(IDWR 2005年第6号) 中国南部の広東省を起源とした重症な非定型性肺炎の世界的規模の集団発生が、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS: severe acut...
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(2014年7月25日)
国立感染症研究所感染症疫学センター
国立国際医療研究センター病院国際感染症センター
本稿では、中東呼吸器症候群(MERS)(以下「MERS」という。)・鳥インフルエンザ(H7N9)(以下「H7N9」という。)の疑似症患者と患者(確定例)に対して行う院内感染対策の概要について、これまでに明らかになっている情報に基づいて記載する1)2)3)。これらは現時点での暫定的な推奨であり、今後得られる情報に応じて適宜改訂していくものである。
なお、MERS・H7N9の疑似症患者と患者(確定例)の届出基準は以下のホームページを参照されたい。
厚生労働省「感染症法に基づく医師の届出のお願い」
・中東呼吸器症候群(MERS)
・鳥インフルエンザ(H7N9)
(2014年7月25日)
国立感染症研究所感染症疫学センター
国立国際医療研究センター病院国際感染症センター
中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)患者(疑似症患者を含む)は感染症指定医療機関へ搬送されることが想定される。一般医療機関において、中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)患者が発生した場合、又はそのような医療機関に患者が直接来院した場合等には、車両等による患者搬送が行われる。患者搬送においては、感染源への曝露に関する搬送従事者の安全確保と、搬送患者の人権尊重や不安の解消の両面に立った感染対策を行うことが重要である。
基本的な考え方は、搬送従事者が、標準予防策・ 接触感染予防策・飛沫感染予防策・空気感染予防策を必要に応じて適切に実施し、患者に対して過度な隔離対策をとらないように適切に判断することである。
謝辞)本稿作成にあたっては、東北大学大学院医学系研究科 感染制御・検査診断学分野にご協力をいただいた。
付表1 患者搬送に必要な器材(注1)
サージカルマスク | 適宜(搬送従事者用、搬送患者用) |
N95マスク | 搬送従事者の数 ×2 (注2) |
手袋 | 1箱 |
フェイスシールド(またはゴーグル)、ガウン | 搬送従事者数 ×2 (注2) |
手指消毒用アルコール製剤 | 1個 |
清拭用資材・環境用の消毒剤 | タオル、ガーゼ等で使い捨てできるものを用意 |
感染性廃棄物処理容器 その他、ビニールシート等 |
注1: ただし、本付表は、車両による搬送を想定したものであり、船舶や航空機等を使用する場合は適宜修正して用いる必要がある。
注2:N95マスク、フェイスシールド(またはゴーグル)、ガウンは、予備も含め搬送従事者あたり2つずつ準備する。