Occludin-Knockout Human Hepatic Huh7.5.1–8-Derived Cells Are Completely Resistant to Hepatitis C Virus Infection.

Shirasago, Y., Shimizu, Y., Tanida, I., Suzuki, T., Suzuki, R., Sugiyama, K., Wakita, T., Hanada, K., Yagi, K., Kondoh, M., Fukasawa, M.

Biol. Pharm. Bull., 2016, 39:839-848.

細胞接着に関与する細胞膜タンパク質オクルディン(Occludin)は、C型肝炎ウイルス(HCV)の細胞への侵入過程に関わる宿主細胞因子の一つとして知られています。しかし、肝細胞でのHCV感染にオクルディン分子が必須であるかは、最終的な結論が出ていませんでした。そこで私たちは、ヒト肝臓がん由来株化細胞Huh7.5.1-8からゲノム編集技術(CRISPR/Cas9システム)を用いてオクルディン遺伝子を破壊したオクルディン欠失細胞(OKH-4株と命名)を樹立し、検討を行いました。

immunology 2016 1Broadening of Virus-Specific CD8+ T-Cell Responses Is Indicative of Residual Viral Replication in Aviremic SIV Controllers

Nomura T, Yamamoto H, Ishii H, Akari H, K. Naruse T, Kimura A, Matano T.

PLoS Pathogens, Published on November 4th, 2015 (doi:10.1371/journal.ppat.1005247)PLoS Pathogens, Published on November 4th, 2015 (doi:10.1371/journal.ppat.1005247)

本研究室ではSIV感染サルエイズモデルによるCTLの解析を行い、HIV複製制御機序の解明ならびに予防エイズワクチン開発を目指している。

immunology 2016 1Whole-virion influenza vaccine recalls an early burst of high-affinity memory B cell response through TLR signaling

Taishi Onodera, Akira Hosono, Takato Odagiri, Masato Tashiro, Shuichi Kaminogawa, Yoshinobu Okuno, Tomohiro Kurosaki, Manabu Ato, Kazuo Kobayashi, and Yoshimasa Takahashi

Journal of Immunology, published online 6 April, 2016 (doi: 10.4049/jimmunol.1600046)

不活化インフルエンザワクチンは、全粒子とスプリットの2種類の剤形があるものの、ブースト効果に与える影響は不明である。今回我々は、全粒子ワクチンがスプリットワクチンで認められないT細胞非依存的メモリー抗体応答を速やかにブーストすることを発見した。

Mechanism of Poliovirus Resistance to Host Phosphatidylinositol-4 Kinase III beta Inhibitor

Arita M.

ACS Infectious Diseases, 2: 140-148, 2016

ホスファチジルイノシトール-4-キナーゼβ(PI4KB)は、抗ウイルス薬および抗マラリア薬候補化合物の主要な標的であることが近年明らかにされてきた。PI4KB阻害剤に対するマラリアの耐性は、マラリア原虫自身のPI4KB遺伝子のコピー増幅もしくは点変異で生じることが示されているが、宿主のPI4KB活性に依存するウイルスの耐性獲得メカニズムは不明であった。

immunology 2015 2Relationship of the Quaternary Structure of Human Secretory IgA to Neutralization of Influenza Virus

Suzuki T, Kawaguchi A, Ainai A, Tamura S, Ito R, Multihartina P, Setiawaty V, Pangesti KN, Odagiri T, Tashiro M, Hasegawa H.

Proc Natl Acad Sci U S A. 2015 Jun 23;112(25):7809-14.

 生体内において最も産生量の多い抗体であるIgA抗体は分泌型IgA抗体としてインフルエンザ等の粘膜組織を標的とした感染症に対する生体防御の最前線を担っており、現在、世界中で分泌型IgA抗体の誘導を目指した経鼻投与型粘膜ワクチンの開発が進んでいる。分泌型IgA抗体は血液中に存在するIgG抗体とは異なり多量体を形成している。その多くは二量体であることが広く知られているが、微量ながら二量体よりも大きな多量体を形成した分泌型IgA抗体が存在する事が半世紀ほど前から知られていた。しかしながら、これらの二量体よりも大きな多量体の分泌型IgA抗体の四次構造と生体内における役割については全く明らかにされていなかった。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan