動平均は減少傾向にあり、減少傾向が継続していたGW前の水準よりも低くなっている。GWによる数値への影響もあるため、今後の動きに注視が必要。
年代別の新規感染者数は、全ての年代で微増又は増加しており、特に20代で顕著な増加が見られる(5月第2週と第1週の比較)。
全国の新規感染者数が増加に転じていることに伴い、療養者数は増加傾向。一方、重症者数は減少が続き、死亡者数は横ばい。
広島市では2021年10月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は低調に継続していたが、2021年12月末以降に急激に報告数が増加した。2022年1月初旬の広島県のL452R変異判定PCR検査では、オミクロン株を示唆するL452(L452R変異陰性)と判定された検体の割合は全体の約9割1)となった。同状況下において、市内の1つの高齢者施設で1月5~19日の期間に計28例のCOVID-19症例の集積を認めた。本調査では、高齢者施設におけるオミクロン株によると思われるCOVID-19集団発生事例の疫学情報としてまとめ、その特徴を明らかにし、同様の施設での対策に資することを目的とした。
掲載日:2022年5月13日
第83回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年5月11日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第83回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.98となり、直近の1週間では10万人あたり約175人と減少が継続しているが、GWによる検査や診療への影響もあることに加え、GWにおける人の動きやBA.2系統へ概ね置き換わった状況などもあり、今後の動きに注視が必要。
年代別の新規感染者数は、20代では増加が見られる一方、その他の年代では横ばい又は減少が続いている。
全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。
感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株について (第16報)
国立感染症研究所
2022年4月28日9:00時点
変異株の概況
オミクロン株の亜系統について
(BA.1系統について)
(BA.2系統について)
(BA.4/BA.5系統について)
BA.2系統に関する分子疫学調査について
ゲノム解析による分子疫学は、十分に流行が抑制され、積極的疫学調査が詳細に行われていた状況にあっては、クラスター調査などの疫学調査の情報と組み合わせることにより、クラスターの追跡を含め感染拡大の背景を推測するのに役立ってきた(オミクロン株の組換え体について (niid.go.jp))。一方、流行が大幅に拡大した状況では、ゲノム解析される検体が全体に占める割合は少数(1%程度)となり、また、積極的疫学調査の実施も限定的となっている。こうした状況下では、クラスターの追跡はもとより、詳細な背景情報を伴う事例も限定的となり、ゲノム解析による情報と疫学調査の情報とを十分に組み合わせることが出来なくなっている。このような状況下では、ゲノムネットワーク図による分析で感染拡大の背景を説明することは一層困難となってきている。よって、分析のもととなるデータが限定的であり解釈には慎重さが必要であるとの前提のうえで、現時点でわかることを以下に記述する。
組換え体について
参考 主な変異株の各国における位置付け(2022年4月25日時点)
VOC: Variant of Concern(懸念される変異株)、VOI: Variant of Interest(注目すべき変異株)、VUI:Variant under Investigation(調査中の変異株)、VUM: Variant under Monitoring(監視下の変異株)、VBM: Variant being Monitored(監視中の変異株)、De-escalated variant(警戒解除した変異株)、currently circulating(現在流行中)、previously circulating(かつて流行していた)、Signals in monitoring (監視中のシグナル)
引用文献
注意事項
更新履歴
第 16 報 2022/4/26 9:00時点
第 15 報 2022/03/28 9:00 時点 注)タイトル変更
「感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される SARS-CoV-2 の変異株について」
第 14 報 2021/10/28 12:00 時点
第 13 報 2021/08/28 12:00 時点
第 12 報 2021/07/31 12:00 時点
第 11 報 2021/07/17 12:00 時点
第 10 報 2021/07/06 18:00 時点
第 9報 2021/06/11 10:00 時点
第 8報 2021/04/06 17:00 時点
第 7報 2021/03/03 14:00 時点
第 6報 2021/02/12 18:00 時点
第 5報 2021/01/25 18:00 時点 注)タイトル変更
「感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される SARS-CoV-2 の新規変異株について」
第 4報 2021/01/02 15:00 時点
第 3報 2020/12/28 14:00 時点
第 2報 2020/12/25 20:00 時点 注)第1報からタイトル変更
「感染性の増加が懸念される SARS-CoV-2 新規変異株について」
第 1報 2020/12/22 16:00 時点 「英国における新規変異株(VUI-202012/01)の検出について」
国立感染症研究所
(掲載日:2022年4月27日)
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)においては、無症状病原体保有者の存在などから全ての感染者が診断されないため、これまでに診断された症例の累積報告数よりも実際の累積感染者数が多い可能性が指摘されている。また、2021年2 月降、我が国においても新型コロナワクチンの接種が開始され広く普及しているが、一般人口においてワクチン接種により誘導された抗体の保有状況は調査されていない。
そこで、厚生労働省と国立感染症研究所では、我が国における新型コロナウイルス感染症の疾病負荷の把握と新型コロナワクチン接種で誘導された抗体の保有状況を検討することを目的として、5 都府県をおいて大規模な血清疫学調査を実施している。ワクチン接種が開始される以前の2020年6月および2020年12 月に実施された第1回・第2 回の血清疫学調査では、いずれの都府県においても極めて低い抗体保有割合に留まり、これらの調査時点では、諸外国と比較して我が国においては新型コロナウイルス感染症の疾病負荷が低いことが示唆された。本報告書では、2021年12月および2022年2 月に実施された第3回・第4 回の血清疫学調査の結果を示す。
続きを読む: 2021 年度新型コロナウイルス感染症に対する血清疫学調査報告掲載日:2022年4月28日
第82回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年4月27日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第82回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.91となり、直近の1週間では10万人あたり約226人と減少が継続している。大都市圏を中心に減少が続く一方、北海道や沖縄県など増加が続く地域もある。年代別の新規感染者数は全ての年代で減少傾向が続いており、20代の減少が顕著である一方、10代以下では減少幅が小さい。
全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。
わが国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初発例が報告されたのは2020年1月であり、その後約2年間にわたって、それぞれ異なる変異株を主流とする計6回の流行がみられた。2021年末に沖縄県や山口県など複数県から始まった第6波は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) B.1.1.529系統(オミクロン株)が主流であり、ゲノム解析の結果、当時米国で多数検出されていた系統に近縁もしくは同一配列であるとされている1)。また、同時期の山口県内のSARS-CoV-2新規感染者全体に占めるオミクロン株の割合は急速に増加し、2022年1月に実施された山口県内の516検体のゲノム解析の結果、1月4日発症の患者の検体以降に検査を実施した497検体すべてがオミクロン株であり2)、そのほとんどが米軍岩国基地関連のクラスターのオミクロン株と同一ゲノムもしくは1-2塩基置換であった。
続きを読む: SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)による院内クラスター対策と事例解析における発症日とCt値および抗原定量値との関連―山口県―
掲載日:2022年4月21日
第81回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年4月21日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第81回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
大都市圏を中心に減少傾向となっていることに伴い、全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.91となり、直近の1週間では10万人あたり約249と減少の動きが見られる。一方、沖縄県など増加が継続している地域もある。年代別の新規感染者数は全ての年代で減少傾向にあるが、明確な減少が見られる20代以外の年代では横ばい又は微減。
全国の新規感染者数の増加傾向に伴い、療養者数も増加傾向が続いていたが、足下で減少に転じている。また、これまでの新規感染者数減少の動きに伴い、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。