感染研市民セミナー(第49回) 「くらしに役立つ病気の知識」 最近のヒト・動物インフルエンザの流行状況 国立感染症研究所(村山庁舎)では、毎日を健康に明るく過ごすための情報を、分かりやすく提供する市民公開セミナー「くらしに役立つ病気の知識」をシリーズ...
続きを読む風疹・先天性風疹症候群 2024年2月現在 (IASR Vol. 45 p51-52: 2024年4月号) 風疹は風疹ウイルスによる急性感染症であり, 発熱, 発疹, リンパ節腫脹を主徴とする。風疹に対する免疫が不十分な妊婦が風疹ウイル...
続きを読む治療薬・ワクチン開発研究センターは、感染症を病原体と宿主応答の両面から捉え、感染症の制圧に資する治療薬・ワクチンの開発研究を推進している。多種多様な病原体に対応すべく、所内病原体部門や国内外の大学、研究機関、企業と積極的に共同研究を進めており、様々な研究分野との融合を通じ、新しい研究手法を取り入れたシーズ開発や評価を行っている。加えて、感染症の免疫学的体外診断薬検査、へび抗毒素製剤の品質管理も行っている。
予防薬及び治療薬に関する研究(これらに関するレファレンス業務を含む。)及び講習を行うこと。
ワクチンに関する液性免疫学的研究を行うことをつかさどる。
ワクチンに関する細胞性免疫学的研究を行うことをつかさどる。
ワクチンに関する自然免疫学的研究を行うことをつかさどる。
ワクチンの評価に関する研究を行うことをつかさどる。
アジュバントに関する研究を行うことをつかさどる。
ワクチン開発の基盤に関する研究(他室の所掌に属するものを除く。)を行うことをつかさどる。
治療薬の探索に関する研究を行うことをつかさどる。
治療薬の評価に関する研究を行うことをつかさどる。
治療標的の探索に関する研究を行うことをつかさどる。
治療薬開発の基盤に関する研究(他室の所掌に属するものを除く。)を行うことをつかさどる。
感染病理部は、寄生虫、細菌、ウイルス、プリオン等による感染症の発症病理及び宿主応答に関する研究を行っている。感染症の病態解明はおもに宿主側から解析し、その結果が診断や治療に役立つものをめざしている。国内外から集められたヒト感染症例の生検・手術・剖検材料、そしてマウスやサルを用いた実験感染材料での発症病理の解析を病理組織学、免疫組織化学、in situ hybridization、超微形態、分子生物学的方法を用いて総合的に解析している。また宿主の感染免疫応答、ワクチンの安全性と効果、宿主及び微生物遺伝子の機能解析、そして新しいワクチン開発を行っている。生ワクチンの神経毒力試験や新興再興感染症の病理検査、たとえばウシ海綿状脳症の免疫組織化学による確認検査も行っている。
感染症その他の特定疾病に関する感染病理学的診断研究とこれらに関するレファレンス業務を行っている。
感染症その他の特定疾病に関する動物モデルを用いた感染病理学的研究とこれらに関するレファレンス業務を行っている。生ワクチンの神経毒力試験を行っている。
病因あるいは予防治療法が明らかでない疾病並びに病原体が関与する悪性腫瘍に関する実験病理学的研究とこれらに関するレファレンス業務を行っている。
感染症その他の特定疾病の診断、治療、予防に関する分子病理学的研究とこれらに関するレファレンス業務を行っている。
寄生動物部は原虫、蠕虫などの寄生虫に起因する感染症における病原機構、並びに感染防御に関する基盤的研究を行っている。また、これら寄生虫症の疫学、サーベイランス、診断、予防、治療に関する応用的研究を行っている。同時に、臨床からの検査依頼や診断・治療に関する相談に応じている。寄生虫症の消長は食生活の変化、地球温暖化、薬剤耐性出現等の社会、自然要因に大きく影響されており、常に新興再興感染症の隆盛を注視している。このため国内外の研究所・大学との研究協力や相互交流を積極的に行っている。
赤痢アメーバ、ジアルジア、クリプトスポリジウムなどの水や食物を介して感染する腸管原虫による感染症の病原機構に係る研究を行っている。また、角膜炎・脳炎・肺炎の原因となる自由生活性アメーバや、胎児や免疫不全者に網脈絡膜炎や脳炎を引きおこすトキソプラズマの病原機構に関する基礎研究を行っている。また、同時にこれらの原虫感染症の疫学、分子疫学的調査、並びに診断・治療法の開発を行っている。
食品由来、並びに動物由来の寄生蠕虫症 (アニサキス症、肺吸虫症、横川吸虫症・異形吸虫症、裂頭条虫症、エキノコックス症、アライグマ回虫症、トキソカラ症など) に関し、遺伝子診断法や血清診断法開発のための基礎的研究や疫学的研究を展開している。得られた成果は寄生虫情報として発信するとともに、医療機関や行政機関からの要請に応じて検査診断をサポートするなど社会貢献を果たしている。
マラリアやシャーガス病など、海外からの流入が問題とされる寄生虫症の病原・免疫機構に関する基礎的研究や診断・対策に関わる応用研究、寄生原虫の薬剤耐性に関する研究を実施している。また、これらの寄生虫症の診断や治療に関する相談にあたるとともに、熱帯地域を中心として問題となっている外来寄生虫症防疫のため、国内連携の強化(空港検疫所、地衛研など)と、国際連携の強化(アジア流行地、欧米諸国など)を積極的に行っている。
細菌第二部は、ジフテリア、百日咳、結核、インフルエンザ菌感染症、マイコプラズマ感染症などの細菌性呼吸器感染症、破傷風、ボツリヌス症、クロストリディオイデス・ディフィシル感染症などの偏性嫌気性細菌感染症、ヘリコバクター属菌等による日和見感染症や慢性感染症、鼻疽、類鼻疽などの希少感染症、猫ひっかき病など一部の人獣共通感染症について予防・診断・治療およびそれらに関するレファレンス業務にかかわることを所管する。これらの感染症の原因となる細菌について病原性、薬剤耐性の分子機構の解明や分子疫学解析、新規の薬剤やワクチン、診断法開発を行う。また、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイドを含むワクチン、BCGワクチン、Hibワクチン、精製ツベルクリン、ボツリヌスウマ抗毒素など一部の抗毒素などの生物学的製剤の品質管理試験およびそれらの品質管理に必要な標準品に関すること、無菌性保証に関すること、並びにそれらのレファレンス業務を行う。これらの感染症の研究やワクチン等生物学的製剤の品質管理に関して国際協力も行う。
百日咳菌を含むボルデテラ属細菌およびそれらに起因する疾病に関する研究を行うとともに、百日せきワクチンの検定・審査を担当する。また、百日咳感染症の病原体サーベイランスならびにレファレンス業務を行う。
マイコプラズマ、インフルエンザ菌などの細菌及びその感染症に関して、病原因子の解析、検査法の確立、分子疫学的解析などの研究を行う。また、ヘモフィルス・インフルエンザb型(Hib)ワクチンの品質管理を担当するとともに、生物学的製剤の無菌試験に関する業務に対応する。
ボツリヌス菌、破傷風菌、クロストリディオイデス・ディフィシル等の偏性嫌気性細菌による感染症、ならびにジフテリア菌をはじめとするコリネバクテリウム属菌による感染症に関する研究、および行政検査を行う。また、それらの感染症の予防、治療などに不可欠な、トキソイドワクチン、抗毒素製剤などの品質管理及びその技術向上に関する研究を行う。
結核菌及び非結核性抗酸菌の病原因子を生物学的生化学的並びに免疫学的手法を用いて解析する。結核症及び非結核性抗酸菌症の予防、診断、治療に関する研究を行う。BCG製剤及び精製ツベルクリン製剤の品質管理を担当するとともにそれらの技術向上に関する研究を行う。
細菌第一部においては、 以下に挙げるような細菌の分類及び同定に関する研究、 迅速診断法及び分子疫学的手法の開発研究、並びにそれらを用いての細菌感染症の流行解析を行っている。また、分子遺伝学的及び細胞生物学的手法を用い、 細菌感染症の病原性の分子レベルの研究を行い、その成果を病原体診断・検査、治療、及び予防法の開発に応用させている。
麻しんウイルス、風疹ウイルス、ムンプスウイルスに起因する感染症の実験室診断法、疫学、病原性発現機構、予防法などに関する研究を行なっている。また、上記感染症に加えて、インフルエンザウイルス、呼吸器系ウイルス(コロナウイルス[SARS-CoV-2])に対するワクチンの国家検定や検査、標準品・参照品の作成や供給などを行なっている。世界保健機関(WHO)より世界麻しん風しん特別実験室(Global Specialized Laboratory [GSL] for Measles and Rubella)の指定を受け、国内のみならず世界の麻しん風しん対策に協力している。世界の関係機関と連携して、インフルエンザワクチンの品質管理に使用する国際標準品の制定等に協力している。
麻しんワクチンおよび麻しん風しん混合ワクチンの国家検定、並びにそれらの品質管理に関する研究を行なっている。また、麻疹の実験室診断法の開発、診断用標準品の整備・配布、流行ウイルス株の解析などを行なっている。麻疹ウイルスの病原性や麻しんワクチンの性状に関する基礎研究を行なっている。第二室と共に、WHOのGSLとして新しい技術の開発や検査技術研修などの国際協力を行なっている。
風しんワクチンの国家検定、並びにそれらの品質管理に関する研究を行なっている。また、風しんに関する体外診断用医薬品の承認前試験の実施とそれに使用する抗体パネルなどの参照品の作成や整備を行なっている。風しんの実験室診断法の開発や、流行ウイルス株の解析、並びに風しんウイルスの病原性や風しんワクチンの性状に関する基礎研究を行なっている。第一室と共にGSLとしての国際協力を行なっている。
おたふくかぜ(ムンプス)ワクチンの国家検定、並びにそれらの品質管理に関する研究を行なっている。また、新規ムンプスワクチンや抗ムンプス薬の開発に関する研究、国内流行ウイルス株の解析、ムンプスウイルスの増殖機構や病原性発現機構に関する基礎研究を行なっている。
インフルエンザワクチンの国家検定、ワクチンの品質管理に関する研究並びにインフルエンザに関する基礎研究を行なっている。また、世界の関係機関と連携して、インフルエンザパンデミックへの危機対応並びにインフルエンザワクチンの力価試験に使用する国際標準試薬の制定に協力している。
呼吸器系ウイルス(コロナウイルスなどの)ワクチンの国家検定、並びにそれらの品質管理に関する研究を行なっている。また、呼吸器系ウイルス(インフルエンザウイルスを除く)に関しての基礎研究を行なっている。
研究にかかわる事業の企画と実施についての総合的な調整を行っている。
特に、国立感染症研究所内の研究プロジェクトの企画と実施についての総合的な調整、 関係行政機関との連絡・調整、他の研究機関との研究プロジェクトの調整を行っている。
国立感染症研究所の所掌事務に係る調査及び研究に関する重要事項の総括及び知財戦略等の技術的指導に関することの調整を行っている。
国立感染症研究所の所掌事務に係る調査及び研究に関する特定事項の総括及び所外組織の連携、共同研究の実施に関することの調整を行っている。
下痢症を起こすウイルス、ポリオウイルスを始めとするエンテロウイルス、経口感染及び血液を介して感染する肝炎ウイルスについての基礎研究及びウイルスに起因すると疑われる腫瘍性疾患についての病原や病因の検索等を行っている。これらのウイルスに起因する疾患のワクチン開発や改良、診断法の改善、開発も行っている。さらに、これらのウイルス感染症の疫学研究を行い、国内及び WHO のレファレンスラボラトリーとなっている。
出血熱ウイルス、アルボウイルス、神経ウイルス、ヒトヘルペスウイルス、及びリケッチア・クラミジアについての基礎研究、これらの病原体に起因する感染症の実験室診断法の確立、疫学的研究、病態発現機構の研究、予防治療法の研究を行っている。ワクチン(天然痘、日本脳炎、狂犬病、水痘帯状疱疹)の検定や検査を、また、これらの標準品の作製と供給を行っている。第二室は WHO の日本脳炎レファレンスラボに指定されている。