Evaluation of antigenic differences between wild and Sabin vaccine strains of poliovirus using the pseudovirus neutralization test.
Minetaro Arita and Masae Iwai-Itamochi
Scientific reports, 9:11970, 2019
小児麻痺(ポリオ)流行に対する日本における集団免疫を評価・維持するために、ポリオウイルスに対する中和抗体の保有率調査が行われてきました。しかし、近年、2型ポリオウイルスの管理基準が厳格になり、中和抗体価測定試験におけるウイルスの使用が制限され、試験を継続するための方法論が模索されています。
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Poliovirus evolution toward independence from the phosphatidylinositol-4 kinase IIIβ/ oxysterol-binding protein family I pathway.
Minetaro Arita, and Joëlle Bigay
ACS Infectious Diseases, 5: 962-973, 2019
PI4KB/OSBP経路は、ポリオウイルスを含む多くのウイルスの複製に利用されており、ウイルスの複製に必須な宿主経路の一つであると考えられています。今回、国立感染症研究所ウイルス第二部とフランスのコート・ダジュール大学との共同研究により、PI4KB/OSBP経路に依存しないポリオウイルス変異株を分離しました。
続きを読む: 宿主のホスファチジルイノシトール-4-キナーゼβ(PI4KB)/ オキシステロール結合タンパク(OSBP)ファミリーI経路から独立するポリオウイルスの進化
Tracking and clarifying differential traits of classical- and atypical L-type bovine spongiform encephalopathy prions after transmission from cattle to cynomolgus monkeys.
Hagiwara K, Sato Y, Yamakawa Y, Hara H, Tobiume M, Okemoto-Nakamura Y, Sata T, Horiuchi M, Shibata H, and Ono F.
PLoS One, 14(5): e0216807, 2019
ウシ海綿状脳症(BSE)病原体のプリオンには、classical型(C型)と非定型タイプ(L型、H型)があります。C型プリオンが混入した餌が原因となって英国では多くの牛がBSEにかかり、さらに感染牛の神経などに蓄積したC型プリオンを食べた人の中に変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が発生しました。一方、L型やH型プリオンが人へ感染したという報告はこれまでありませんが、L型プリオンはヒト・モデルとしてのカニクイザルに感染します。
続きを読む: Classical型と非定型L型ウシ海綿状脳症プリオンを牛からカニクイザルへ伝播させた後の、両プリオンの相異なる性状の追跡と解析
Photocontrollable mononegaviruses.
Maino Tahara, Yuto Takishima, Shohei Miyamoto, Yuichiro Nakatsu, Kenji Someya, Moritoshi Sato, Kenzaburo Tani, Makoto Takeda.
Proc Natl Acad Sci USA (May 28, 2019)
再生医療、癌治療、そして遺伝子治療などの分野においてウイルスベクターは、不可欠な役割を果たしている。ウイルスベクターの性能の一つとして期待されつつも困難とされてきた技術の一つが、ウイルスベクターの遺伝子発現や増殖を意のままに操ることである。この技術があれば、不要になったウイルスベクターを簡単に取り除くことができる。また必要な場所、必要な時にだけ増殖させることができ、利便性や安全性が飛躍的に向上する。