Incidence of human T-lymphotropic virus 1 infection in adolescent and adult blood donors in Japan: a nationwide retrospective cohort analysis.
Satake M, Iwanaga M, Sagara Y, Watanabe T, Okuma K, Hamaguchi I.
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染は母乳により感染することは広く知られているが、青年及び成人におけるHTLV-1の感染については詳しいデータがなかった。そこでAMED研究班により、日本赤十字社のデータベースを基に、HTLV-1抗体検査で過去に陰性だった献血者で、その後陽性に転じた者の割合(水平感染の割合)を後方視的コホート手法で解析し、日本全国の人口動態に外挿したところ、年間あたり4,190人(男性975人、女性3,215人)が新たにウイルスに感染していると推定された。水平感染の割合は男性よりも女性が有意に高かった。
Dengue Sentinel Traveler Surveillance: Monthly and Yearly Notification Trends among Japanese Travelers, 2006–2014.
Fukusumi M, Arashiro T, Arima Y, Matsui T, Shimada T, Kinoshita H, Arashiro A, Takasaki T, Sunagawa T, Oishi K.
PLoS Negl Trop Dis 10(8): e0004924. 2016.
デング熱は、感染症発生動向調査により、4類感染症として診断後直ちに届け出ることが義務付けられている。近年、輸入デング熱報告数は増加しており、また2014年には国内感染例も認めた。今回、輸入デング熱報告数を現状把握やリスク評価、根拠に基づく意思決定に用いるための手法を検討した。
続きを読む: デングセンチネル渡航者サーベイランス:日本人渡航者における輸入デング熱症例の月別・年別報告推移, 2006-2014
Association of lymph-node antigens with lower Gag-specific central-memory and higher Env-specific effector-memory CD8+ T-cell frequencies in a macaque AIDS model
Ishii H, Matsuoka S, Nomura T, Nakamura M, Shiino T, Sato Y, Iwata-Yoshikawa N, Hasegawa H, Mizuta K, Sakawaki H, Miura T, Koyanagi Y, Naruse TK, Kimura A, Matano T
HIV感染では、CD8陽性T細胞応答は主に末梢血由来リンパ球において解析されており、ウイルス増殖の主要な場であるリンパ節における解析はあまり進んでいない。本研究では、SIV(サル免疫不全ウイルス)感染サルエイズモデルを用いて、リンパ節におけるCD8陽性T細胞応答を網羅的に解析した。
続きを読む: リンパ節におけるSIV抗原量はGag特異的セントラルメモリーCD8陽性T細胞レベルと負の相関を示すがEnv特異的エフェクターメモリーCD8陽性T細胞レベルとは正の相関を示す
Completion of the Entire Hepatitis C Virus Life Cycle in Vero Cells Derived from Monkey Kidney
Murayama A, Sugiyama N, Wakita T, Kato T.
HCVは慢性肝炎の原因ウイルスであり、世界中に多くの感染者が存在する。治療法の開発は進んでいるがワクチンの開発も望まれており、不活化HCV粒子が効果的なワクチンとなることがマウスの実験で示されている。しかし、HCV培養系は、肝癌由来のHuH-7細胞を使用しているため、ワクチン製造には適していない。そこで、様々なワクチン製造で使用されているVero細胞を用いたHCV培養系の樹立を試みた。
Bivalent vaccine platform based on Japanese encephalitis virus (JEV) elicits neutralizing antibodies against JEV and hepatitis C virus
Saga R, Fujimoto A, Watanabe N, Matsuda M, Hasegawa M, Watashi K, Aizaki H, Nakamura N, Tajima S, Takasaki T, Konishi E, Kato T, Kohara M, Takeyama H, Wakita T, Suzuki R.
Scientific Reports, 6: 28688, srep28688, 2016.
C型肝炎ウイルス(HCV)感染に対する新たな治療薬の開発は高い治癒率を達成しているが、予防ワクチンの開発は未だ途上である。本研究では、ワクチン開発の代表的な成功例としてその有効性と安全性のみならず、生産手段も確立されている日本脳炎ウイルス(JEV)の特徴を利用し、JEV粒子表面上に異なる遺伝子型間で保存されているHCV中和エピトープを挿入した抗原を作製した。