国立感染症研究所

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国立感染症研究所
(掲載日:2022年3月20日)

2022年2月10日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(1)で、5~11歳の小児に対しても予防接種法に基づく特例臨時接種として実施される方針が決まり(努力義務の適用は除外)、2022年2月21日の省令改正で、5~11歳用のファイザー製新型コロナワクチンの接種が可能となりました。2022年3月13日現在、国内ではファイザー製(12歳以上用、5~11歳用)、武田/モデルナ製、アストラゼネカ製の4種類の新型コロナワクチン(以下、ワクチン)が使用されています。 2021年12月1日から、18歳以上の者を対象としてファイザー製ワクチンによる追加接種(3回目接種)が始まり、2021年12月17日からは、武田/モデルナ製ワクチンも追加接種(3回目接種)可能となりました。2022年3月13日現在、2種類のワクチンが追加接種に使用されています。初回接種で使用したワクチンとは異なる種類のワクチンで追加接種すること(交互接種)も可能です。

2022年3月11日現在の国内での総接種回数は2億3,805万214回で、このうち高齢者( 65歳以上 )は9,033万7,971回、職域接種は1,977万3,546回、小児は2万3,158回でした。2022年3月10日時点の1回以上接種率は全人口(1億1,461万7,716人: 令和3年1月1日現在の住民基本台帳に基づくもの )の80.4%、2回接種完了率は79.3%、3回接種完了率は28.3%でした。また、高齢者の1回以上接種率は、65歳以上人口(3,576万7,994 人: 令和3年1月1日現在の住民基本台帳に基づくもの)の92.7%、2回接種完了率は92.4%、3回接種完了率は67.4%でした。

2022年3月7日公表時点の年代別接種回数別被接種者数と接種率/接種完了率( 図1 )を示します。また、新規感染者数と累積接種割合についてまとめました( 図2 )。

図1 年代別接種回数別被接種者数・接種率/接種完了率(首相官邸ホームページ公表数値より作図):2022年 3月 7日公表時点

注)被接種者の年齢分布は、ワクチン接種記録システム(VRS)に報告済みのデータのみにより把握可能なため、接種率の算出においては、VRSへ報告された、一般接種(高齢者を含む)と先行接種対象者(接種券付き予診票で接種を行った優先接種者)の合計回数が使用されています。使用回数には、首相官邸HPで公表している総接種回数のうち、職域接種及び先行接種対象者のVRS未入力分である約100万回分程度が含まれていません。年齢階級別人口は、総務省が公表している「令和3年住民基本台帳年齢階級別人口(市区町村別)」のうち、各市区町村の性別及び年代階級の数字を集計したものを利用し、12~19歳人口は10~14歳人口を5分の3したものに、15~19歳人口を加えたものが使用されています。

図2 日本_新規感染者数および新規死亡者数と累積接種割合の推移 [データ範囲:2020年1月22日~2022年3月7日]下記データより作図.Roser M, Ritchie H, Ortiz-Ospina E and Hasell J. (2020) - "Coronavirus Pandemic (COVID-19)". Published online at OurWorldInData.org. Retrieved from: 'https://ourworldindata.org/coronavirus' [Online Resource](閲覧日2022年3月9日)

参考文献

  1. 厚生労働省:第30回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000192554_00019.html(閲覧日2022年3月13日)

今回は、下記の内容について、最近のトピックスをまとめました。

【本項の内容】
  • 海外のワクチン接種の進捗と感染状況の推移・・・・・・・・・ 3
  • ワクチン既接種者からの二次感染予防効果・・・・・・・・・・ 9
  • Long COVIDに対するワクチン効果・・・・・・・・・・・・・ 11
  • 母体へのワクチン接種による出生児への効果について・・・・・ 13
  • オミクロン株出現後の小児におけるファイザー製ワクチンの有効性の変化・・・・・・ 15

新型コロナワクチンについて ( 2022 年3月13日現在 )

 

2022年3月16日9:00時点

国立感染症研究所

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概要

 WHOは2021年11月24日にSARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統を監視下の変異株(Variant Under Monitoring; VUM)に分類したが(WHO. Tracking SARS-CoV-2 variants)、同年11月26日にウイルス特性の変化の可能性を考慮し、「オミクロン株」と命名し、懸念される変異株(Variant of Concern; VOC)に位置づけを変更した(WHO. Classification of Omicron (B.1.1.529) )

 2021年11月26日、国立感染症研究所は、PANGO系統でB.1.1.529系統に分類される変異株を、感染・伝播性、抗原性の変化等を踏まえた評価に基づき、注目すべき変異株(Variant of Interest; VOI)として位置づけ、監視体制の強化を開始した。2021年11月28日、国外における情報と国内のリスク評価の更新に基づき、B.1.1.529 系統(オミクロン株*)を、懸念される変異株(VOC)に位置付けを変更した。

* B.1.1.529 系統の下位系統であるBA.1系統 BA.2系統, BA.3系統及び更にその下位の亜系統(BA.1.1を含む)が含まれる。

 

表 SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)の概要 

PANGO

系統名

日本

感染研

WHO

EU

ECDC

英国

UKHSA

米国

CDC

スパイクタンパク質の主な変異等(全てのオミクロン株で認めるわけではない)

B.1.1.529

BA.x

VOC

VOC

VOC

VOC

(BA.2系統はVUI、BA.3系統はSignals currently under monitoring and investigationに分類)

VOC

BA.1/BA.2系統共に主流:G142D, G339D, S373P, S375F, K417N, N440K, S477N, T478K, E484A, Q493R, Q498R, N501Y, Y505H, D614G, H665Y, N679K, P681H, N764K, D796Y, Q954H, N969K

BA.1系統で主流: A67V, del69/70, T95I, del143/145, N211I, del212, S371L, G446S, G496S, T547K, N856K, L981F (BA.1.1ではR346K)

BA.2系統で主流: T19I, L24S, del25/27, V213G, S371F, T376A, D405N, R408S

 

オミクロン株について

B.1.1.529系統の下位系統としてBA.1系統、BA.2系統、BA.3系統が位置付けられており、現在の世界的な主流はBA.1系統である。さらにこれらの系統の下位に複数の亜系統が分類されている(cov-lineages.org)。BA.1系統とBA.2系統では、共通する変異が多いが、それぞれの系統に特異的な変異や欠失が複数ある。海外では、異なる系統のオミクロン株同士、デルタ株とオミクロン株の組換えウイルスの散発的な発生が報告されており、WHOよりモニタリングの対象として指定されたものもある。感染者の症状等の形質の違いが生じているという報告はまだないが、注視が必要である(WHO. Tracking SARS-CoV-2 variants)。

 世界の多くの地域において、オミクロン株による感染者(以下オミクロン株感染者)の新規報告数は減少に転じた。一方で、西太平洋地域では報告数の増加が継続している。オミクロン株の下位系統(BA.1系統、BA.1.1系統、BA.2系統ならびにBA.3系統)に関し、現状では世界的にBA.1系統(BA.1.1系統を含む)が最も多くを占めていると推定される。しかし、多くの地域でBA.2系統の占める割合が増加し、いくつかの国でBA.2系統が優勢となっていることが報告されている。また、少数ではあるが、複数の国でBA.1系統感染後のBA.2系統への再感染例が報告されている。

  •   2021年11月24日に南アフリカからWHOへ最初のオミクロン株感染者が報告されて以降、2022年3月8日までに日本を含め全世界195か国から感染者が報告された(WHO. COVID-19 Weekly Epidemiological Update, Edition 82, published 8 March 2022)。
  •   GISAIDに登録された検体(2022年2月4日-3月5日の採取検体)の解析では、428,417検体中 427,152検体(99.7%)がオミクロン株で580検体(0.1%)がデルタ株であった。同期間中に100検体以上をGISAIDに登録した46か国全てにおいて、。オミクロン株の下位系統別の世界的な動向として、同期間中に採取された検体における各系統の検出割合は、BA.1.1系統が41%、次いでBA.2系統が34%、BA.1系統が25%、BA.3系統は1%未満であった(WHO. COVID-19 Weekly Epidemiological Update, Edition 82, published 8 March 2022)。
  •   BA.2系統の世界的な動向として、GISAIDに登録された検体でのBA.2系統の週別検出割合は経時的に増加した(2022年第4週12%、第5週19%、第6週32%、第7週36%)。BA.2系統の増加は特に南東アジア地域で顕著で、次いで東地中海地域、アフリカ地域、西太平洋地域、ヨーロッパ地域の順で同様の傾向が見られた。一方、アメリカ地域では、BA.2系統の検出割合は低く留まっていた(WHO, COVID-19 Weekly Epidemiological Update, Edition 80, published 22 February 2022)。
  •   BA.2系統に関する主な諸外国の状況として、デンマークでは、ゲノム解析された検体のうちBA.2系統の占める割合が、2%(2021年第50週)から98%(2022年第9週)に増加した(SSI. Genomic overview of SARS-CoV-2 in Denmark. Upldated 7 March 2022. Accessed 12 March 2022)。英国では、2022年1月27日から3月8日にゲノム解析されたのうち95%以上がBA.2系統であり、SGTP検体の占める割合が、52%(2022年2月20日時点)から83%(同年3月6日時点)に増加した(UKHSA. SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England Technical briefing 38. 11 March 2022)。米国では、BA.2系統の週別検出割合の推定値が、0.1%(95%PI 0.1-0.2%、2022年1月9日-1月15日)から11.6%(95%PI 9.8-13.6%、2022年2月27日-3月5日)に増加した(CDC. Variant Proportions. Accessed 12 March 2022)。南アフリカでは、ゲノム解析された検体のうちBA.2系統の占める割合が、38%(852/2,259、2022年1月)から79%(215/271、2022年2月)に増加した(NICD. SARS-COV-2 GENOMIC SURVEILLANCE UPDATE. 4 March 2022)。
  •   少数ではあるが、BA.1系統感染後のBA.2系統への再感染を示唆する報告がなされている  (WHO. Statement on Omicron sublineage BA.2. 22 February 2022)。英国では、ゲノム解析された547,911検体(2021年11月1日-2022年2月21日の採取検体)の解析で、BA.1系統が検出された後、25日以上の検体採取間隔をあけBA.2系統が検出された18例が確認された(UKHSA. SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England Technical briefing 38. 11 March 2022)。デンマークでは、2021年11月21日から2022年2月11日に1,848,466例のSARS-CoV-2感染例が報告され、1,739例が20-60日の検体採取間隔で複数回陽性であった。そのうち、ペアでゲノム解析結果が得られた263例中47例で、BA.1系統が検出された後にBA.2系統が検出された(Stegger M et al.)

 

日本での発生状況

国内では全てオミクロン株に置き換わっている。当初BA.1系統とBA.1.1系統の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1系統が多数を占めるに至り、現在も主流となっている。BA.2系統は、2021年第52週に国内で初めて検出された。国内では2022年第4週から5週間に全国で検出されたオミクロン株のうち、BA.2系統は1%であり、週毎の割合は増加傾向である。また、東京都で実施している変異株PCR検査(後段の検査診断の項を参照のこと)によると、「BA.2系統」疑いの割合は、約12%(2/22-2/28)と報告されている。なお、ゲノム解析の報告遅れがあるので、この数値は暫定値である。また、地域によって各系統が占める割合は異なる可能性がある。

 

ウイルスの性状・臨床像・疫学に関する評価についての知見

  •   感染・伝播性 

国内外でオミクロン株では、これまでの流行株と比べてより短い潜伏期間(中央値2.9日(95%CI 2.6-3.2)(国立感染症研究所. SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告)と発症間隔(中央値2.6日(95%CI 2.2-3.1)(国立感染症研究所. SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の発症間隔の推定:暫定報告)が報告されている。

海外ではBA.2系統に関して2次感染率がBA.1系統に比べて高いこと、短い倍加時間が報告された。これらの所見は、BA.1系統に比べてBA.2系統の感染者数増加における優位性に寄与している可能性がある。国内でもBA.2系統の割合の増加が観察されており、感染者数の増加(減少)速度に影響を与える可能性がある。

  •   国立感染症研究所の分析では、首都圏および関西圏での実効再生産数は2月20日時点でそれぞれ0.95(95%CI 0.94-0.95)と0.93 (95%CI 0.93-0.94)であり、2月に入ってから1をわずかに下回って横ばいが続いている(第75回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料. 2022年3月9日)。
  •   世界保健機関(WHO)は3月3日までにGISAIDに登録されたオミクロン株のBA.1系統に対するBA.2系統の増加率優位は世代時間が同じであるという前提では平均56%(95%CI 42-72%)と算出した(WHO. Weekly epidemiological update on COVID-19, March 08 2022
  •   英国健康安全保障庁(UKHSA)は2022年1月1日から2月14日までにBA.2系統の感染者の濃厚接触者を調査したところ、家庭内での二次感染率は13.6%(95%CI 13.2-14.0%)、家庭外では5.3%(95%CI 4.7-5.8%)であった。これは同時期のBA.1系統の家庭内および家庭外での二次感染率(それぞれ10.7%、4.2%)より高かった。陽性検体のCq中央値を発症日からの日数で比較したところ、とくに早期(0-2日)ではBA.2系統はBA.1系統と同等であった(UKHSA. Technical Briefing 37, 38)。
  •   英国におけるREACT-1研究がアップデートされ、2月8日から21日までの検体のうち系統分類された1,195検体の27.7%(95%CI 25.2-30.4)がBA.2系統であった。BA.1系統およびBA.1.1系統の日ごとの実効再生産数に対してBA.2系統では相対的に0.4倍(95%CI 0.36-0.43)増えて、1.4と算出された。また、陽性検体のCq値を系統ごとに比較したところ、BA.2系統ではBA.1系統およびBA.1.1系統よりも有意に低かった(REACT. The Omicron SARS-CoV-2 epidemic in England during February 2022)。
  •   香港における公営住宅でのBA.2系統のアウトブレイク調査では倍加時間が1.28日(95%CI 0.56-1.94)と算出された。ただし、観察期間が1週間であることに注意が必要である(Cheng et al.)。
  •   カタールでの査読前論文によれば2021年12月23日から2022年2月20日までに報告された156,202例をS遺伝子の検出の可否(後述:検査診断の項を参照)によってBA.1系統(S遺伝子陰性)とBA.2系統(同陽性)に分類して検討したところ、RT-qPCR法における初回の平均Cq値がBA.2系統ではBA.1系統より3.53(95%CI 3.40-3.60)低かった(Qassim et al.)。
  •   GISAIDに2021年11月22日から2022年2月22日までデンマークで集められたSARS-CoV-2ゲノム配列データを用いて数理モデルでの検討に関する査読前論文では、BA.2系統の相対的世代時間はBA.1系統の0.85倍(95%CI 0.84-0.86)であり、有効再生産数は1.26倍(95%CI 1.25-1.26)と算出された(Ito et al.)

 

  •   ワクチン・抗体医薬品の効果への影響や自然感染による免疫からの逃避 

国内外の報告からは、ワクチン2回接種による発症予防効果がデルタ株の感染と比較してBA.1系統への感染では低下するが、3回目接種(ブースター接種)によりBA.1系統感染による発症予防効果が一時的に高まることが示されている。感染予防効果についても、同様のブースター接種による効果が報告されている。ただし、海外の報告では、3回接種後の発症予防効果が数ヶ月で減衰するが、一定程度は保たれることが示唆されている。長期的にどのように推移するかは不明である。

重症化予防効果(入院および死亡予防効果)も、BA.1系統では、2回接種者においてデルタ株と比較して一定程度の低下を認めるものの、発症予防効果の低下の程度と比較すると保たれていることが報告されている。さらに、重症化予防効果も、3回目接種(ブースター接種)により、短中期的には効果が高まることが報告されている。BA.2系統においても、発症予防効果は大きな違いはないとする英国からの報告があり、実験室レベルでのデータもこれを支持している。

オミクロン株においては、SARS-CoV-2に対するモノクローナル抗体を用いた抗体医薬品の効果への影響も懸念されている。国内外のin vitroの評価で、BA.1系統の分離ウイルスに対して、カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ)は中和活性が著しく低下している一方、(ゼビュディ)に対しては中和活性が一定程度維持されていた。BA.2系統の分離ウイルスに対しては、BA.1系統と比較して、カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ)の中和活性は若干高い一方、ソトロビマブ(ゼビュディ)に対しては若干の低下を認めた。BA.2系統のハムスターへの感染実験においては、カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ)、ソトロビマブ(ゼビュディ)により肺におけるウイルス量が低下したという報告がある。ただし、これらの報告はin vitroや動物モデルでの評価であり、解釈に注意が必要であり、臨床的な評価についての知見の蓄積が待たれる。

なお、in vitroの評価では、BA.1系統、BA.2系統いずれに対しても、レムデシビル、モルヌピラビル、ニルマトレビルはいずれも感受性を有していた。

 

第8報までの報告に加えて、以下の知見が新たに報告された。

  •   米国から、検査陰性デザイン(test-negative design; TND)を用いた症例対照研究による、モデルナ社製新型コロナワクチンの感染予防効果および入院予防効果が報告された(Tseng et al.)。SGTFを用いてオミクロン株(BA.1系統と想定される)とデルタ株感染を分類している(本稿では前者のBA.1系統に関する結果のみについて記載)。2回接種から14-90日後の感染予防効果は44.0% (95%CI 35.1-51.6%)、91-180日後は23.5% (95%CI 16.4-30.0%)、181-270日後は13.8% (95%CI 10.2-17.3%)、270日後以降は5.9% (95%CI 0.4-11.0%)であった。3回接種から14-60日後の感染予防効果は71.6% (95%CI 69.7-73.4%)、60日以降の感染予防効果は47.4% (95%CI 40.5-53.5%)であった。ただし、感染予防効果に関して、無症状者における検査受検動機は不明であり、解釈に注意が必要である。入院予防効果については、2回接種後は84.5% (95%CI 23.0-96.9%)、3回接種後は99.2% (95%CI 76.3-100.0%)であった。
  •   国立感染症研究所を含む国内外から、BA.1系統とBA.2系統それぞれにおいて、分離ウイルス等を用いたモノクローナル抗体による中和試験(in vitro評価)の暫定結果が報告されている。BA.1系統においては、カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ)による中和活性が、従来株やオミクロン株以外の変異株に対するものと比較して、著しく低下している一方、ソトロビマブ(ゼビュディ)では中和活性が若干低下したものの、一定程度維持されていた(Takashita et al.)。BA.1系統と比較すると、BA.2系統では、カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ)で若干中和活性が高い一方、ソトロビマブ(ゼビュディ)ではBA.1系統よりも若干中和活性が落ちているという報告が査読済みおよび査読前論文として複数報告されている(Iketani et al., Takashita et al., Ohashi et al., Cao et al.)。一方、BA.1系統、BA.2系統いずれに対しても、GS-441524(レムデシビルの内因性代謝物)、EIDD-1931(モルヌピラビルの活性体)、ニルマトレビルはそれぞれ感受性を有していた。また、動物モデルにおける抗体医薬品の作用を検討した査読前論文があり、BA.2系統に感染させたハムスターに対して、カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ)、ソトロビマブ(ゼビュディ)等をそれぞれ投与したところ、4日後の肺組織中のウイルス量の低下を認めた(Kawaoka et al.)。

 

  •   重症度 

デルタ株と比較してオミクロン株では、総じて重症化リスクの低下が示唆されているが、ワクチン未接種、基礎疾患等の重症化リスク因子を有する場合は、ウイルス性肺炎や基礎疾患の悪化などの要因により、死亡の転帰をとり得る。ただし、国内の重症例および死亡例は高齢者が多く、高齢者において感染者が大幅に増加することで相対的な重症化リスクの低下分が相殺される可能性に注意する必要がある。また、重症化や死亡の転機を確認するには時間がかかることを踏まえた知見の集積が必要である。さらに、小児での評価についても知見の集積が必要である。BA.2系統について、重症化・死亡のリスクが増加するという報告はないが、引き続き知見の集積が必要である。

  •   国立感染症研究所の分析において、2022年3月2日までに重症例(n=308)ないし死亡例(n=682)としてHER-SYSに報告された症例を検討したところ、重症例では中央値73歳、死亡例では中央値85歳であり、年齢中央値は死亡例の方が高かった。症状として最も多く登録されているのは発熱(重症例:70.1%、死亡例:58.1%)であったが、急性呼吸促迫症候群も重症例の6.2%、死亡例の2.2%で報告されていた(第75回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料. 2022年3月9日)。
  •   広島県で2022年1月1~31日に県が公表したCOVID-19による重症病床入院例(以下、重症登録例という)および死因にかかわらず新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染していた死亡例(以下、死亡登録例という)についての実地疫学調査が行われた。対象期間内の重症登録例は27例、死亡登録例は42例(計69例)であった。これら69例のうち、デルタ株またはL452R変異陽性例3例を除外すると重症登録例25例、死亡登録例41例であった。重症登録例のうち24例について診療録調査が実施でき「新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第6.2版」の重症度に基づき分類すると、重症例9例と、中等症例/軽症例15例であった。重症例9例全症例に基礎疾患や既知の重症化リスク因子があった。そのうち3例はCOVID-19による重症肺炎で、全員がワクチン未接種であった。死亡登録例41例のうち、病院以外死亡例は8例、病院死亡例は33例であった。病院死亡例33例のうち診療録調査が実施出来たのは11例であった。11例の推定感染場所は、病院・施設8例(73%)、不明3例(27%)であった。集中治療からの死亡例はおらず、全例の診療録において、本人もしくは家族が侵襲的な治療を希望されなかった旨の記載があった。(国立感染症研究所.広島県における新型コロナウイルス感染症の重症例・死亡例に関する実地疫学調査、2022年1月)。
  •   UKHSAはBA.2系統における入院のが0.91(95%CI 0.85-0.98)とBA.1系統より少なくとも同等以下のハザードであるという初期報告を行った (UKHSA. Technical Briefing 37, 38)
  •   デンマークでの2022年1月2日までに報告された55,273例のうち全ゲノム解析によって分類された18,760例(うちBA.1系統 16,137例)において、入院に対するBA.2系統の相対危険度は1.2(95%CI 0.9-1.5)であり、死亡の頻度もBA.1系統と変わらなかった(p=0.42)(Fonager et al.)。
  •   南アフリカにおける査読前のデータリンケージ研究では、2021年12月1日から2022年1月20日までに報告された95,470例をSGTFの結果によってBA.1系統とBA.2系統に分類し、BA.2系統の入院オッズを年齢、性別、基礎疾患や既感染の有無などで調整して算出した結果、BA.1系統の0.96倍(95%CI 0.85-1.09)であった(Wolter et al.)。

オミクロン株の病原性についての実験科学的な知見については、BA.1系統ウイルスとマウスおよびハムスターを用いた動物モデルおよびex vivoでの評価に関する論文報告がある。いずれも、オミクロン株のBA.1系統では従来株に比べて肺組織への感染性と病原性が低下していることを示唆している。ただし、これらの報告はあくまで動物モデルや細胞・組織レベルでの評価であり、ヒトに対するオミクロン株病原性とは必ずしも相関しない可能性があることに注意する必要がある。また、BA.2系統ウイルスの病原性に関する実験科学的な知見については、臨床検体から分離されたウイルス株を用いた解析 (Kawaoka et al.) と、従来株のウイルスにBA.2系統のスパイクタンパク質のみを組換えたキメラウイルスを用いた解析 (Yamasoba et al.) が報告されている。前者ではBA.2系統の病原性はBA.1系統と同程度であったが、後者ではBA.2系統のスパイクタンパク質を持つキメラウイルスの方がBA.1系統のスパイクタンパク質を持つキメラウイルスよりも高い病原性を示しており、実験系により相反する結果が報告されている。前者の結果については、分離ウイルス1株で得られた結果でありBA.2系統のウイルス全体の性質を反映しているのかについては、慎重な判断が必要である。また、後者の結果についても、スパイクタンパク質の性質のみを評価した実験の結果であり、BA.2系統のウイルスそのものの性質を反映しているのかについては、慎重な判断が必要となる。いずれの実験系についても更なる知見の集積が望まれる。

  •   国立感染症研究所と国立国際医療研究センターが実施した積極的疫学調査において、オミクロン株感染者のウイルス学的特徴と血清学的特徴本調査では、2021年11月29日から2022年1月13日までに調査協力医療機関に入院し診療を行い、ゲノム解析により感染ウイルスがオミクロン株と確定した者を対象症例とした。登録された126症例の呼吸器検体662検体、血液検体190検体を用いてウイルス学的検査および血清学的検査を実施した。その結果、オミクロン株感染者の呼吸器検体における感染性ウイルス検出率はワクチン接種者とワクチン未接種者ともに診断もしくは発症後5日目から10日目にかけて低下していくこと、ワクチン接種者とワクチン未接種者ともに診断もしくは発症10日目以降は感染性ウイルスがほとんど検出されなくなることが示唆された。これらの結果は、積極的疫学調査第1~3報と同様であった。また、オミクロン株感染者の血清学的特徴として、ワクチン未接種者では感染後にオミクロン株に特異的な中和抗体のみが誘導されるのに対して、ワクチン接種者では感染後に従来株とオミクロン株の双方に中和能を有する交差中和抗体が誘導される傾向があることが示唆された。なお、本調査では、ワクチンの有効性やワクチン接種後感染の発生割合については評価していない(国立感染症研究所. SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査(第6報): ウイルス学的・血清学的特徴)。
  •   従来株のウイルスにBA.1型またはBA.2型のスパイクタンパク質のみを組換えたキメラウイルスについて、ハムスターを用いて病原性を評価した結果、BA.2型では体重減少や呼吸機能の悪化が見られた一方で、BA.1型では臨床症状の変化はわずかであった。また、組織病理学的に評価した肺胞傷害や気管支炎・細気管支炎などの重症度スコアも、BA.1型よりBA.2型の方が高かった。肺におけるウイルスコピー数はBA.2型の方がBA.1型より高く、BA.2型感染後の方がウイルス抗原陽性細胞は広く肺内に分布していた。以上の結果より,BA.2型のスパイクタンパク質は、BA.1型と比較して強い病原性やウイルス複製能の獲得に関与する可能性が示唆された(Yamasoba et al.)

 

  •   検査診断
  •   オミクロン株は国内で現在使用されているSARS-CoV-2 PCR診断キットでは検出可能と考えられる。国立感染症研究所の病原体検出マニュアルに記載のPCR検査法のプライマー部分に変異は無く、検出感度の低下はないと想定される。
  •   WHOテクニカルブリーフでは、抗原定性検査キットの診断精度については、オミクロン株による影響を受けない可能性が示唆されている(WHO. Enhancing Readiness for Omicron (B.1.1.529): Technical Brief and PriorityActions for Member States)
  •   国内では、PCR検査によるL452R陰性をオミクロン株のスクリーニング方法として用いているが、BA.2系統BA.1系統と同様にL452R陰性となる。BA.1系統(BA.1.1を含む)はスパイクタンパク質の一部が欠失(S:Δ69-70)しているため、一部の国ではThermo Fisher社製PCR検査において、S遺伝子のPCRが陰性となるSGTF(S gene target failure)を一つの指標にしてデルタ株とオミクロン株を判別している。一方、BA.2系統はデルタ株と同様に当該欠失(S:Δ69-70)がないことからS遺伝子のPCRは陽性のSGTP(S gene target positive)となり、デルタ株との判別に用いることはできない
  •   WHO の指定するオミクロン株(B.1.1.529系統の変異株)と確定するためには全ゲノム情報による塩基変異の全体像を知ることが不可欠である。国立感染症研究所では、全ゲノム解析によりゲノム全長を解読し、得られた配列(contig 配列)を用いてNextclade およびPANGOLIN プログラムにて解析し、クレード(clade)及びPANGO 系統(lineage)の両方が適正に判定された場合に最終判定に資する対象としている。ごく稀に、大きな欠失が生じ、PANGO 系統の結果が得られてもクレードが検出できない場合がある。この場合、解読リード深度(read depth)が300 倍以上かつゲノム被覆率(coverage)が98%以上である、または、de novo アセンブリにて完全(complete)なcontig 配列が得られていれば、結果が得られたPANGO 系統を確定としている(厚生労働省. 2021年2月5日事務連絡. 新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査におけるゲノム解析及び変異株PCR 検査について)。
  •   オミクロン株BA.1系統とBA.2系統で異なるアミノ酸を標的とした変異PCR検出系を利用する事で、これらの系統を識別する事が可能である。国立感染症研究所ではスパイクタンパク質の547番目のアミノ酸変異に伴う塩基配列の違いにより、オミクロン株BA.1系統(T547K変異あり)とBA.2系統(T547、変異なし)を識別するリアルタイムRT-PCR法を利用した変異PCR検出系を構築した。感度、特異度を確認したプライマー、プローブ配列については、Japanese Journal of Infectious Diseases (Takemae N, et al. https://doi.org/10.7883/yoken.JJID.2022.007)を参照。また東京都では、オミクロン株の主な変異であるE484A変異を識別可能なE484A変異PCR検出系とともに、オミクロン株のBA.1系統にはあるがBA.2系統にはないins214EPE (スパイク蛋白の214番目と215番目のアミノ酸の間にある3つのアミノ酸(EPE))の有無を確認する変異PCR検出系を導入し、BA.2系統の発生状況についてモニタリングを行っている。
  • ワクチン2回接種率を高いレベルで達成している地域においてもオミクロン株による急激な市中感染拡大を認めていること、3回目接種(ブースター接種)によりオミクロン株に対する発症ならびに入院予防効果の回復が期待されることから、早期の3回目接種(ブースター接種)を検討することが望ましい。また、重症化予防のためワクチン未接種者については、引き続き接種機会を確保していくことが重要である。
  •   高齢者施設でのクラスターの中から重症・死亡例が発生しており、オミクロン株は、潜伏期間がデルタ株よりも短縮しており、発症間隔が早まっており、倍加時間も短縮している。オミクロン株が流行している地域では、感染者数の急増に伴い、検査、疫学調査、濃厚接触者ならびに特に軽症の感染者への対応と医療提供体制等について地域の流行状況に合わせた柔軟な対応が必要である。感染者数の大幅な増加に伴う重症化リスクの高い集団での感染拡大の可能性を考慮し、中等症・重症者の増加に備えた医療提供体制の構築を引き続き強化していくことが望まれる。重症度等の知見を集積・監視するために、等については、可能な限り全例に対してL452R 変異株 PCR 検査、又はゲノム解析を実施する
  •   ゲノムサーベイランスを通じて、新たな変異株の発生、変異株全体の発生動向についても引き続き監視していく必要がある。全ゲノム解析された検体の中での割合が増加しているゲノムサーベイランスを通じて引き続き発生動向を監視しつつ、ワクチン効果、抗ウイルス薬/抗体医薬の効果への影響も注視する

 

基本的な感染対策の推奨

 個人の基本的な感染予防策としては、変異株であっても、従来と同様に、3密の回避、適切なマスクの着用、手洗い、換気などの徹底が推奨される。

 

参考文献

https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/10969-covid19-72.html

注意事項

  •         迅速な情報共有を目的とした資料であり、内容や見解は情勢の変化によって変わる可能性がある。

 

更新履歴

第9報 2022/3/16 9:00時点

第8報 2022/2/16 9:00時点(2022/3/18 一部修正)

第7報 2022/1/26 9:00時点

第6報 2022/1/13 9:00時点(2022/1/14, 1/20, 1/25 一部修正)

第5報 2021/12/28 9:30時点(2021/12/31 一部修正)

第4報 2021/12/15 19:00時点

第3報 2021/12/8

第2報 2021/11/28 

第1報 2021/11/26

 

 

 

 

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広島県における新型コロナウイルス感染症の重症例・死亡例に関する実地疫学調査、2022年1月

(速報掲載日 2022/3/16) (IASR Vol. 43 p95-97: 2022年4月号)
 

 広島県では2021年12月末より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)症例が増加し、2022年1月下旬に1週間の新規症例報告者数が人口10万当たり300を超えた。さらに、重症例・死亡例の報告数も増加した。また、それまでの流行株であるB.1.617.2系統の変異株(デルタ株)からB.1.1.529系統の変異株(オミクロン株)への急速な置き換わりも確認され、1月4日時点では、県内で実施されたL452R変異判定PCR検査におけるL452(L452R変異陰性)と判定された検体の割合は、約8割であった。本調査は、オミクロン株流行にともなう広島県のCOVID-19重症例・死亡例の全体像を把握することを目的に実施した。

掲載日:2022年3月16日

第76回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年3月15日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第76回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版(準備中)

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.87となり、直近の1週間では10万人あたり約296と減少が継続している。年代別の新規感染者数は全ての年代で減少が継続している。

まん延防止等重点措置が適用されている18都道府県のうち14都道府県で今週先週比が1以下となり、新規感染者数は減少が継続している。一方、今月6日の期限をもって重点措置区域の適用が解除された13県のうち、福島県、新潟県、長野県、広島県及び宮崎県で今週先週比が1以上となっている。

全国の新規感染者数減少の動きに伴い、療養者数、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。

実効再生産数:
全国的には、直近(2/27)で0.97と1を下回る水準となっており、首都圏では0.97、関西圏では0.94となっている。

令和4年3月14日
国立感染症研究所
国立国際医療研究センター 国際感染症センター

【要旨】

2021年11月末以降、感染・伝播性や抗原性が従来株から大きく変化した変異株であるオミクロン株が出現し、我が国を含む全世界で主流となっている。オミクロン株感染者(オミクロン株症例)のウイルス学的特徴と血清学的特徴を迅速に把握することを目的に、感染症法第15条第2項の規定に基づき積極的疫学調査を実施した。本調査では、2021年11月29日から2022年1月13日までに本積極的疫学調査協力医療機関に入院し診療を行い、ゲノム解析により感染ウイルスがオミクロン株と確定した者を対象症例とした。登録された126症例(ワクチン接種者:63症例*、ワクチン未接種者:61症例)の年齢中央値は31歳(四分位範囲18-47歳)、退院までの全経過における重症度は、無症状が27例(21.4%)、軽症が92例(73.0%)、中等症Ⅰが6例(4.8%)、中等症Ⅱが1例(0.8%)であった。対象症例から得られた呼吸器検体662検体、血液検体190検体を用いてウイルス学的検査および血清学的検査を実施した。その結果、オミクロン株症例の呼吸器検体における感染性ウイルス検出率は、ワクチン接種者とワクチン未接種者ともに診断もしくは発症後5日目から10日目にかけて低下し、10日目以降は感染性ウイルスがほとんど検出されなくなることが示唆された。また、オミクロン株症例の血清学的特徴として、ワクチン未接種者では感染後にオミクロン株に特異的な中和抗体が誘導されるのに対して、ワクチン接種者では感染後に従来株とオミクロン株の双方に中和能を有する交差中和抗体が誘導される傾向があることが示唆された。なお、本調査では、ワクチンの有効性やワクチン接種後感染の発生割合については評価していない。

*定義された規定接種回数を終了していない1症例、接種ワクチンが不明な1症例の計2症例はワクチン接種者の記述、解析からは除外した

 

SARS-CoV-2 オミクロン株感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査(第6報):ウイルス学的・血清学的特徴

掲載日:2022年3月10日

第75回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年3月9日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第75回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版(準備中)

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.90となり、直近の1週間では10万人あたり約329人と減少が継続している。年代別の新規感染者数は全ての年代で減少が継続している。

まん延防止等重点措置が適用されている18都道府県のうち15都道府県で今週先週比が1以下となり、新規感染者数は減少が継続している。一方、今月6日の期限をもって重点措置区域の適用が解除された13県のうち、福島県、高知県、佐賀県及び宮崎県で今週先週比が1以上となっている。

全国の新規感染者数減少の動きに伴い療養者数は減少するとともに、重症者数及び死亡者数は減少傾向となっている。

実効再生産数:
全国的には、直近(2/20)で0.95と1を下回る水準となっており、首都圏では0.95、関西圏では0.93となっている。

掲載日:2022年3月3日

第74回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年3月2日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第74回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版(準備中)

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.84となり、直近の1週間では10万人あたり約364人と減少が継続している。年代別の新規感染者数は全ての年代で減少傾向となっている。

まん延防止等重点措置が適用されている31都道府県のうち30都道府県で今週先週比が1以下となり、新規感染者数は減少が継続している。一方、重点措置区域の適用が解除された5県のうち、島根県、大分県及び沖縄県で今週先週比が1を上回っている。

全国の新規感染者数減少の動きに伴い療養者数も減少しているが、重症者数及び死亡者数は高止まりしている。

実効再生産数:
全国的には、直近(2/13)で0.97と1を下回る水準となっており、首都圏、関西圏ではいずれも0.96となっている。

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新型コロナウイルス感染症陽性者宿泊療養施設職員におけるオミクロン株感染

(速報掲載日 2022/2/25) (IASR Vol. 43 p72-74: 2022年3月号)
 

 2021年12月に関西国際空港の陽性者用宿泊療養施設(ホテルX)に勤務する職員(症例B)が嘔吐下痢を呈し(発症日をDay0とする)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と診断され、L452R変異株PCRで陰性を示すことが確認された。部分的に実施できたゲノム解析では B.1.1.529 系統(オミクロン株)が疑われた。当時、オミクロン株は、検疫で輸入例として確認されていたが、国内での感染事例はほとんど確認されていない状況であった1)。ホテルXには、12月に入りオミクロン株陽性症例が複数入所しており、Day-3(症例Bが発症する3日前)に米国からの入国者(症例A)が、Day0に米国からの入国者(症例D)が、Day3には英国からの入国者(症例E)が入所していた。本事例に対し、国内外でオミクロン株の感染経路に関する情報が乏しかったため、感染源や感染経路を検討した。

掲載日:2022年2月25日

第73回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年2月24日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第73回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版(準備中)

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.93となり、直近の1週間では10万人あたり約426人と減少の動きが見られるものの、減少速度は鈍化している。年代別の新規感染者数については、おおむね全ての年代で減少傾向となっているが、10歳未満と80代以上では横ばいで推移している。

まん延防止等重点措置が適用されている31都道府県のうち27都道府県で今週先週比が1以下となり、新規感染者数は減少傾向が継続している。しかし、一部の地域では80代以上の増加が続いていることに注意が必要。

重点措置区域の適用が解除された5県のうち、山形県及び沖縄県では今週先週比が1を上回っている。

全国の新規感染者数減少の動きに伴い療養者数も減少しているが、重症者数は高止まりし、死亡者数の増加は継続している。

実効再生産数:
全国的には、直近(2/6)で0.96と1を下回る水準となっており、首都圏では0.96、関西圏では0.95となっている。

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新型コロナウイルス感染症の変異株別, 濃厚接触者基本属性別, 接触場所別二次感染率

(IASR Vol. 43 p42-43: 2022年2月号)

 
はじめに

 本解析の目的は, これまで収集された積極的疫学調査情報を集約し, 濃厚接触者の基本情報と接触場所から変異株の感染性や感染者の特徴を明らかにすることである。これまでに積極的疫学調査情報を基にした二次感染率を報告1, 2)してきたが, 今回は, 特に感染伝播性が高いL452R変異を有するデルタ株と呼ばれる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異株(L452R変異株)の二次感染率を従来株やN501Y変異株と比較検討した。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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