アスペルギルス症は, 環境中に広く存在するAspergillus属の糸状菌が原因となる深在性真菌症の1つである。胞子や分生子の形で空気中に浮遊し, ヒトがこれらを吸入することによって感染が生じる。特に, 侵襲性肺アスペルギルス症は, 免疫不全患者(好中球減少症の患者や造血幹細胞移植を受けた患者など)において発症しやすい。予後は非常に重篤で, 現在利用可能な最も効果的な治療薬を用いても, 依然として高い致命率を有している1)。経口抗真菌薬として国内承認されているのは, アゾール系抗真菌薬であるイトラコナゾール, ボリコナゾール, ポサコナゾール, イサブコナゾールのみである。長期投与が必要な外来治療において重要な役割を果たしており, 耐性化の進行は治療の困難化を招く可能性がある。
IDWR(感染症発生動向調査 週報) |
平成11年4月1日から施行された感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という。)に基づき、感染症法に規定された疾患の患者が、全国でどのくらい発生したのかを調査集計しています。 |
IASR(病原微生物検出情報) |
病原微生物検出情報(Infectious Agents Surveillance Report:IASR)は、全国の地方衛生研究所と検疫所から送られる最新の病原体検出報告に基づき作成されるグラフ・集計表および速報記事と、定期刊行物である月報に掲載される特集・国内情報・外国情報記事を公表しています。 |