国立感染症研究所

Establishment of a novel diagnostic test algorithm for human T-cell leukemia virus type 1 infection with line immunoassay replacement of western blotting: a collaborative study for performance evaluation of diagnostic assays in Japan.

Okuma K, Kuramitsu M, Niwa T, Taniguchi T, Masaki Y, Ueda G, Matsumoto C, Sobata R, Sagara Y, Nakamura H, Satake M, Miura K, Fuchi N, Masuzaki H, Okayama A, Umeki K, Yamano Y, Sato T, Iwanaga M, Uchimaru K, Nakashima M, Utsunomiya A, Kubota R, Ishitsuka K, Hasegawa H, Sasaki D, Koh KR, Taki M, Nosaka K, Ogata M, Naruse I, Kaneko N, Okajima S, Tezuka K, Ikebe E, Matsuoka S, Itabashi K, Saito S, Watanabe T, Hamaguchi I.

Retrovirology. 2020 Aug 24;17(1):26.

exam 2020 1現在ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染の診断では、HTLV-1 抗体の一次検査陽性例に確認検査としてウエスタンブロット(WB)法を実施しているが、しばしば判定保留となる課題があった。本研究でWB法の代替法としてラインブロット(LIA)法の性能を評価したところ、判定保留例の大半を判定できることが分かった。

MARCH8 inhibits viral infection by two different mechanisms.

Yanzhao Zhang, Takuya Tada, Seiya Ozono, Satoshi Kishigami, Hideaki Fujita, and Kenzo Tokunaga.

eLife. (2020) Aug 11;9:e57763

vir 2020 11我々が以前報告した抗ウイルス宿主因子MARCH8(Nature Medicine, 21:1502-7. 2015)は、ウイルス産生細胞において、水胞性口炎ウイルスG(VSV-G)およびHIV-1エンベロープ(Env)のウイルス粒子への取込みを阻害して産生ウイルスの感染性を低下させるが、その詳細な分子抑制機構は不明であった。

Super-rapid quantitation of the production of HIV-1 harboring a luminescent peptide tag.

Seiya Ozono, Yanzhao Zhang, Minoru Tobiume, Satoshi Kishigami, and Kenzo Tokunaga.

J. Biol. Chem. (2020) Jul 20:jbc.RA120.013887.

vir 2020 10HIVおよびレンチウイルスベクターを用いる研究において、ウイルス定量には一般的に市販のELISAキットを使用するが、コスト的・所要時間的に大きな負担がかかる。これを解決すべく、近年開発された発光型ペプチドタグHiBiTをインテグラーゼのC末端に付加した完全長HIV-1プロウイルスDNAまたはレンチウイルスベクターを構築した。

bac 2020 2Periodic genotype shifts in clinically prevalent Mycoplasma pneumoniae strains in Japan.

Kenri T, Suzuki M, Sekizuka T, Ohya H, Oda Y, Yamazaki T, Fujii H, Hashimoto T, Nakajima H, Katsukawa C, Kuroda M, Shibayama K

Front. Cell. Infect. Microbiol., 06 August 2020

肺炎マイコプラズマ(Mp)によるマイコプラズマ肺炎は若年齢層に多く、発生頻度の高い市中肺炎である。今回、過去40年間のMp分離株の遺伝子型、マクロライド耐性の調査結果を集計した。

 

genome 2020 1国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センター

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新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム上にランダムに発生する変異箇所の足跡をトレースすることにより、感染リンクの過去を遡り積極的疫学調査を支援している。この調査により、これまでの経過は以下の様に説明できると考えている。中国発から地域固有の感染クラスターが発生し、“中国、湖北省、武漢” をキーワードに蓋然性の高い感染者・濃厚接触者をいち早く探知して抑え込むことができた。しかしながら、3月中旬から全国各地で欧州系統の同時多発流入により“感染リンク不明” の孤発例が検出されはじめた。数週間のうちに全国各地へ拡散して地域固有のクラスターが国内を侵食し、3−4月の感染拡大へ繋がったと考えられる。現場対策の尽力により一旦は収束の兆しを見せたが、6月の経済再開を契機に “若者を中心にした軽症(もしくは無症候)患者” が密かにつないだ感染リンクがここにきて一気に顕在化したものと推察される。隠れた感染リンクをいち早く探知するためにも、聞き取りによる実地疫学調査に加え、ゲノム分子疫学調査による拡散範囲を特定し、そのクラスター要因の特徴を示すことは今後の新型コロナ対策にとって必須だと考えている。
一方、本調査におけるゲノム情報は “鑑識” としての役割を担っているに過ぎず、聞き取り調査等の疫学情報無しでは成立しない。あくまで疫学調査を支援するひとつの支援材料であることを予めご留意いただきたい。塩基変異を足取りに “ゲノム情報を基礎にしたクラスター認定” を実施しているが、これは地域名や業種を特定して名指しするものではなく、あくまで患者としての成り立ちを “ウイルス分子疫学” として束ねてその共通因子を探る調査法である。現状、収束の見込みはあっても終息までにはさらなる時間を要すると思われる。今後、将来発生するクラスターを最小限に抑え込むためにも、ゲノム情報にてクラスター発生に至る要因を特定し、地方自治体への迅速な情報還元と効果的な感染症対策の構築を図っていく。

Should a viral genome stay in the host cell or leave? A quantitative dynamics study of how hepatitis C virus deals with this dilemma.

Iwanami S, Kitagawa K, Ohashi H, Asai Y, Shionoya K, Saso W, Nishioka K, Inaba H, Nakaoka S, Wakita T, Diekmann O, Iwami S*, Watashi K

PLoS Biology 18(7): e3000562 (2020) doi: 10.1371/journal.pbio.3000562

一本鎖+鎖RNAウイルスのゲノムRNAは、複製の鋳型であると同時にウイルス粒子構成分子としても機能する。この両者の分配バランスのtrade-offは最終的なウイルスの感染伝播効率を決定するが、その解析はほとんどなされていない。
 本研究ではC型肝炎ウイルスの臨床分離株JFH-1と、実験室型キメラウイルスJc1-nの2つのウイルス株をモデルに用いて、培養細胞での感染実験データに数理モデルを利用しウイルス動態を解析した。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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