国立感染症研究所

N-terminal PreS1 Sequence Regulates Efficient Infection of Cell Culture-generated Hepatitis B Virus.

Asako Murayama, Norie Yamada, Yoshiki Osaki, Masaaki Shiina, Hussein Hassan Aly, Masashi Iwamoto, Senko Tsukuda, Koichi Watashi, Mami Matsuda, Ryosuke Suzuki, Tomohisa Tanaka, Kohji Moriishi, Tetsuro Suzuki, Hironori Nishitsuji, Masaya Sugiyama, Masashi Mizokami, Kunitada Shimotohno, Takaji Wakita, Masamichi Muramatsu, T Jake Liang, Takanobu Kato.

Hepatology published online May.23.2020 (doi:10.1002/hep.31308).

 

vir 2020 02B型肝炎ウイルス(HBV)の効率的な細胞培養系は、ウイルスの特性や抗ウイルス薬の研究に必須である。現在、培養細胞でHBV感染を観察するには、HepG2.2.15またはHepAD-38といったHBVゲノムが組み込まれた細胞株から産生されたウイルスが一般的に使用されているが、いずれも遺伝子型Dのウイルス株由来であり、遺伝子型によるウイルスの特性の違いや抗ウイルス薬に対する耐性変異の評価には適していない。一方で、HBV発現プラスミドの一過性導入によって得られたHBVは、培養細胞での感染効率が低い。

Comparative characterization of flavivirus production in two cell lines: Human hepatoma-derived Huh7.5.1-8 and African green monkey kidney-derived Vero.

Kyoko Saito, Masayoshi Fukasawa, Yoshitaka Shirasago, Ryosuke Suzuki, Naoki Osada, Toshiyuki Yamaji, Takaji Wakita, Eiji Konishi, Kentaro Hanada

PLOS ONE 15(4): e0232274.

 

vir 2020 02未知のウイルスを分離したり、増やしたりする上で、培養細胞は欠かせない存在です。様々なウイルスの増殖性が高く、研究・ウイルスワクチン生産に汎用されている細胞として、アフリカミドリザル腎由来Vero細胞が知られています。一方、私たちはこれまでに、C型肝炎ウイルスの増殖性が高い、ヒト肝がん由来Huh7.5.1-8細胞を樹立しました(Shirasago et al. Jpn J Infect Dis. 68(2):81, 2015)。

High expression of JC polyomavirus-encoded microRNAs in progressive multifocal leukoencephalopathy tissues and its repressive role in virus replication.

Kenta Takahashi, Yuko Sato, Tsuyoshi Sekizuka, Makoto Kuroda, Tadaki Suzuki, Hideki Hasegawa, Harutaka Katano

PLOS Pathogens 16(4): e1008523.

 

vir 2020 02マイクロRNAは生物ゲノムにコードされる20塩基ほどの短いRNAで、他の遺伝子の発現を調節する働きをしている。本研究では、ウイルス由来のマイクロRNAを検出するin situ hybridizationの技術を確立し、進行性多巣性白質脳症とBKウイルス関連腎症の組織標本上で、ポリオーマウイルス由来のマイクロRNAが感染細胞の核に発現することを示した。

Activation of PERK-ATF4-CHOP pathway as a novel therapeutic approach for efficient elimination of HTLV-1–infected cells.

Emi Ikebe, Sahoko Matsuoka, Kenta Tezuka, Madoka Kuramitsu, Kazu Okuma, Makoto Nakashima, Seiichiro Kobayashi, Junya Makiyama, Makoto Yamagishi, Seiichi Oyadomari, Kaoru Uchimaru, Isao Hamaguchi

Blood Adv. 4(9):1845-1858. (2020)

 

vir 2020 02ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染者(キャリア)の一部が発症する成人T細胞白血病(ATL)は、既存の化学療法には抵抗性を示すことが多いため、作用機序の異なる新規薬剤の開発が望まれている。

The Transcriptional Cofactor VGLL1 Drives Transcription of Human Papillomavirus Early Genes via TEAD1.

Mori S, Takeuchi T, Ishii Y, Kukimoto I

J Virol. 2020, 94: e01945-19.

 

vir 2020 02ヒトパピローマウイルス(HPV)はヒトの上皮細胞に感染し、子宮頸がんの原因となる。HPVの初期プロモーターからは、ウイルスのがん蛋白質であるE6、E7などをコードする初期遺伝子が転写されるが、その調節機構には不明な点が多い。

genome 2020 1国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センター

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SARS-CoV-2のゲノム上にランダムに発生する変異箇所の足跡をトレースすることにより、感染リンクの過去を遡り積極的疫学調査を支援している。中国発の第1波においては地域固有の感染クラスターが乱立して発生し、“中国、湖北省、武漢” をキーワードに蓋然性の高い感染者を特定し、濃厚接触者をいち早く探知して抑え込むことができたと推測される。しかしながら、緻密な疫学調査により収束へと導くことができていた矢先、3月中旬から全国各地で “感染リンク不明” の孤発例が同時多発で検出されはじめた。このSARS-CoV-2 ハプロタイプ・ネットワーク図が示すように、渡航自粛が始まる3月中旬までに海外からの帰国者経由(海外旅行者、海外在留邦人)で “第2波” の流入を許し、数週間のうちに全国各地へ伝播して “渡航歴なし・リンク不明” の患者・無症状病原体保有者が増加したと推測される。この海外旅行者を契機とした同時多発と3月中旬以降の行動制限への理解が不十分だったことを鑑みても、由来元が不明な新型コロナウイルスが密かに国内を侵食し、現在の感染拡大へ繋がったと考えられる。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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