コロナウイルスとは

  2021年09月30日改訂 ヒトに感染するコロナウイルス ヒトに感染するコロナウイルスは、風邪の病原体として人類に広く蔓延している4種類と...

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SARS(重症急性呼吸器症候群)とは

(IDWR 2005年第6号)  中国南部の広東省を起源とした重症な非定型性肺炎の世界的規模の集団発生が、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS: severe acut...

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SARS、MERS、COVID-19を含むコロナウイルス感染症に関する記事がWebサイト全体から集められて表示されます。

 


迅速簡易検出法(イムノクロマト法)による血中抗SARS-CoV-2抗体の評価

令和2年4月1日
国立感染症研究所

 

2020年3月現在、COVID-19 のウイルス学的診断には主に遺伝子増幅法によるSARS-CoV-2の遺伝子検出が行われているが、それに加えて血清中のウイルス特異的抗体を検出するイムノクロマト法や酵素抗体法(ELISA)を利用した血清学的診断法が検討されている。一般的な急性ウイルス感染症の場合、血中の抗体は、発症後1週間ほど経過した後に誘導される。そのため血清学的診断では、疾患の急性期および回復期の血中抗体価を測定し、抗体の推移を比較する必要がある。よって、発症後速やかに検査を実施し診断する必要がある急性ウイルス感染症の診断法に血清中の特異抗体検出法を取り入れることは比較的難しい。しかしながら、COVID-19は、多くの症例において感染から発症までの潜伏期間が長いと考えられている。また、発症から1週間程度経過した後に症状が急速に悪化して重症肺炎に至るなど、臨床経過が長い症例も報告されている。そのため、COVID-19の診断において血清学的診断が有用となることが期待されている。血清学的診断に必要な血液検体は、採取が比較的簡単で、検体採取時の医療従事者への二次感染リスクが比較的低い。さらに、イムノクロマト法によるウイルス特異抗体検出法は、目視判定による定性分析ができるため、特別な装置を必要とせず、外来・ベットサイドで迅速かつ簡便に検査することが可能であり、一刻も早い臨床現場への導入が求められている。


感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により報告された新型コロナウイルス感染症確定症例287例の記述疫学(2020年3月9日現在)

国立感染症研究所
(掲載日 2020/3/17)

 

2020年2月1日より、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は感染症法第6条第8項の指定感染症に定められ、診断した医師は直ちに管轄の保健所に届け出ることが義務づけられた(感染症発生動向調査)。また、感染症法第15条に規定する積極的疫学調査を行うことが可能となった。

本稿では、感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により、探知された確定例について、感染症発生動向調査に届け出られた情報及び厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部が関係自治体等から毎日収集し、更新した情報(3月9日現在)をもとに記述する。前回2月24日現在の報告(https://www.niid.go.jp/niid/ja/covid-19/9440-covid19-14.html)を行っており、今回は2回目の報告となる。これらの情報収集は現在も進行中であるため、今後、修正、もしくは更新がなされる可能性がある。また、一部は未届出の段階の、あるいは感染症発生動向調査としての届出作業が終了していない症例が少なくないことから、本データで紹介する患者数は、厚生労働省が公表しているそれとは現時点で異なっている。今後、徐々に乖離は解消されていくと思われるが、注意されたい。

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